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『3月16日』のお話 ロングバージョン

未来は君たちに任せる。頼むぞ広宣流布を!! 創価学会は、宗教界の王者であります。
何も恐れるものなどない。諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。

P1010763_2.jpg

豚汁のお話、車駕のお話、式典のお話の3つのお話です。
分量は、おおよそ20文字×260行です。


≪ナレーション≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和33年、西暦1958年の3月、一日7000人一ヶ月で20万人の大講堂落慶総登山の、まっ最中であります。
そこに、時の首相、峰直介(みねなおすけ)から、3月16日の日曜日に総本山に参詣したいとの、連絡が入ったのであります。
そうです。今日は、「広宣流布記念の日」3月16日の、お話であります。

戸田先生役ということですので、よろしくお願いします。
山本伸一の役です。当時は、参謀室長という役職だったそうです。

≪戸田城聖≫ よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。
そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる 式典をしようじゃないか。
伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。
この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、見事な後継の、誓いの集いに、いたします。

≪ナレーション≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていきました。
「3月16日に、急遽、青年部の登山がある。」
この連絡は、またたくまに、組織の隅々までいきわたったのであります。

≪ナレーション≫  そして師匠の戸田は、愛する弟子たち のために、すでに一つのアイデアを計画していたのであります。

≪蒲田支部≫ 私は蒲田支部の支部幹事です。
先生に、ご挨拶に来ました。
戸田先生、昨日の大講堂落慶法要まことに、おめでとうございます

≪戸田城聖≫ おう、よく来た。
待っていたのだ。
じつは、君に頼みたいことがあったのだよ。
じつは峰首相が、総本山に来ることになっている。
その時は、青年部を登山させ、総理を迎えようと思っているんだが、朝早くから、寒い中、青年たちが、腹をすかせて、やって来るに違いない。

そこでだ、この青年たちに何か温かいものを食べさせてやりたい。
いろいろ考えてみたが、豚汁が、一番いいのではないかと思う。
湯気のたつ豚汁は体も温まるし、栄養にもなるからな。
一つ君が中心になって、この豚汁づくりをやってもらいたいのだ。できるだろうかね、、、、

≪蒲田支部≫ は?。はい、かしこまりました。やらせていただきます。
そうしますと、人数はいかほどになりますでしょうか。

≪戸田城聖≫ 5-6000人だろうな。

≪蒲田支部≫ ろ、ろ、ろ、6000人分の豚汁!!、
んんーー、、一人一合としても、、、、んんーー、、6石(こく)ですな、、役員も50人くらいは、、、

≪戸田城聖≫ いや、こうした作業は、少数精鋭でやった方がはかどるだろう。
10人もいれば十分だ。
豚は2、3頭もあればいいだろう。
それで足りなければ、食べられるものなら何でもかんでも、入れればいいじゃないか、、は-は-は-は-は-
腹が減っては戦はできん。
いかなる戦いでも、これが鉄則だよ。

≪蒲田支部≫ はい、かしこまりました。
役員は蒲田支部から十人。
えーと、あーでもない。こーでもない。
かまどはドラム缶にディーゼルバーナーを取り付けたやつを四基。
大がま四つ、小ビャクシ30、大ビャクシ2本、大しゃもじが1つ。
あーでもない。こーでもない。
豚が3頭、にんじん10貫、ごぼう15貫、長ネギ15貫、ジャガイモ60貫、、野菜100貫、、、味噌は四斗だる一つ、、、

≪戸田城聖≫ 参加者には、「はし」と「わん」を持ってくるように徹底するのだ。
ただし、弁当は各自が持参するんだよ。
そこまで面倒はみれんからな。は-は-は-は-は-は-


≪ナレーション≫ 一方、弟子の山本伸一は、師匠のために、ひとり、心を痛めていたのであります。
それは戸田の体の衰弱でありました。

≪山本伸一≫ 戸田先生の気迫は、決して変わることはない。
しかし歩行は、日を追って困難になってきている。
なんとしても、師匠の体の負担を少しでも、減らしたいものだ。
澤田君、輸送班の責任者で大変だと思うが一つ、頼みがあるんだ。

≪澤田≫    山本参謀室長、なんでしょうか。

≪山本伸一≫ 16日の式典の時に、車駕(しゃが)を用意して、そこに戸田先生に乗っていただいて、青年たちで、担ごうと思っているんだ。

≪澤田≫ わかりました。
それでは、どのようなものを、作ればよろしいのでしょうか。

≪山本伸一≫ 戸田先生のお体の具合がとても、心配だ。
ともかく、戸田先生がお疲れにならないように、して欲しい。
一切は、澤田君に任せるから、よくよく、工夫して欲しい。 
 (二人の会話ここまで)

≪澤田≫ これは、、真剣に、考えねば、、。
どうすればいいだろう、あーでもない、、こーでもない。

そうだ車駕に、ひじかけいすをのせよう。
こうすれば戸田先生がゆったりとすわって、足を伸ばす事もできるぞ。
材料はヒノキだ。手すりを回せば、いいものができそうだ。
あーでもない  こーでもない   
図面、図面、、よし、よし、鉛筆なめなめ、よしこれでいこう


≪澤田≫ 参謀室長、車駕ができました。
今、理境坊(りきょうぼう)の中庭に運びました。

img067.jpg


≪山本伸一≫ ありがとう。がっしりして立派にできたね。
これなら、戸田先生のお体に、負担をかけなくてすむ。 澤田君、制作費は、、、、

≪澤田≫ それが、じつは、四万円もかかって、しまいました。

≪山本伸一≫ それは、心配しなくていい。私が払う。

≪ナレーション≫ 伸一は財布をはたいて、自分ひとりで全額を支払ったのであります。
(当時は高卒初任給で1万円)
それから、伸一は、理境坊の2階に行って、戸田に、報告した。

≪山本伸一≫ 明日の式典で、先生にお乗りいただこうと、車駕を作りました。
御覧いただければと思います。

≪戸田城聖≫ おう、、ん、、、、、、大きすぎる。
これでは戦闘の役にはたたぬ!

≪側近幹部≫ ほんとうに大きいですね。
これじゃあ、まるで角館の、祭りの山車(だし)ですね。(笑い)

≪澤田≫ しまったーーー、どうしようーー、あの形も大きさも、私が考えたものだ。
責任は私にあるのに、参謀室長ー(泣く)

≪山本伸一≫ 大丈夫だよ、澤田君。 
戸田先生は、かならず乗ってくださる。
弟子が真心をこめてつくったのだもの。
戸田先生は、こうした一つひとつの事柄を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。
ありがたいことじゃないか。
今のお叱りの言葉も、先生の御慈愛なんだ。
その先生が私たちの真心に、お応えくださらないわけがないじゃないか。
なにも、心配はいらないよ。


≪ナレーション≫  16日 午前3時過ぎから、青年たちを乗せた、バスが次々と到着した。
彼らを、待っていたのは、あの豚汁でありました。
その時初めて「はし」と「わん」を持ってくるようにと、徹底された、理由が、わかったのであります。
ことに、それが、戸田先生の心尽くしのご馳走であると知ると、師匠の真心に熱いものが、込み上げるのを、覚えたのであります。 


≪ナレーション≫  しかし、すべての準備が整った、午前10時ころ、突然、峰首相が参列できないとの連絡が、本山内を駆け巡ったのであります。

≪戸田城聖≫ 首相は参列しなくとも、予定どうり堂々たる、式典を開催し、盛大に代理で来る家族を歓迎しようじゃないか。
この式典を広宣流布を記念する模擬的な儀式とすることには、いささかも変わりはない。
私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託す式典にするつもりでいる。
首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。

≪ナレーション≫ 正午になった。戸田城聖は、山本伸一に手を取られて、理境坊(りきょうぼう)の玄関に降り立った。
そこには、周囲を白い布で巻いた、車駕が、置かれていたのであります。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実戦には向かぬ。戦いにならんぞ!!

≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。
しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。


≪ナレーション≫ 自らの命の燃え尽きんとするまで、戦いの極意と闘将の気迫を身をもって教え伝えようとする師匠の厳愛。
その師匠の体を気遣い、いたわろうとする、弟子の真心、、
---- それは、師匠と弟子の、熱い生命のドラマでありました。
戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体をあずけ、車駕の中央に固定されたひじかけ椅子に座った。
車駕は静かに、ゆっくりと参道を進みはじめました。
車駕には山本伸一がぴったりと、付き添ったのであります。

syaga_03.jpg

 戸田先生だ!  戸田先生だ!   
青年たちの歓声が、潮騒のように広がっていった。
戸田は 青年たちに、心の中で静かに語りかけたのであります。


≪戸田城聖≫ みんな  みんな、よくやって来たな。 
私は君たちに会えて幸せだ。よく 育った。 
ほんとうによく育ってくれた。
君たちとこうして会えるのも、これが最後だろう。
私がいなくなったあとは、君たちがやるのだ。
広宣流布を頼むぞ!


≪ナレーション≫ 12時40分  式典は開会となった。
司会は、山本伸一であります。

≪戸田城聖≫ 個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには正法を根幹とする以外にない。
ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。
それを今日 私は君たち青年に託しておきたい。
未来は君たちに任せる。
頼むぞ広宣流布を!! 
創価学会は、宗教界の王者であります。
何も恐れるものなどない。
諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。


≪ナレーション≫ この「創価学会は、宗教界の王者であります」との宣言は、戸田先生の勝利宣言であったのであります。
戸田は青年たちを見つめながら心のなかで叫びました。

≪戸田城聖≫ ---牧口先生,広宣流布の万代の基盤を作り上げ,あとは,我が愛弟子に託しました。
妙法広布の松明が,東洋へ,世界へと、燃え広がる日も、もはや、遠くは、ございません。

≪山本伸一≫ ----  先生、青年の陣列がみごと、そろいました。
広宣流布は必ず、われら弟子の手でいたします!どうかご安心ください。

≪ナレーション≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継」の章、から「3月16日」を 旭日地区のオール スター キャストでお送りいたしました。 
3.16 5.3 7.3 と創価のリズムを刻んで参りました。
11.18を目指し全てに勝利していこうではありませんか。

(3.16 5.3 7.3 と創価のリズムを刻んで全てに勝利していこうではありませんか。)

以上で、寸劇のコーナーを、終わります。



長いブログを最後まで読んでいただきありがとうございます。

豚汁のお話、車駕のお話、式典のお話の3つのお話です。





稚拙な表現は、私が勝手に作ったものです。

『あーでもない、こーでもない、、、鉛筆なめなめ、、』


原作を是非、読み直していただければと思います。

今後ともよろしくお願いします。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ20文字×260行です。





原稿の印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。
是非ご活用ください。
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テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

3月16日のお話(ショートバージョン)

よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。
そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる 式典をしようじゃないか。
伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。
この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。


広宣流布記念の日・3月16日の、お話です。(いわゆる「豚汁のお話」を省略したもの)
P1010763_2.jpg

車駕のお話+式典のお話 2部構成 20文字×200行

以前に紹介した「豚汁のお話」も入っているバージョンは、下記の寸劇です。
3月16日のお話



≪ナレーション≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和33年、西暦1958年の3月、一日7000人一ヶ月で20万人の大講堂落慶総登山の、まっ最中であります。
そこに、時の首相、峰直介(みねなおすけ)から、3月16日の日曜日に総本山に参詣したいとの、連絡が入ったのであります。
そうです。今日は、「広宣流布記念の日」3月16日の、お話であります。

戸田先生役ということですので、よろしくお願いします。
山本伸一の役です。当時は、参謀室長という役職だったそうです。

≪戸田城聖≫ よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。
そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる 式典をしようじゃないか。
伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。
この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、見事な後継の、誓いの集いに、いたします。

≪ナレーション≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていきました。
「3月16日に、急遽、青年部の登山がある。」
この連絡は、またたくまに、組織の隅々までいきわたったのであります。

≪ナレーション≫  山本伸一は、師匠のために、ひとり、心を痛めていたのであります。
それは戸田の体の衰弱でありました。

≪山本伸一≫ 戸田先生の気迫は、決して変わることはない。
しかし歩行は、日を追って困難になってきている。
なんとしても、師匠の体の負担を少しでも、減らしたいものだ。

澤田君、輸送班の責任者で大変だと思うが一つ、頼みがあるんだ。

≪澤田≫    山本参謀室長、なんでしょうか。

≪山本伸一≫ 16日の式典の時に、車駕(しゃが)を用意して、そこに戸田先生に乗っていただいて、青年たちで、担ごうと思っているんだ。

≪澤田≫ わかりました。
それでは、どのようなものを、作ればよろしいのでしょうか。

≪山本伸一≫ 戸田先生のお体の具合がとても、心配だ。
ともかく、戸田先生がお疲れにならないように、して欲しい。
一切は、澤田君に任せるから、よくよく、工夫して欲しい。 
 (二人の会話ここまで)

≪澤田≫ これは、、真剣に、考えねば、、。
どうすればいいだろう、あーでもない、、こーでもない。

そうだ車駕に、ひじかけいすをのせよう。
こうすれば戸田先生がゆったりとすわって、足を伸ばす事もできるぞ。
材料はヒノキだ。手すりを回せば、いいものができそうだ。
あーでもない  こーでもない   
図面、図面、、よし、よし、鉛筆なめなめ、よしこれでいこう


≪澤田≫ 参謀室長、車駕ができました。
今、理境坊(りきょうぼう)の中庭に運びました。

≪山本伸一≫ ありがとう。がっしりして立派にできたね。
これなら、戸田先生のお体に、負担をかけなくてすむ。 澤田君、制作費は、、、、

≪澤田≫ それが、じつは、四万円もかかって、しまいました。

≪山本伸一≫ それは、心配しなくていい。私が払う。

≪ナレーション≫ 伸一は財布をはたいて、自分ひとりで全額を支払ったのであります。
(当時は高卒初任給で1万円)
それから、伸一は、理境坊の2階に行って、戸田に、報告した。

≪山本伸一≫ 明日の式典で、先生にお乗りいただこうと、車駕を作りました。
御覧いただければと思います。

≪戸田城聖≫ おう、、ん、、、、、、大きすぎる。
これでは戦闘の役にはたたぬ!

≪側近幹部≫ ほんとうに大きいですね。
これじゃあ、まるで角館の、祭りの山車(だし)ですね。(笑い)

≪澤田≫ しまったーーー、どうしようーー、あの形も大きさも、私が考えたものだ。
責任は私にあるのに、参謀室長ー(泣く)

≪山本伸一≫ 大丈夫だよ、澤田君。 
戸田先生は、かならず乗ってくださる。
弟子が真心をこめてつくったのだもの。
戸田先生は、こうした一つひとつの事柄を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。

ありがたいことじゃないか。
今のお叱りの言葉も、先生の御慈愛なんだ。
その先生が私たちの真心に、お応えくださらないわけがないじゃないか。
なにも、心配はいらないよ。

≪ナレーション≫  3月16日、すべての準備が整った。
6千人の青年部も結集した。
しかし、突然、峰首相が参列できないとの連絡が、本山内を駆け巡ったのであります。

≪戸田城聖≫ 首相は参列しなくとも、予定どうり堂々たる、式典を開催し、盛大に代理で来る家族を歓迎しようじゃないか。
この式典を広宣流布を記念する模擬的な儀式とすることには、いささかも変わりはない。
私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託す式典にするつもりでいる。
首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。

≪ナレーション≫ 正午になった。戸田城聖は、山本伸一に手を取られて、理境坊(りきょうぼう)の玄関に降り立った。
そこには、周囲を白い布で巻いた、車駕が、置かれていたのであります。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実戦には向かぬ。戦いにならんぞ!!

≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。
しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。


≪ナレーション≫ 自らの命の燃え尽きんとするまで、戦いの極意と闘将の気迫を身をもって教え伝えようとする師匠の厳愛。
その師匠の体を気遣い、いたわろうとする、弟子の真心、、
---- それは、師匠と弟子の、熱い生命のドラマでありました。

戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体をあずけ、車駕の中央に固定されたひじかけ椅子に座った。
車駕は静かに、ゆっくりと参道を進みはじめました。
車駕には山本伸一がぴったりと、付き添ったのであります。 
 
戸田先生だ!  戸田先生だ!   青年たちの歓声が、潮騒のように広がっていった。
戸田は 青年たちに、心の中で静かに語りかけたのであります。

syaga_04.jpg

≪戸田城聖≫ みんな  みんな、よくやって来たな。 
私は君たちに会えて幸せだ。よく 育った。 
ほんとうによく育ってくれた。
君たちとこうして会えるのも、これが最後だろう。
私がいなくなったあとは、君たちがやるのだ。
広宣流布を頼むぞ!


≪ナレーション≫ 12時40分  式典は開会となった。
司会は、山本伸一であります。

≪戸田城聖≫ 個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには正法を根幹とする以外にない。
ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。
それを今日 私は君たち青年に託しておきたい。
未来は君たちに任せる。
頼むぞ広宣流布を!! 
創価学会は、宗教界の王者であります。
何も恐れるものなどない。
諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。


≪ナレーション≫ この「創価学会は、宗教界の王者であります」との宣言は、戸田先生の勝利宣言であったのであります。
戸田は青年たちを見つめながら心のなかで叫びました。

≪戸田城聖≫ ---牧口先生,広宣流布の万代の基盤を作り上げ,あとは,我が愛弟子に託しました。
妙法広布の松明が,東洋へ,世界へと、燃え広がる日も、もはや、遠くは、ございません。

≪山本伸一≫ ----  先生、青年の陣列がみごと、そろいました。
広宣流布は必ず、われら弟子の手でいたします!どうかご安心ください。

≪ナレーション≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継」の章、から「3月16日」を 旭日地区のオール スター キャストでお送りいたしました。 

3.16 5.3 7.3 と創価のリズムを刻んで参りました。
11.18を目指し全てに勝利していこうではありませんか。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを、終わります。



最後まで読んでいただきありがとうございます。


この寸人間革命の分量は、おおよそ、20文字×200行です。
原稿の印刷用に空白行の少ない テキストデータを準備しました。是非ご活用ください。

最後に 『随筆 新・人間革命「3・16」の大儀式を偲びつつ』を掲載しました。  

テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

「広宣流布記念の日」3月16日の、お話

峰さん、あなたの来るのを六千人の青年が、前々から準備をして、待っているのですぞ!!
青年を騙すことになるではないか!!

済まないことをしました。戸田さんには、くれぐれもお詫びします。

私に詫びよと、いっているのではない!!詫びるのは、青年たちにだ!!

P1010487_1.jpg

豚汁のお話、車駕のお話、峰総理のお話、式典のお話の4部構成です。
分量はおおよそ20文字×300行です。



≪ナレーション≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和33年、西暦1958年の3月、一日7000人、一ヶ月で20万人の大講堂落慶総登山の、まっ最中であります。

そこに、時の首相、峰直介(みねなおすけ)から、3月16日の日曜日に総本山に参詣したいとの、連絡が入ったのであります。
そうです。本日は、「広宣流布記念の日」3月16日の、お話であります。

≪戸田城聖≫ よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。
そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる 式典をしようじゃないか。
伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。
この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、見事な後継の、誓いの集いに、いたします。

≪ナレーション≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていきました。
「3月16日に、急遽、青年部の登山がある」この連絡は、またたくまに、組織の隅々までいきわたったのであります。

そして師匠の戸田は、愛する弟子たちのために、すでに一つのアイデアを計画していたのであります。

≪蒲田支部≫ 私は蒲田支部の支部幹事です。
先生に、ご挨拶に来ました。「戸田先生、昨日の大講堂落慶法要まことに、おめでとうございます」

≪戸田城聖≫ おう、よく来た。待っていたのだ。
じつは、君に頼みたいことがあったのだよ。
じつは峰首相が、総本山に来ることになっている。
その時は、青年部を登山させ、総理を迎えようと思っているんだが、朝早くから、寒い中、青年たちが、腹をすかせて、やって来るに違いない。

 そこでだ、この青年たちに何か温かいものを食べさせてやりたい。
いろいろ考えてみたが、豚汁が、一番いいのではないかと思う。
湯気のたつ豚汁は体も温まるし、栄養にもなるからな。
一つ君が中心になって、この豚汁づくりをやってもらいたいのだ。できるだろうかね、、、、

≪蒲田支部≫ はぁ? はい、かしこまりました。
やらせていただきます。そうしますと、人数はいかほどになりますでしょうか。

≪戸田城聖≫ 5――6000人だろうな。

≪蒲田支部≫ ろ、ろ、ろ、6000人分の豚汁!!、
んんーー、、一人一合としても、、、、んんーー、、6石(こく)ですな、、役員も50人くらいは、、、

≪戸田城聖≫ いや、こうした作業は、少数精鋭でやった方がはかどるだろう、10人もいれば十分だ。
豚は2、3頭もあればいいだろう。
それで足りなければ、食べられるものなら何でもかんでも、入れればいいじゃないか、、は-は-は-は-は-
腹が減っては戦はできん。いかなる戦いでも、これが鉄則だよ。

≪蒲田支部≫ はい、かしこまりました。
役員は蒲田支部から十人。えーと、あーでもない。こーでもない。
かまどはドラム缶にディーゼルバーナーを取り付けたやつを四基、大がま四つ、小ビャクシ30、大ビャクシ2本、大しゃもじが1つ。
あーでもない。こーでもない、豚が3頭、にんじん10貫、ごぼう15貫、長ネギ15貫、ジャガイモ60貫、、野菜100貫、、、味噌は四斗だる一つ、、、

≪戸田城聖≫ 参加者には、「はし」と「わん」を持ってくるように徹底するのだ。
ただし、弁当は各自が持参するんだよ。
そこまで面倒は、みれんからな。は-は-は-は-は-は-

≪ナレーション≫ 一方、弟子の山本伸一は、師匠のために、ひとり、心を痛めていたのであります。
それは戸田の体の衰弱でありました。

≪山本伸一≫ 戸田先生の気迫は、決して変わることはない。
しかし歩行は、日を追って困難になってきている。
なんとしても、師匠の体の負担を少しでも、減らしたいものだ。
澤田君、頼みがあるんだ。

≪澤田良一≫  山本参謀室長、なんでしょうか。

≪山本伸一≫ 16日の式典の時に、車駕(しゃが)を用意して、そこに戸田先生に乗っていただいて、青年たちで、担ごうと思っているんだ。

≪澤田良一≫ わかりました。それでは、どのようなものを、作ればよろしいのでしょうか。

≪山本伸一≫ 戸田先生のお体の具合がとても、心配だ。
ともかく、戸田先生がお疲れにならないように、して欲しい。
一切は、澤田君に任せるから、よくよく、工夫して欲しい。
  (二人の会話ここまで)

≪澤田良一≫ これは、、真剣に、考えねば、、どうすればいいだろう、あーでもない、、こーでもない 
 そうだ車駕に、ひじかけいすをのせよう。
こうすれば戸田先生がゆったりとすわって、足を伸ばす事もできるぞ。
材料はヒノキだ。手すりを回せば、いいものができそうだ。
あーでもない  こーでもない  
 図面、図面、、よし、よし、鉛筆なめなめ、よしこれでいこう。

≪澤田良一≫ 参謀室長、車駕ができました。今、理境坊の中庭に運びました。

≪山本伸一≫ ありがとう。がっしりして立派にできたね。
これなら、戸田先生のお体に、負担をかけなくてすむ。澤田君、制作費は、

≪澤田良一≫ それが、じつは、四万円もかかって、しまいました。

≪山本伸一≫ それは、心配しなくていい。私が払う。

≪ナレーション≫ 伸一は財布をはたいて、自分ひとりで全額を支払ったのであります。
(当時は高卒初任給で1万円)
それから、伸一は、理境坊の2階に行って、戸田に、報告した。

≪山本伸一≫ 明日の式典で、先生にお乗りいただこうと、車駕を作りました。
御覧いただければと思います。

img067.jpg


≪戸田城聖≫ おう、、ん、、、、、、大きすぎる。
これでは戦闘の役にはたたぬ!

≪側近幹部≫ ほんとうに大きいですね。
これじゃあ、まるで角館の祭りの山車(だし)ですね。

≪澤田良一≫ しまったーーー、どうしようーー、あの形も大きさも、私が考えたものだ。
責任は私にあるのに、参謀室長ー(泣く)

≪山本伸一≫ 大丈夫だよ、澤田君。 
戸田先生は、かならず乗ってくださる。
弟子が真心をこめてつくったのだもの、、戸田先生は、こうした一つひとつの事柄を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。

ありがたいことじゃないか。
今のお叱りの言葉も、先生の御慈愛なんだ。
その先生が私たちの真心に、お応えくださらないわけがないじゃないか。
なにも、心配はいらないよ。

≪ナレーション≫  16日 午前3時過ぎから、青年たちを乗せた、バスが次々と到着した。
彼らを、待っていたのは、あの豚汁でありました。
その時初めて「はし」と「わん」を持ってくるようにと、徹底された、理由が、わかったのであります。
ことに、それが、戸田先生の心尽くしのご馳走であると知ると、師匠の真心に熱いものが、込み上げるのを、覚えたのであります。
 
午前9時半、峰首相の歓迎にための、すべての準備は整った。あとは首相一行の到着を待つばかりであります。しかし、、、

≪戸田城聖≫ もしもし、戸田ですが、どなたでしょうか

≪峰首相≫ 首相の、峰直介です。
実は戸田さん。
まことに申し訳ない。
家族と箱根まで来ておるのですが、エート、そうそう外交上の問題が発生しまして急遽、東京に戻らねばならなくなってしまったのですよ。

≪戸田城聖≫ なに!、なんですと!!

≪峰首相≫ まことに申し訳ないが、そんなわけで、私は、これから東京に引き返さなければならんのです。

≪戸田城聖≫ 峰さん、あなたの来るのを六千人の青年が、前々から準備をして、待っているのですぞ!!
青年を騙(だま)すことになるではないか!!

≪峰首相≫ 済まないことをしました。
戸田さんには、くれぐれもお詫びします。

≪戸田城聖≫ 私に詫びよと、いっているのではない!!
詫びるのは、青年たちにだ!!

≪峰首相≫ その通りです。戸田さんの方から、くれぐれも宜しくいってください。
私はいけないが、そのかわり家内と娘、それから婿で私の秘書を伺わせます。
どうかひとつ宜しくお願いいたします。

≪ナレーション≫ 戸田城聖と峰直介との交友が始まったのは、二、三年ほどまえのことであった。
もとより、二人は思想も信条も異なっていた。
しかし、これからの日本をどうするかという、建設の意気と気概は共通しており、互いに響きあうものがあった。

政治の世界にあって、権謀術数を駆使することを余儀なくされてきたであろう峰が、いかなる意図をもって、戸田と接触したかは知る由もない。
しかし戸田は一人の人間として、誠実をもって峰に対したのであります。

≪戸田城聖≫ 首相は参列しなくとも、今日は予定どおり堂々たる、式典を開催し、盛大に代理で来る家族を歓迎しようじゃないか。
この式典を広宣流布を記念する模擬的な儀式とすることには、いささかも変わりはない。
私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託す式典にするつもりでいる。
首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。

≪ナレーション≫ 正午前、車が到着した。
峰首相の姿はなく、代理で訪れた首相夫人と娘、そして婿の河部幸太郎が降り立ったのであります。

そのころ、戸田城聖は、山本伸一に手を取られて、理境坊(りきょうぼう)の玄関に降り立った。
そこには、周囲を白い布で巻いた、車駕が、置かれていたのであります。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実戦には向かぬ。戦いにならんぞ!!

≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。
しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。

≪ナレーション≫ 自らの命の燃え尽きんとするまで、戦いの極意と闘将の気迫を身をもって教え伝えようとする師匠の厳愛。
その師匠の体を気遣い、いたわろうとする、弟子の真心、、---- それは、師匠と弟子の、熱い生命のドラマでありました。

戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体を預け、車駕の中央に固定されたひじかけ椅子に座った。

車駕は静かに、ゆっくりと参道を進みはじめました。
車駕には山本伸一がぴったりと、付き添ったのであります。 

 戸田先生だ!  戸田先生だ!   青年たちの歓声が、潮騒のように広がっていった。
戸田は 青年たちに、心の中で静かに語りかけたのであります。

≪戸田城聖≫ みんな  みんな、よくやって来たな。 
私は君たちに会えて幸せだ。よく 育った。 ほんとうによく育ってくれた。
君たちとこうして会えるのも、これが最後だろう。
私がいなくなったあとは、君たちがやるのだ。広宣流布を頼むぞ!

≪ナレーション≫ 12時40分  式典は開会となった。
司会は、山本伸一であります。

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≪河部幸太郎≫ 義父(ちち)は、昨夜も、皆様方とお会いして祖国の再建について是非とも語り合いたいと申しておりましたが、実現できず、非常に残念でなりません。
義父の次の機会の参詣をお約束申しあげ、私たち一同のお詫びの言葉にかえさせていただく次第でございます。
ありがとうございました。

≪戸田城聖≫ 峰総理が「一日の法要には行けない」と言うから「そのあとはどうだ」と言ったら、「十六日なら行ける」というので、楽しみにしておったのです。
ところが、どうしてもということで東京に帰ることになった。これは仕方がないでしょう。

一国の総理といっても月給は安いものだ。
それでこき使われることは、ずいぶんこき使われるらしい。
大変な商売ですよ。
そうしたなかで、お嬢さんご夫妻と奥様をさしむけられた。
その誠意というものを、私は心から嬉しく思い、感謝しています。

私は峰先生が総理だから偉いと思った覚えはありません。
立場でなく、人間としてお付き合いしてきた。
これからもそうです。それが友人としての真心です。

妙法のもとには、皆、平等です。
そして、個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには正法を根幹とする以外にない。
ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。
それを今日 私は君たち青年に託しておきたい。

未来は君たちに任せる。頼むぞ広宣流布を!! 

創価学会は、宗教界の王者であります。

何も恐れるものなどない。
諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。

≪ナレーション≫ この「創価学会は、宗教界の王者であります」との宣言は、戸田先生の勝利宣言であったのであります。
戸田は青年たちを見つめながら心のなかで叫びました。

≪戸田城聖≫ ---牧口先生,広宣流布の万代の基盤を作り上げ,あとは,我が愛弟子に託しました。
妙法広布の松明が,東洋へ,世界へと、燃え広がる日も、もはや、遠くは、ございません。

≪山本伸一≫ ----  先生、青年の陣列がみごと、そろいました。
広宣流布は必ず、われら弟子の手でいたします!どうかご安心ください。

≪ナレーション≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継」の章、から「3月16日のお話」を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

ちなみに寸劇に登場する河部幸太郎(仮名)とは、安倍普三新首相のお父さんであります。
 
以上で寸劇のコーナーを、終わります。





最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

豚汁のお話 車駕のお話 峰総理のお話 式典のお話 の 4部構成になる、長いお話です。


この寸劇人間革命の分量はおおよそ 20文字×300行です。





原稿の印刷用に空白行を省略したテキストデータを準備しました。
是非、ご活用ください。


テーマ: 二次創作:小説 | ジャンル: 小説・文学

広宣流布記念の日3月16日の,お話

 政治の世界にあって、権謀術数を駆使することを余儀なくされてきたであろう峰が、いかなる意図をもって、戸田と接触したかは知る由もない。
 しかし戸田は一人の人間として、誠実をもって峰に対したのであります。

 首相は参列しなくとも、今日は予定どおり堂々たる、式典を開催し、盛大に代理で来る家族を歓迎しようじゃないか。この式典を広宣流布を記念する模擬的な儀式とすることには、いささかも変わりはない。
 私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託す式典にするつもりでいる。首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。


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車駕のお話 峰総理のお話 式典のお話 の 3部構成です。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×250行です。



≪ナレーション≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和33年、西暦1958年の3月、一日7000人一ヶ月で20万人の大講堂落慶総登山の、まっ最中であります。

 そこに、時の首相、峰直介(みねなおすけ)から、3月16日の日曜日に総本山に参詣したいとの、連絡が入ったのであります。そうです。
 本日は、「広宣流布記念の日」3月16日の、お話であります。

≪戸田城聖≫ よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる式典を、しようじゃないか。
 
伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、見事な後継の、誓いの集いに、いたします。

≪ナレーション≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていきました。

『3月16日に、急遽、青年部の登山がある。「はし」と「わん」を持ってくるように』
この連絡は、またたくまに、組織の隅々までいきわたったのであります。


≪ナレーション≫ 一方、弟子の山本伸一は、師匠のために、ひとり、心を痛めていたのであります。それは戸田の体の衰弱でありました。

≪山本伸一≫ 戸田先生の気迫は、決して変わることはない。しかし歩行は、日を追って困難になってきている。なんとしても、師匠の体の負担を少しでも、減らしたいものだ。
 澤田君、一つ、頼みがあるんだ。

≪澤田良一≫ 山本参謀室長、なんでしょうか。

≪山本伸一≫ 16日の式典の時に、車駕(しゃが)を用意して、そこに戸田先生に乗っていただいて、青年たちで、担ごうと思っているんだ。

≪澤田良一≫ わかりました。それでは、どのようなものを、作ればよろしいのでしょうか。
≪山本伸一≫ 戸田先生のお体の具合がとても、心配だ。ともかく、戸田先生がお疲れにならないように、して欲しい。
一切は、澤田君に任せるから、よくよく、工夫して欲しい。 (二人の会話ここまで)

≪澤田良一≫ これは、真剣に、考えねば。どうすればいいだろう、あーでもない、、こーでもない。
 
 そうだ車駕に、ひじかけいすをのせよう。こうすれば戸田先生がゆったりとすわって、足を伸ばす事もできるぞ。材料はヒノキだ。手すりを回せば、いいものができそうだ。

あーでもない、こーでもない、図面、図面。よし、よし、鉛筆なめなめ、よしこれでいこう

≪澤田良一≫ 参謀室長、車駕ができました。今、理境坊の中庭に運びました。

≪山本伸一≫ ありがとう。がっしりして立派にできたね。これなら、戸田先生のお体に、負担をかけなくてすむ。澤田君、制作費は、、、、

≪澤田良一≫ それが、じつは、四万円もかかって、しまいました。

≪山本伸一≫ それは、心配しなくていい。私が払う。

≪ナレーション≫ 伸一は財布をはたいて、自分ひとりで全額を支払ったのであります。

 (当時は高卒初任給で1万円)

それから、伸一は、理境坊の2階に行って、戸田に、報告した。

≪山本伸一≫ 明日の式典で、先生にお乗りいただこうと、車駕を作りました。御覧いただければと思います。

≪戸田城聖≫ おう、、ん、、、、、、大きすぎる。これでは戦闘の役にはたたぬ!

≪側近幹部≫ ほんとうに大きいですね。
 これじゃあ、まるで角館の祭りの山車(だし)ですね。

≪澤田良一≫ しまったーーー、どうしようーー、あの形も大きさも、私が考えたものだ、責任は私にあるのに、参謀室長ー(泣く)

≪山本伸一≫ 大丈夫だよ、澤田君。 戸田先生は、かならず乗ってくださる。弟子が真心をこめてつくったのだもの、戸田先生は、こうした一つひとつの事柄を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。
 ありがたいことじゃないか。今のお叱りの言葉も、先生の御慈愛なんだ。その先生が私たちの真心に、お応えくださらないわけがないじゃないか。
 なにも、心配はいらないよ。

≪ナレーション≫ 16日 午前3時過ぎから、青年たちを乗せた、バスが次々と到着した。
 彼らを、待っていたのは、あの豚汁でありました。その時初めて『「はし」と「わん」を持ってくるように』と、徹底された、理由が、わかったのであります。
 ことに、それが、戸田先生の心尽くしのご馳走であると知ると、師匠の真心に熱いものが、込み上げるのを、覚えたのであります。 

 午前9時半。峰首相の歓迎にための、すべての準備は整った。あとは首相一行の到着を待つばかりであります。しかし、

≪戸田城聖≫ もしもし、戸田ですが、どなたでしょうか

≪峰首相≫ 首相の、峰直介です。実は戸田さん。まことに申し訳ない。家族と箱根まで来ておるのですが、エート、そうそう外交上の問題が発生しまして急遽、東京に戻らねばならなくなってしまったのですよ。

≪戸田城聖≫ なに!なんですと!!

≪峰首相≫ まことに申し訳ないが、そんなわけで、私は、これから東京に引き返さなければならんのです。

≪戸田城聖≫ 峰さん、あなたの来るのを六千人の青年が、前々から準備をして、待っているのですぞ!! 青年を騙(だま)すことになるではないか!!

≪峰首相≫ 済まないことをしました。戸田さんには、くれぐれもお詫びします。

≪戸田城聖≫ 私に詫びよと、いっているのではない!!詫びるのは、青年たちにだ!!

≪峰首相≫ その通りです。戸田さんの方から、くれぐれも宜しくいってください。
 私はいけないが、そのかわり家内と娘、それから婿で私の秘書を伺わせます。どうかひとつ宜しくお願いいたします。

≪ナレーション≫ 戸田城聖と峰直介との交友が始まったのは、二、三年ほどまえのことであった。 もとより、二人は思想も信条も異なっていた。しかし、これからの日本をどうするかという、建設の意気と気概は共通しており、互いに響きあうものがあった。

 政治の世界にあって、権謀術数を駆使することを余儀なくされてきたであろう峰が、いかなる意図をもって、戸田と接触したかは知る由もない。

 しかし戸田は一人の人間として、誠実をもって峰に対したのであります。

≪戸田城聖≫ 首相は参列しなくとも、今日は予定どおり堂々たる、式典を開催し、盛大に代理で来る家族を歓迎しようじゃないか。この式典を広宣流布を記念する模擬的な儀式とすることには、いささかも変わりはない。
 私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託す式典にするつもりでいる。
 首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。

≪ナレーション≫ 正午前、車が到着した。峰首相の姿はなく、代理で訪れた首相夫人と娘、そして婿の河部幸太郎が降り立ったのであります。

 そのころ、戸田城聖は、山本伸一に手を取られて、理境坊(りきょうぼう)の玄関に降り立った。そこには、周囲を白い布で巻いた、車駕が、置かれていたのであります。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実戦には向かぬ。戦いにならんぞ!!

≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。

≪ナレーション≫ 自らの命の燃え尽きんとするまで、戦いの極意と闘将の気迫を身をもって教え伝えようとする師匠の厳愛。その師匠の体を気遣い、いたわろうとする、弟子の真心、--
-- それは、師匠と弟子の、熱い生命のドラマでありました。

戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体を預け、車駕の中央に固定された、ひじかけ椅子に座った。

車駕は静かに、ゆっくりと参道を進みはじめました。

車駕には山本伸一がぴったりと、付き添ったのであります。 

 戸田先生だ!戸田先生だ!青年たちの歓声が、潮騒のように広がっていった。

 戸田は 青年たちに、心の中で静かに語りかけたのであります。

≪戸田城聖≫ みんな、みんな、よくやって来たな。私は君たちに会えて幸せだ。よく育った。ほんとうによく育ってくれた。
 
 君たちとこうして会えるのも、これが最後だろう。私がいなくなったあとは、君たちがやるのだ。広宣流布を頼むぞ!

≪ナレーション≫ 12時40分。式典は開会となった。 司会は、山本伸一であります。

≪河部幸太郎≫ 義父(ちち)は、昨夜も、皆様方とお会いして祖国の再建について是非とも語り合いたいと申しておりましたが、実現できず、非常に残念でなりません。
 義父の、次の機会の参詣をお約束申しあげ、私たち一同のお詫びの言葉にかえさせていただく次第でございます。ありがとうございました。

≪戸田城聖≫ 峰総理が「一日の法要には行けない」とい言うから「そのあとはどうだ」と言ったら、「十六日なら行ける」というので、楽しみにしておったのです。ところが、どうしてもということで東京に帰ることになった。これは仕方がないでしょう。
 
 一国の総理といっても月給は安いものだ。それでこき使われることは、ずいぶんこき使われるらしい。大変な商売ですよ。そうしたなかで、お嬢さんご夫妻と奥様をさしむけられた。その誠意というものを、私は心から嬉しく思い、感謝しています。
 
 私は峰先生が総理だから偉いと思った覚えはありません。立場でなく、人間としてお付き合いしてきた。これからもそうです。それが友人としての真心です。
 
 妙法のもとには、皆、平等です。そして、個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには正法を根幹とする以外にない。ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。それを今日 私は君たち青年に託しておきたい。 未来は君たちに任せる。頼むぞ広宣流布を!! 
 創価学会は、宗教界の王者であります。

 何も恐れるものなどない。諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。

≪ナレーション≫ この「創価学会は、宗教界の王者であります」との宣言は、戸田先生の勝利宣言であったのであります。戸田は青年たちを見つめながら心のなかで叫びました。

≪戸田城聖≫ ---牧口先生,広宣流布の万代の基盤を作り上げ,あとは,我が愛弟子に託しました。妙法広布の松明が,東洋へ,世界へと、燃え広がる日も、もはや、遠くは、ございません。
≪山本伸一≫ ----  先生、青年の陣列がみごと、そろいました。広宣流布は必ず、われら弟子の手でいたします!どうかご安心ください。

≪ナレーション≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

 本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継」の章、から「3月16日のお話」を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。 

 ちなみに寸劇に登場する河部幸太郎(仮名)とは、安倍総理のお父さんです。

以上で寸劇のコーナーを、終わります。




この寸劇人間革命を最後まで読んでいただきありがとうございます。

この寸劇の分量はおおよそ 20文字×250行です。

原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しましたので、是非ご活用ください。

テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

広宣流布記念の日3月16日の,お話

 大きすぎる。これでは戦闘の役にはたたぬ!

 いや、いや。ほんとうに大きいですね。これじゃあ、まるで祭りの山車ですね。
 
 しまったー、どうしようー、あの形も大きさも、私が考えたものだ。

 大丈夫だよ、澤田君。戸田先生は、かならず乗ってくださる。
弟子が真心をこめてつくったのだもの。
戸田先生は、こうした一つひとつの事柄を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。
 ありがたいことじゃないか。今のお叱りの言葉も、先生の御慈愛なんだ。その先生が私たちの真心に、お応えくださらないわけがないじゃないか。なにも、心配はいらないよ。


P1010487_1.jpg



車駕のお話 峰総理のお話 式典のお話の 3部構成を、コンパクトにまとめたタイプです。
分量はおおよそ 20文字×195行です




≪ナレーション≫それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和33年、西暦1958年の3月、一日7000人一ヶ月で20万人の大講堂落慶総登山の、まっ最中であります。

 そこに、時の首相、峰直介(みねなおすけ)から、3月16日の日曜日に総本山に参詣したいとの、連絡が入ったのであります。そうです。本日は、「広宣流布記念の日」3月16日の、お話であります。

≪戸田城聖≫ よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる式典を、しようじゃないか。

 伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、見事な後継の、誓いの集いに、いたします。

≪ナレーション≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていきました。

『3月16日に、急遽、青年部の登山がある。「はし」と「わん」を持ってくるように』
 この連絡は、またたくまに、組織の隅々までいきわたったのであります。

≪ナレーション≫ 一方、弟子の山本伸一は、師匠のために、ひとり、心を痛めていたのであります。それは戸田の体の衰弱でありました。
 
山本伸一は、戸田が乗るための、車駕の作成を澤田良一に依頼したのであります。

≪澤田良一≫ これは、、真剣に、考えねば、、どうすればいいだろう、あーでもない、こーでもない。
そうだ車駕に、ひじかけいすをのせよう。こうすれば戸田先生がゆったりとすわって、足を伸ばす事もできるぞ。材料はヒノキだ。手すりを回せば、いいものができそうだ。

 あーでもない、こーでもない。図面、図面。よし、よし、鉛筆なめなめ、よしこれでいこう。
(向きなおって) 参謀室長、車駕ができました。今、理境坊(りきょうぼう)の中庭に運びました。

≪山本伸一≫ ありがとう。がっしりして立派にできたね。これなら、戸田先生のお体に、負担をかけなくてすむ。澤田君、制作費は、

≪澤田良一≫ それが、じつは、四万円もかかって、しまいました。

≪山本伸一≫ それは、心配しなくていい。私が払う。

≪ナレーション≫ 伸一は財布をはたいて、自分ひとりで全額を支払ったのであります。

 (当時は高卒初任給で1万円)

≪山本伸一≫ 明日の式典で、先生にお乗りいただこうと、車駕を作りました。御覧いただければと思います。

≪戸田城聖≫ おう、、ん、、、大きすぎる。これでは戦闘の役にはたたぬ!

≪側近幹部≫ いや、いや。ほんとうに大きいですね。これじゃあ、まるで角館の祭りの山車(だし)ですね。

≪澤田良一≫ しまったーー、どうしようーー、あの形も大きさも、私が考えたものだ、責任は私にあるのに。 参謀室長ーー(泣く)

≪山本伸一≫ 大丈夫だよ、澤田君。戸田先生は、かならず乗ってくださる。弟子が真心をこめてつくったのだもの、戸田先生は、こうした一つひとつの事柄を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。

ありがたいことじゃないか。今のお叱りの言葉も、先生の御慈愛なんだ。その先生が私たちの真心に、お応えくださらないわけがないじゃないか。なにも、心配はいらないよ。

≪ナレーション≫ 16日 午前3時過ぎから、青年たちを乗せた、バスが次々と到着した。彼らを、待っていたのは、あの『豚汁』でありました。
 
 その時初めて「はし」と「わん」を持ってくるようにと、徹底された、理由が、わかったのであります。ことに、それが、戸田先生の心尽くしのご馳走であると知ると、師匠の真心に熱いものが、込み上げるのを、覚えたのであります。 

 午前9時半、峰首相の歓迎にための、すべての準備は整った。あとは首相一行の到着を待つばかりであります。しかし、、、

≪戸田城聖≫ もしもし、戸田ですが、どなたでしょうか

≪峰首相≫ 首相の、峰直介です。実は戸田さん。まことに申し訳ない。家族と箱根まで来ておるのですが、エート、そうそう外交上の問題が発生しまして急遽、東京に戻らねばならなくなってしまったのですよ。

≪戸田城聖≫ なに!なんですと!!

≪峰首相≫ まことに申し訳ないが、そんなわけで、私は、これから東京に引き返さなければならんのです。

≪戸田城聖≫ 峰さん、あなたの来るのを六千人の青年が、前々から準備をして、待っているのですぞ!!

青年を騙すことになるではないか!!

≪峰首相≫ 済まないことをしました。戸田さんには、くれぐれもお詫びします。

≪戸田城聖≫ 私に詫びよと、いっているのではない!!詫びるのは、青年たちにだ!!

≪ナレーション≫ 戸田城聖と峰直介との交友が始まったのは、二、三年ほどまえのことであった。

 政治の世界にあって、権謀術数(けんぼうじゅつすう)を駆使することを余儀なくされてきたであろう峰が、いかなる意図をもって、戸田と接触したかは知る由もない。しかし戸田は一人の人間として、誠実をもって峰に対したのであります。

≪戸田城聖≫ 首相は参列しなくとも、この式典を広宣流布を記念する模擬的な儀式とすることには、いささかも変わりはない。

 私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託す式典にするつもりでいる。首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。

≪ナレーション≫ 正午前、車が到着した。首相の姿はなく、代理で訪れた首相夫人と娘、そして婿で秘書の河部幸太郎が降り立ったのであります。
 
 そのころ、戸田城聖は、山本伸一に手を取られて、理境坊の玄関に降り立った。そこには、周囲を白い布で巻いた、車駕が、置かれてあった。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実戦には向かぬ。戦いにならんぞ!!

≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。

≪ナレーション≫ 師匠の厳愛、そして師匠の体を気遣い、いたわろうとする、弟子の真心、---- それは、師匠と弟子の、熱い生命のドラマでありました。
 
 戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体を預け、車駕の中央に固定された、ひじかけ椅子に座った。
 
車駕は静かに、ゆっくりと参道を進みはじめました。車駕には山本伸一がぴったりと、付き添ったのであります。 

≪戸田城聖≫ みんな、よくやって来たな。 私は君たちに会えて幸せだ。よく 育った。 ほんとうによく育ってくれた。
 君たちとこうして会えるのも、これが最後だろう。私がいなくなったあとは、君たちがやるのだ。広宣流布を頼むぞ!


≪ナレーション≫12時40分。式典は開会となった。司会は、山本伸一であります。

≪戸田城聖≫ 妙法のもとには、皆、平等です。そして、個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには正法を根幹とする以外にない。ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。それを今日 私は君たち青年に託しておきたい。

未来は君たちに任せる。頼むぞ広宣流布を!! 

創価学会は、宗教界の王者であります。

何も恐れるものなどない。諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。

≪ナレーション≫ この「創価学会は、宗教界の王者であります」との宣言は、戸田先生の勝利宣言であったのであります。戸田は青年たちを見つめながら心のなかで叫びました。

≪戸田城聖≫ ---牧口先生、広宣流布の万代の基盤を作り上げ、あとは我が愛弟子に託しました。妙法広布の松明(たいまつ)が東洋へ世界へと、燃え広がる日も、もはや、遠くは、ございません。

≪ナレーション≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

 本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継」の章、から「3月16日のお話」を黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。 

ちなみに代理で来た娘婿で首相の秘書とは、安倍総理のお父さんです。

以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

この寸劇のおおよその分量は、20文字×195行です。

原稿の印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。

是非、ご活用ください。

テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

広宣流布記念の日3月16日の、お話

よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。
そして将来のために広宣流布の模擬試験予行演習となる式典をしようじゃないか。
伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託す儀式にしようと思っているのだよ。
この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

P1010487_1.jpg


車駕のお話、式典のお話の2部構成です。コンパクト版になります。
分量は、おおよそ 20文字×140行です。




≪ナレーション≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和33年、1958年の3月、一日7000人、一ヶ月で20万人の大講堂(だいこうどう)落慶(らっけい)総登山の、まっ最中であります。

 そこに、時の首相、峰直介(みね なおすけ)から、3月16日の日曜日に総本山大石寺に参詣(さんけい)したいとの、連絡が入ったのであります。そうです。本日は、「広宣流布記念の日」3月16日の、お話であります。

≪戸田城聖≫ よい機会だ。この日に、青年部を登山させようじゃないか。そして将来のために広宣流布の模擬試験(もぎしけん)、予行演習(よこうえんしゅう)となる式典(しきてん)を、しようじゃないか。

 伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継(こうけい)と責任を、君たちに託(たく)す儀式にしようと思っているのだよ。この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、みごとな後継の、誓(ちか)いの集(つど)いに、いたします。

≪ナレーション≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていきました。
『3月16日に、急遽、青年部の登山がある』この連絡は、またたくまに、組織の隅々(すみずみ)までいきわたったのであります。

≪ナレーション≫ 一方、弟子の山本伸一は、師匠のために、ひとり、心を痛めていたのであります。それは戸田の体の衰弱(すいじゃく)でありました。

山本伸一は、戸田が乗るための、車駕(しゃが)の作成を澤田良一に依頼したのであります。

≪澤田良一≫ 参謀(さんぼう)室長、車駕ができました。今、理境坊(りきょう ぼう)の中庭に運びました。

≪山本伸一≫ ありがとう。立派にできたね。これなら、戸田先生のお体に、負担をかけなくてすむ。

先生。明日の式典で、先生にお乗りいただこうと、車駕を作りました。御覧(ごらん)いただければと思います。

≪戸田城聖≫ おう。ん。大きすぎる!これでは戦闘(せんとう)の役にはたたぬ!

≪側近幹部≫ いや、いや。ほんとうに大きいですね。これじゃあ、まるで角館の祭りの山車(だし)ですね。

≪澤田良一≫ しまったー、どうしようー、あの形も大きさも、すべて私が考えたものだ。責任は私にあるのに。

≪山本伸一≫ 大丈夫だよ、澤田君。 戸田先生は、かならず乗ってくださる。戸田先生は、こうした一つひとつの事柄(ことがら)を通して、私たちを真剣に訓練して下さっているんだよ。
ありがたいことじゃないか。なにも、心配はいらないよ。

≪ナレーション≫ 16日、午前9時半、男女青年部の代表6000名が集い、すべての準備は整った。あとは首相一行の到着を待つばかりであります。しかし、突然、峰首相が参列(さんれつ)できないとの連絡が、入ったのであります。

≪戸田城聖≫ 首相は参列しなくとも、この式典を広宣流布を記念する模擬的(もぎてき)な儀式とすることには、いささかも変わりはない。

 私は、今日参加した青年を、この戸田の後継者と思い、広宣流布のいっさいを託(たく)す式典にするつもりでいる。
 首相がこないのだから、私が全力で、皆を激励したい。

≪ナレーション≫ 正午になった。戸田城聖は、山本伸一に手を取られて、理境坊(りきょうぼう)の玄関に降り立った。そこには、周囲を白い布で巻いた、車駕が、置かれてあった。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実戦には向かぬ。戦いにならんぞ!!
 
≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。

≪ナレーション≫ 師の厳愛(げんあい)、そして師の体を気遣(きづか)い、いたわろうとする、弟子の真心。

それは、師と弟子の、熱い生命の交流のドラマでありました。

戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体を預(あず)け、車駕の中央に固定された、ひじかけ椅子(いす)に座った。

車駕は静かに、ゆっくりと参道(さんどう)を進みはじめました。車駕には山本伸一がぴったりと、付き添ったのであります。 
   
≪ナレーション≫ 12時40分。式典は開会となった。司会は、山本伸一であります。

≪戸田城聖≫ 個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには正法を根幹とする以外にない。ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。

それを今日、私は君たち青年に託しておきたい。未来は君たちに任せる。頼むぞ広宣流布を!! 

創価学会は、宗教界の王者であります。何も恐れるものなどない。

諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉(ほま)れの法戦に、花の若武者(わかむしゃ)として勇敢(ゆうかん)に戦い進んでもらいたい。

≪ナレーション≫ この「創価学会は、宗教界の王者であります」との宣言は、戸田先生の大勝利宣言であったのであります。戸田は青年たちを見つめながら心のなかで叫びました。

≪戸田城聖≫ 牧口先生,広宣流布の万代の基盤を作り上げ,あとは,我が愛弟子(まなでし)に託しました。

妙法広布の松明(たいまつ)が,東洋へ,世界へと、燃え広がる日も、もはや、遠くは、ございません。

≪ナレーション≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継(こうけい)」の章、から「3月16日・広宣流布記念の日のお話」を、黎明地区の オール スター キャストでお送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ 20文字×140行です。 

原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。
是非ご活用ください。

テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

戸田先生の最後の指導(所化頭事件)

俺は、本山で一番偉い所化頭だ! 酒を飲んで何が悪い!
お前たち学会は、アルバイトで大石寺にきているのだろう
俺に講義させろ!お前たちは間違った指導をしている。俺が代わって指導してやる!
勤行のやり方がなってねえんだよ。いいか、だいたい、お前らはな…身延の山に行ってしまえ
信者から物をもらって喜ぶやつが、どこにいる。感謝なんかしなくてよい!

16日に戸田先生を車駕にお乗せしたことについても、『総本山では乗りものは禁止されているのに、いい気になって、なんだ。』と罵っています。もう、黙っているわけにはいきません。

あなたとの約束は、慶祝期間中は禁酒だったはずですね! しかし、あの所化頭は毎日酒を飲み、その上、学会の青年部をいじめぬき、今度はお小僧さんに暴行を加えた。これは許せません。
あなたが所化さんたちの教育係と聞いていたので、何回となく私はあの所化頭の愚行をやめさせてくださいと頼んだはずです。しかし、あなたは一度でも実行してくれましたか。もうあなたは信用できません。

衣の権威で、学会を奴隷のように意のままに操り、支配しようとする法主も、出てくるかもしれぬ。
……ことに、宗門の経済的な基盤が整い、金を持つようになれば、学会を切り捨てようとするにちがいない……。
戦時中と同じように、宗門は、正法を滅亡させる元凶となり、天魔の住処にならないとも、限らないのだ……。
しかし……、日蓮大聖人の正法を滅ぼすようなことがあっては、断じてならない。
そのために、宗門に巣くう邪悪とは、断固、戦え。いいか、伸一。一歩も退いてはならんぞ。追撃の手をゆるめるな!

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≪ナレーション1≫ 本日の寸劇人間革命は、「戸田先生の最後の指導」と題しましてお送りいたします。

時は、昭和33年・西暦1958年3月のお話。
そうです。「広宣流布記念の日」3月16日の前後のお話であります。

≪ナレーション2≫ 毎日七千人、延べ二十万人の学会員が大石寺に参詣する慶祝登山を無事故で行うために、何度も宗門と学会の間で協議が、されたのであります。

≪山本伸一≫ 学会は、大講堂周辺の警備をさせていただきます。御僧侶方は、大講堂のなかを守ってください。この警備は、私たちも命懸けで青年部を中心に行います。

次に大事な事は、慶祝登山が終了するまで、禁酒を徹底していきましょう。御僧侶方全員に伝えてください。

学会の方は私が責任を持って徹底させます。

≪ナレーション2≫ ところが、いざ慶祝登山が始まってみると、この約束を破ったのは僧侶の方であった。そして酒浸りになって、不祥事を起こした僧侶が出たのである。

一度還俗(けんぞく)し、修行を、一からやり直していた、三十一才になる所化頭であった。

この所化頭は、毎晩、料亭に行っては酒を飲んでいた。そればかりか、日中も一升瓶を放さなかったのであります。

所化頭はやりたい放題だった。

酔っ払っては、警備をしている青年部に絡(から)んだ。
「俺は、本山で一番偉い所化頭だ! 酒を飲んで何が悪い!」
「お前たち学会は、アルバイトで大石寺にきているのだろう」

酔っ払ったまま、会合に押しかけた。

「俺に講義させろ!」
「お前たちは間違った指導をしている。俺が代わって指導してやる!」

多くが小中学生である,所化のお小僧さんいじめも、ひどかった。
朝の勤行でも、自分は酔っ払っていながら、お小僧さんには、罵声(ばせい)を浴(あ)びせ続けた。

「勤行のやり方がなってねえんだよ。いいか、だいたい、お前らはな……身延の山に行ってしまえ」

お小僧さんに届けられた、お菓子や果物も、気にくわない。

「信者から物をもらって喜ぶやつが、どこにいる。感謝なんかしなくてよい!」

学会の青年部は、これらの度重なる暴言も、僧侶にあるまじき行状についても、慶祝法要中であることや、僧俗和合のために、ひたすらじっと耐えていたのであります。

≪ナレーション1≫ 三月も末に迫った日のことであった。
整理役員の青年が、早朝、あの問題の所化頭が、お小僧(こぞう)さんたちを怒鳴(どな)り散らしたあげく、大きな鈴(りん)を頭からかぶせて、鈴棒(りんぼう)で思いっきり叩(たた)くという、信じられない虐待をしている光景に出くわした。

酒を飲んでいると見え、顔は異様に赤かった。

驚いた青年は、山本伸一にその模様(もよう)を伝えたのであります。

≪山本伸一≫ また、そんなことがあったのか。

≪青年部≫ 参謀室長、それだけじゃありません。
あの所化頭は、学会員がお小僧さんのために、持ってきた、各地の銘菓や果物に対して、『こんな余り物を』と吐き捨てるように言っているんです。

16日に戸田先生を車駕(しゃが)にお乗せしたことについても、『総本山では乗りものは禁止されているのに、いい気になって、なんだ。』と罵(ののし)っています。
もう、黙っているわけにはいきません。

≪ナレーション1≫ 山本伸一は宗門理事に事情を説明し、所化頭の反省・謝罪を求めなければならないと、判断したのであります。

≪山本伸一≫ あなたとの約束は、慶祝期間中は禁酒だったはずですね! しかし、あの所化頭は毎日酒を飲み、その上、学会の青年部をいじめぬき、今度はお小僧さんに暴行を加えた。これは許せません。

≪宗門理事≫まあまあ、もう少し穏便にしてくれませんか。

≪山本伸一≫ あなたが所化さんたちの教育係と聞いていたので、何回となく私はあの所化頭の愚行をやめさせてくださいと頼んだはずです。しかし、あなたは一度でも実行してくれましたか。もうあなたは信用できません。

≪宗門理事≫ よくわかりました。それでは、彼を呼んで反省を促し、謝罪をさせます。しばらくお待ちください!

≪ナレーション1≫ 所化頭は、いつもの料亭にいた。
なんと、押入れの中に隠れていた。
あきれたことに、一升瓶を抱えすでに半分あけていたのであります。

すっかり泥酔して、フラフラしている所化頭に、青年部が謝罪を求めたのであります。

≪青年部≫あなたは僧侶として、大事な記念行事のさなかに、毎日、酒など飲んで恥ずかしいとは思わないのですか。

あなたは私たち青年部に何か恨(うら)みがあるのですか? はっきり言ってください。

(怒鳴りつける)…ちゃんと、質問に答えなさい!

≪山本伸一≫ まあ、待ちなさい

≪ナレーション1≫ 戸田が宗門の興隆(こうりゅう)のために、外護(げご)の赤誠(せきせい)を貫(つらぬ)いてきたことを嘲(あざ)笑うかのように、僧侶の腐敗、堕落は、限りなく進行していたのであります。

酔いをさますため、所化頭は、衣を脱ぐと川に入り、顔を洗いはじめた。戻ってくるのを待って、伸一は込み上げる激情をこらえ、諄々(じゅんじゅん)と諭(さと)すように語りはじめた。

≪山本伸一≫ いいですか。このたびの大講堂の落成は、日蓮正宗の七百年の歴史に輝く、晴れの壮挙なのです。その慶祝登山のさなかに、僧侶が朝から酒を飲んでいるようなことがあってよいのですか。

しかもあなたはお小僧さんを不当にいじめている。鈴をかぶせて打つなどということは、修行でも、訓練でも、決してないはずです。暴力、暴言は、私どもとしても見過ごすわけにはいきません。是非おやめください。

学会員は、僧侶の皆さんを尊敬しようとしているし、お小僧さんも心から大切にしています。それだから、登山のたびに、お小僧さんたちに、ひもじい思いをさせてはならないと、苦しい生活費のなかから菓子や果物を買い、お届けしてきたのです。

しかし、あなたはそれを『余り物』と言い、学会員を悪く言う。それでは、あまりにも、学会員を愚弄(ぐろう)しているではありませんか。みんなの真心を踏みにじらないでいただきたいのです。

また、あなたは日頃から戸田先生や学会の青年部員に反感をいだき悪口を言っていると聞きましたが、そういうことも、おやめいただきたいのです。

もし、ご意見や批判があるのならばお伺いしますので、私に言ってください……

≪ナレーション1≫ 伸一は忍耐強く、噛んで含めるように所化頭の非をただした。真心をつくしての説得であった。

所化頭は、意固地になっていると見え、憮然(ぶぜん)とした態度を取りつづけていたが、次第にうなだれていった。

≪山本伸一≫ あなたのことは宗門にお任せしますが、私たちの思いをわかってください。

≪ナレーション1≫ やがて、それまで押し黙っていた所化頭の、「すいません……」という声が、かすかに聞こえたのであります。

≪ナレーション2≫ 三月二十九日の朝、山本伸一は、登山会の進行状況を戸田城聖に報告したのであります。

≪山本伸一≫ 先生、ご容体はいかがでしょうか

≪戸田城聖≫ …大丈夫だ。どうだ…総登山の様子は……

≪山本伸一≫ はい、すべて順調に進んでおります。
総登山もあと二日となりましたが、何も事故はございません。ご安心なさってください。

≪戸田城聖≫ そうか……、何も、問題はないか。青年たちは、皆、元気か……

≪山本伸一≫ はい、皆、元気でがんばっております。問題といえば、あまりに非道な僧侶がおりまして、私どもで反省を促(うなが)す意味から抗議をいたしました。

≪ナレーション2≫戸田は軽く眼を閉じて伸一の報告をきていたが、聞き終わると、さも残念そうな表情で語りはじめた。

≪戸田城聖≫ 情けないことだな……。これは、小さい事のようだが、……宗門の腐敗、堕落というじつに大きな問題をはらんでいるのだ。

なぜ、堕落が始まり、腐敗していくのか……。それは広宣流布という至上の目的に生きることを忘れているからなのだ。この一点が狂えば、すべてが狂ってしまう。

残念なことだが……広宣流布を口にしながらも、多くの僧侶が考えていることは、保身であり、私利私欲をいかに満たすかだ。

……つまり、欲望の虜(とりこ)となり、畜生の心に堕(だ)してしまっているのだ。
だから……自分より弱い立場の所化小僧などは、鬱憤(うっぷん)ばらしのオモチャとしか考えない……。
……学会員のことも、供養を運んでくる奴隷(どれい)ぐらいにしか思わず、威張(いば)り散らす者もいるのだ……。

 戦時中も、宗門は、保身のために法を曲げ、大聖人の御遺命(ごゆいめい)を破り、軍部政府に迎合(げいごう)した。
……そして、牧口先生と私が逮捕されるや、かかわりを恐れて、学会を登山停止したのだ。……私は、憤怒(ふんぬ)に血の涙を飲む思いだった。

……戦時中、大聖人の仏法は、外敵によってではなく、臆病(おくびょう)で、姑息(こそく)な、僧侶の保身によって滅ぼされようとしたのだ。

……そのなかで、厳然(げんぜん)と、大聖人の仏法の命脈(めいみゃく)を保ったのが、牧口先生であり、創価学会なのだ。……だから、大聖人の御精神は、ほんとうの、信仰は、学会にしかない。

もし、学会から離れるならば……大聖人の正義(しょうぎ)を踏みにじった、謗法の寺でしかなくなってしまう。

しかも……学会は、宗門が財政的基盤を失い、壊滅(かいめつ)の危機に瀕(ひん)しているのを、信心の赤誠(せきせい)をもって、お助けしてきた。
心ある僧侶は、それを感謝している。
しかし……なかには、学会の大発展に嫉妬(しっと)し、私に対して、反感をいだいている者もいる。

……私が、信心のあり方を厳しく言うものだから、眼のうえのタンコブのように思っているのだ。

でも、……私が生きているうちは、正面きって、とやかくいう者はおるまい。だが、私がいなくなれば……あとは、何をするか、わかったものではないぞ。

≪ナレーション2≫ 戸田は肩で大きく息をしながら話し続けた。その言葉は、息苦しさのためか、しばしば途絶えたが、ただならぬ気迫にあふれていたのであります。

≪戸田城聖≫ 衣(ころも)の権威で、学会を奴隷のように意のままに操(あやつ)り、支配しようとする法主も、出てくるかもしれぬ。

……ことに、宗門の経済的な基盤が整い、金を持つようになれば、学会を切り捨てようとするにちがいない……。
戦時中と同じように、宗門は、正法を滅亡させる元凶となり、天魔の住処(すみか)にならないとも、限らないのだ……。

しかし……、日蓮大聖人の正法を滅ぼすようなことがあっては、断じてならない。

≪ナレーション2≫ そして、戸田は、最後の力を振(ふ)り絞(しぼ)るように叫んだのであります。

≪戸田城聖≫ そのために、宗門に巣くう邪悪とは、断固、戦え。

いいか、伸一。一歩も退いてはならんぞ。

追撃の手をゆるめるな!

≪ナレーション2≫ それは、炎のような言葉であった。
瞬間、戸田の眼が燃え輝いた。
これが、彼の最後の指導であり、愛弟子(まなでし)への遺言となったのであります。

≪ナレーション1≫ このお話が、戸田先生の逝去の4月2日の直前の出来事でありましたことは、皆様ご存知のとおりであります。

 本日は、小説人間革命第12巻「寂光」の章などより、「戸田先生の最後の指導」と題しまして、黎明地区の、オールスターキャストでお送りいたしました。

4.2 そして 5.3と、創価のリズムを刻みながら、すべてに勝利していこうでは、ありませんか。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。


長い寸劇人間革命を最後まで読んでいただきありがとうございます。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ20文字×270行です。
印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。

所化頭事件については、「渡辺慈済著、日蓮正宗“落日の真相”(2001年2月16日発行、 第三文明社)」から多くを参照しました。
参考のため該当部分を掲載しました。



テーマ: 二次創作:小説 | ジャンル: 小説・文学

戸田先生の最後の指導

伸一、昨日は、メキシコへ行った夢を見たよ。
待っていた、みんな待っていたよ。日蓮大聖人の仏法を求めてな。
行きたいな、世界へ。広宣流布の旅に……。
伸一、世界が相手だ。君の本当の舞台は世界だよ。
伸一、生きろ。うんと生きるんだぞ。そして、世界に征くんだ。

私は死んだら、大聖人のところへ還ってご挨拶する。
そこで、叱られるか褒められるかわからんが、七日たてばまた戻ってくる。
ともかく七日間は、私の遺骸は焼かずに、そのままにしておきなさい。
みんな、私の死相をよく見ておくのだ。
ほんとうの成仏の相とはどういうものか教えておきたいのだよ。

戦時中と同じように、宗門は、正法を滅亡させる元凶となり、天魔の住処にならないとも、限らないのだ……。
しかし……、日蓮大聖人の正法を滅ぼすようなことがあっては、断じてならない。
そのために、宗門に巣くう邪悪とは、断固、戦え。
いいか、伸一。一歩も退いてはならんぞ。
追撃の手をゆるめるな!



P1010486_2.jpg



≪ナレーション1≫ 本日の寸劇人間革命は、「戸田先生の最後の指導」と題しましてお送りいたします。

時は、昭和33年・西暦1958年3月は下旬のお話。
そうです。「広宣流布記念の日」3月16日の数日後のお話であります。

≪ナレーション2≫ ある朝のことである。
伸一が戸田城聖の寝ている理境坊(りきょうぼう)の二階へ行くと、戸田は床のなかでにこやかな表情を浮かべて話かけてきた。

≪戸田城聖≫ 伸一、昨日は、メキシコへ行った夢を見たよ。
待っていた、みんな待っていたよ。日蓮大聖人の仏法を求めてな。行きたいな、世界へ。広宣流布の旅に……。

≪山本伸一≫ 先生……

≪戸田城聖≫ 伸一、世界が相手だ。君の本当の舞台は世界だよ。
世界は広いぞ。人種も、民族も、異なる。自由主義の国も、社会主義の国もある。国によって宗教もさまざまだ。
そうした国々に、どうやって妙法を広めていくか、いまからよく考えておくことだ。
人類の幸福と平和の実現こそ仏法の本義なのだからな。

≪ナレーション2≫ 戸田はまじまじと伸一の顔を見た。そして、布団のなかから手を出した。伸一は、無言でその手を握った。

≪戸田城聖≫ 伸一、生きろ。うんと生きるんだぞ。
そして、世界に征(ゆ)くんだ。

≪ナレーション2≫ 伸一は戸田の手を握りしめ、何度も頷(うなづ)きながら唇をかみ締(し)めた。彼は師匠の温かい情愛、自己の使命の重大さが痛感されてならなかったのであります。

≪ナレーション1≫ 3月24日、戸田の体の衰弱を心配して、東京から医師を呼んだのであります。

≪木田医師≫ ご病気はすべて治っております。ただ、お体が著しく衰弱しています。
重湯でも、スープでも結構ですから、しっかりお召(め)しあがりになってください。

≪戸田城聖≫ ――どこも悪くないということは、病魔は完全に克服したことになる。
すると、あとは、私自身の使命の問題だ。

私は、念願の七十五万世帯を達成し、大講堂も寄進申し上げた。
いま、一人の人間として果(は)たすべき使命をことごとく果たし終えた、と言える。

≪ナレーション1≫ 戸田は満ち足りた思いで、枕の上から窓外に広がる春の大空を仰いだ。
空を眺めながら、戸田は大宇宙に吸い込まれていくような思いがした。
そして、生死が不二であることを、心から実感することができたのであります。

≪泉田ため≫ (秘書部長の泉田ためです。)先生、何か、お召しあがりいただけませんでしょうか。

≪戸田城聖≫ いや、いらぬ。それより、ここに座りなさい。
私が死んだらな、……

≪泉田ため≫ お亡くなりになるなんて……先生、そんなこと、おっしゃらないでください。

≪戸田城聖≫ まァ、聞きなさい。人間、誰でもいつか死ぬものだ。
私は死んだら、大聖人のところへ還(かえ)ってご挨拶する。

そこで、叱(しか)られるか褒(ほ)められるかわからんが、七日たてばまた戻ってくる。もっとも、宇宙には地球のような星がたくさんあるから、大聖人がどこかの星で広宣流布せよ、と言われれば、そこに生まれることになるだろう。

ともかく七日間は、私の遺骸(いがい)は焼かずに、そのままにしておきなさい。
みんな、私の死相をよく見ておくのだ。
ほんとうの成仏の相とはどういうものか教えておきたいのだよ。

≪ナレーション1≫ 泉田ためは、涙で赤らんだ眼を、しばたたきながら頷いた。
この言葉も、戸田城聖の遺言となったのであります。

≪ナレーション2≫ 三月も末に迫った日のことであった。
整理役員の青年が、早朝、一人の僧侶が、お小僧(こぞう)さんたちを怒鳴(どな)り散らし、大きな鈴(りん)を頭からかぶせて、鈴棒(りんぼう)で思いっきり叩(たた)くという、信じられない虐待をしている光景に出くわした。
酒を飲んでいると見え、顔は異様に赤かった。

驚いた青年は、山本伸一にその模様(もよう)を伝えたのであります。

≪山本伸一≫ また、そんなことがあったのか。

≪青年部≫ それだけじゃありません。
16日に戸田先生を車駕(しゃが)にお乗せしたことについても、あの所家頭(しょけがしら)は、「総本山では乗りものは禁止されているのに、いい気になって、なんだ。」と罵(ののし)っています。もう、黙っているわけにはいきません。

≪ナレーション2≫ 伸一は宗門の理事に事情を説明し、所家頭の反省・謝罪を求めたのであります。

≪山本伸一≫ いいですか。このたびの大講堂の落成は、日蓮正宗の七百年の歴史に輝く、晴れの壮挙(そうきょ)なのです。
そのさなかに、僧侶が毎日、朝から酒を飲んでいるようなことがあってよいのですか。
お小僧さんに対する、暴力、暴言は、私どもとしても見過ごすわけにはいきません。是非おやめください。

学会員は、登山のたびに、お小僧さんたちに菓子や果物を買い、お届けしてきたのです。
しかし、あなたはそれを「余り物」と言う。それでは、あまりにも、学会員を愚弄(ぐろう)しているではありませんか。

また、あなたは日頃から戸田先生や学会の青年部員に反感をいだき悪口を言っていると聞きましたが、そういうことも、おやめいただきたいのです。もし、ご意見や批判があるのならばお伺いしますので、私に言ってください……

≪ナレーション2≫ 伸一は忍耐強く、噛(か)んで含めるように所化頭の非をただした。真心をつくしての説得であった。

やがて「すいません……」という声が、かすかに聞こえたのであります。

≪ナレーション1≫ 三月二十九日の朝、山本伸一は、戸田城聖に登山会の進行状況を報告したのであります。

≪山本伸一≫ 先生、ご容体はいかがでしょうか

≪戸田城聖≫ ……大丈夫だ。
どうだ……総登山の様子は……

≪山本伸一≫ はい、すべて順調に進んでおります。
総登山もあと二日となりましたが、何も事故はございません。ご安心なさってください。

≪戸田城聖≫ そうか……、何も問題はないか。青年たちは、皆、元気か……

≪山本伸一≫ はい、皆、元気でがんばっております。問題といえば、あまりに非道な僧侶がおりまして、私どもで反省を促(うなが)す意味から抗議をいたしました。

≪ナレーション1≫戸田は軽く眼を閉じて伸一の報告をきていたが、聞き終わると、さも残念そうな表情で語りはじめた。

≪戸田城聖≫ 情けないことだな……。これは、小さい事のようだが、……宗門の腐敗、堕落というじつに大きな問題をはらんでいるのだ。

なぜ、堕落が始まり、腐敗していくのか……。それは広宣流布という至上の目的に生きることを忘れているからなのだ。この一点が狂えば、すべてが狂ってしまう。
残念なことだが……広宣流布を口にしながらも、多くの僧侶が考えていることは、保身であり、私利私欲をいかに満たすかだ。

……学会員のことも、供養を運んでくる奴隷ぐらいにしか思わず、威張り散らす者もいるのだ……。

 戦時中も、宗門は、保身のために法を曲げ、大聖人の御遺命(ごゆいめい)を破り、軍部政府に迎合した。
……そして、牧口先生と私が逮捕されるや、かかわりを恐れて、学会を登山停止したのだ。

……戦時中、大聖人の仏法は、外敵によってではなく、臆病で、姑息(こそく)な、僧侶の保身によって滅ぼされようとしたのだ。

……そのなかで、厳然(げんぜん)と、大聖人の仏法の命脈(めいみゃく)を保ったのが、牧口先生であり、創価学会なのだ。……だから、大聖人の御精神は、ほんとうの、信仰は、学会にしかない。

もし、学会から離れるならば……大聖人の正義(しょうぎ)を踏みにじった、謗法の寺でしかなくなってしまう。

しかも……学会は、宗門が財政的基盤を失い、壊滅(かいめつ)の危機に瀕(ひん)しているのを、信心の赤誠(せきせい)をもって、お助けしてきた。

心ある僧侶は、それを感謝している。
しかし……なかには、学会の大発展に嫉妬(しっと)し、私に対して、反感をいだいている者もいる。

……私が、信心のあり方を厳しく言うものだから、眼のうえのタンコブのように思っているのだ。
でも、……私が生きているうちは、正面きって、とやかくいう者はおるまい。

だが、私がいなくなれば……あとは、何をするか、わかったものではないぞ。

≪ナレーション1≫ 戸田は肩で大きく息をしながら話し続けた。その言葉は、息苦しさのためか、しばしば途絶えたが、ただならぬ気迫にあふれていたのであります。

≪戸田城聖≫ 衣(ころも)の権威で、学会を奴隷のように意のままに操り、支配しようとする法主も、出てくるかもしれぬ。

……ことに、宗門の経済的な基盤が整い、金を持つようになれば、学会を切り捨てようとするにちがいない……。

戦時中と同じように、宗門は、正法を滅亡させる元凶となり、天魔の住処(すみか)にならないとも、限らないのだ……。

しかし……、日蓮大聖人の正法を滅ぼすようなことがあっては、断じてならない。

≪ナレーション1≫ そして、戸田は、最後の力を振(ふ)り絞(しぼ)るように叫んだのであります。

≪戸田城聖≫ そのために、宗門に巣くう邪悪とは、断固、戦え。

いいか、伸一。一歩も退いてはならんぞ。
追撃の手をゆるめるな!

≪ナレーション1≫ それは、炎のような言葉であった。瞬間、戸田の眼が燃え輝いた。これが、彼の最後の指導であり、愛弟子への遺言となったのであります。

≪ナレーション2≫ このお話が、戸田先生の逝去の4月2日の直前の出来事でありましたことは、皆様ご存知のとおりであります。

 本日は、小説人間革命第12巻「寂光」の章より、「戸田先生の最後の指導」と題しまして、黎明地区の、オールスターキャストでお送りいたしました。

4.2 そして 5.3と、創価のリズムを刻みながら、すべてに勝利していこうでは、ありませんか。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ20文字×230行です。

印刷用に、空白行の少ないテキストデータを準備しました。

さらに、分量がおおよそ20文字×190行のコンパクトタイプも準備しました。


1、メキシコのお話。2、遺言のお話。3、所化頭のお話。4、最後の指導のお話。
4つのお話が続くために、お話の区切りをわかりやすくするために、ナレーションを2人でやる寸劇の構成にしてみました。


190行のコンパクトタイプの印刷イメージ(A4、2枚に印刷)
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昭和33年3月のお話

さあ、これで、私の仕事は終わった。

私はいつ死んでもいいと思っている。

伸一、あとはお前だ。頼むぞ!

伸一の体に電撃が走った。二人の目と目が光った。

師と弟子は、無限の生命の言葉を交わすかのように、沈黙したまま互いの顔を見つめ合った。

それは厳粛な瞬間であったのであります。

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≪ナレーション A≫ 白雪の富士を背に、本門大講堂は杉木立のなかに威容(いよう)を見せていた。

いかなる来賓を招いても恥じない、近代的な荘厳(そうごん)な建物であります。

≪戸田城聖≫ この自界叛逆(じかいほんぎゃく)が日本の国を覆(おお)っている。

このままでいけば、どうなるのか――。

それを救うのが妙法の力です。この大講堂で、教えを受け、それをもって、日本の国を救っていく以外にないのです。
そこに学会の使命があるのであります。

≪ナレーション B≫ 時は、昭和33年1958年3月1日。

大講堂の落慶法要が行われたのであります。

≪山本伸一≫ 先生、まいりましょう。まもなく祝宴の時間です。

6階の貴賓室で、来賓の皆様が、お待ちです。

≪ナレーション B≫ エレベーターが上昇しはじめると、戸田は、伸一の顔をのぞきこむように見すえた。

そして、静かだが、力をこめて言ったのであります。

≪戸田城聖≫ さあ、これで、私の仕事は終わった。

私はいつ死んでもいいと思っている。

伸一、あとはお前だ。頼むぞ!

≪ナレーション B≫ 伸一の体に電撃(でんげき)が走った。

二人の目と目が光った。

≪山本伸一≫ はい!

≪ナレーション B≫ 深い決意を秘めた声であった。

師と弟子は、無限の生命の言葉を交わすかのように、沈黙したまま互いの顔を見つめ合った。

それは厳粛な瞬間であったのであります。


≪ナレーション A≫ 数日後、時の首相から、16日に総本山に参詣したいとの、連絡が入ったのであります。

≪戸田城聖≫ この日に、青年部を登山させよう。

そして将来のために広宣流布の模擬試験、予行演習となる式典を、しようじゃないか。

 広宣流布がなされば、一国の宰相(さいしょう)はもとより、各国、各界の指導者がこの仏法を信奉(しんぽう)して、世界の平和と繁栄を祈念する日がやってくる。

いや、その時代を、青年の手で、必ずつくっていくのだ。

 伸一、僕はこの3月16日の式典を、広布の後継と責任を、君たちに託(たく)す儀式にしようと思っているのだよ。

この式典の全責任は君がもつのだ。思い通りに、力いっぱいやりたまえ。

≪山本伸一≫ はい、見事な後継の、誓いの集いに、いたします。

≪ナレーション A≫ こうして、山本伸一を中心に、式典の準備は、直ちに進められていったのであります。


≪ナレーション B≫ 3月16日、正午。

戸田城聖は、伸一に手を取られて、あの車駕(しゃが)の前に、立っていたのであります。

≪戸田城聖≫ 大きすぎて、実践には向かぬ!

戦いにならんぞ!

≪山本伸一≫ 先生、よくわかりました。申し訳ございません。

しかし、この車駕は弟子が真心で作ったものです。どうかお乗りください。

≪ナレーション B≫ 戸田は、伸一を見てにっこり、うなずくと、弟子たちに体を預け、車駕の中央に固定された、ひじかけ椅子に座った。

車駕は静かに、ゆっくりと参道を進みはじめました。

車駕には伸一がぴったりと、付き添ったのであります。

 ≪戸田城聖≫ 妙法のもとには、皆、平等です。

そして、個人も、国家も、幸せと繁栄を得るには、正法を根幹とする以外にない。

ゆえにわれわれには広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。

それを今日、私は君たち青年に託しておきたい。

未来は君たちに任せる。頼むぞ、広宣流布を!! 

創価学会は、宗教界の王者であります。

何も恐れるものなどない。

諸君は、その後継者であるとの自覚を忘れることなく、広布の誉れの法戦に、花の若武者として勇敢に戦い進んでもらいたい。

≪ナレーション B≫ それは、生涯にわたる正法の戦いを勝利した広布の大将軍の凱旋(がいせん)の姿であったのであります。


≪ナレーション A≫ このお話は、戸田先生の逝去の、4月2日の、直前の出来事であり、そしてこの3月16日が、のちに、「広宣流布記念の日」となり、広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日となった事は、皆様ご存知のとおりです。

 本日は、小説「人間革命・第12巻」「後継」の章、から「昭和33年3月のお話」を、旭日地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

 
以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。




この寸劇人間革命を最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

以前から作成してきた、3.16 のシリーズにチョッと、付け加えたものです。

3月1日の、大講堂のなかでの、師弟の会話を追加して、まとめてみました。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×105行です。

原稿印刷のための、空白行の少ないテキストデータを準備しましたので、ぜひご活用ください。



テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

『創価学会本部、一階、応接室』のお話


人間一人ひとり、皆、生涯になすべき仕事をもっている。

私は、広宣流布の未来のために幕を開いたと思っているが、いまになってみると、それが私の仕事であったことがよくわかる。

伸一君、君は生涯を賭けて果たすべき自分の未来の仕事について、考えたことはあるかな。

……僕が大きく幕を開いた舞台で活躍するのは、ほかならぬ君たちなのだ。
しっかり頼むよ。

ひとたび広宣流布の戦を起こしたならば、断じて勝たねばならぬ。
戦いを起こしておいて負けるのは、人間として最大の恥だ。


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≪ナレーションA≫ 時は昭和32年1957年11月。学会本部一階の応接室であります。
そのころ戸田は、二階の和室の会長室を避け、一階の応接室のソファーのうえに、横になっていることが、多くなって、いたのであります。

≪戸田城聖_1≫ 伸一か、入りなさい。

≪山本伸一≫ 先生、お体の具合はいかがでしょうか。

≪戸田城聖_1≫ 大丈夫だよ。ちょっと疲れているだけさ。しなければならんことが、たくさんあるうちは、人間、そうやすやすと死ねるものではない。

≪山本伸一≫ 総本山で建設中の大講堂の最終工事は、順調に進んでおります。
かくかくしかじか。

≪ナレーションA≫ 戸田は聞き終わると、ソファーに身を起こし、伸一にも座るよう勧めた。

そして穏やかな口調で、自分の半生を回顧するかのように語りはじめたのであります。

≪戸田城聖_1≫ 私は、広宣流布という尊い仕事に、自分の命を賭けさせていただいた。どんな人間でも、崇高なる目的に生きることによって、強く、大きな力を得ることができるものだ。
私にとって、もっとも厳しい人生の試練は戦時中の獄中生活だった。軍部政府は私の最愛の恩師の命を奪い、学会を壊滅状態に追い込み、私の体も、事業も、ボロボロにした。しかし、私は、この二年間の獄中生活に勝った。

おのれを捨てたからだよ。広布にわが身をなげうつことを決めたから勝ったのだ。そう決めた時から何の迷いも、恐れもなかった。
この決意をもって唱えた独房での二百万遍の唱題のなかで、御本仏とともにある久遠の自分を知り、地涌の菩薩としての使命を自覚するにいたった。
独房という地獄のなかで最高の歓喜と法悦につつまれ、不可思議な境地を会得したのだ。金色の光を一身に浴びるような無量な随喜に打ち震えながら、私は妻の両親に手紙を書き送った。
「私がいる限り富める者なれば落胆しないでくれ」と。

≪戸田城聖_2≫ 平凡な取るに足らぬ男が、偉大なる使命を知り、不動なる大確信を得たのだよ。
やがて、会長に就任したとき、私は七十五万世帯の折伏を誓った。最初は、誰も本気にさえしなかった。しかし、そんなことは、私の眼中にはなかった。自分一人でも、やろうと思っていたことだからだよ。

それが、私のこの世で果たさなければならぬ、私の使命なのだからな。
人を、たのむ心があれば、本当の戦いはできない。人をたのみ、数を頼る-その心にこそ、敗北の原因があるものだよ。私は、この世でやるべきことは、すべてやったと思う。人間として、なんの悔いがあるものか。

≪ナレーションA≫ 戸田はさも満足そうに、伸一に笑いかけた。それから彼方を仰ぐように眼を細めて、話続けたのであります。

≪戸田城聖_2≫ 人間一人ひとり、皆、生涯になすべき仕事をもっている。

私は、広宣流布の未来のために幕を開いたと思っているが、いまになってみると、それが私の仕事であったことがよくわかる。
伸一君、君は生涯を賭けて果たすべき自分の未来の仕事について、考えたことはあるかな。

……僕が大きく幕を開いた舞台で活躍するのは、ほかならぬ君たちなのだ。しっかり頼むよ。
ひとたび広宣流布の戦を起こしたならば、断じて勝たねばならぬ。戦いを起こしておいて負けるのは、人間として最大の恥だ。

≪ナレーショA≫ 伸一は、戸田の話を心に刻み込む思いで聴いていた。深い感動に言葉もなく、ただ、めっきりやつれた戸田の顔を、眺めるばかりであったのであります。

≪ナレーションB≫ それから四ヵ月後の三月下旬。そうです。あの三月十六日の数日後のお話であります。
戸田は床のなかで、にこやかな表情を浮かべて話かけてきたのであります。

≪戸田城聖_3≫ 伸一、昨日は、メキシコへ行った夢を見たよ。
待っていた、みんな待っていたよ。日蓮大聖人の仏法を求めてな。行きたいな、世界へ。
広宣流布の旅に……。

≪山本伸一≫ 先生……

≪戸田城聖_3≫ 伸一、世界が相手だ。君の本当の舞台は世界だよ。
世界は広いぞ。人種も、民族も、異なる。自由主義の国も、社会主義の国もある。国によって宗教もさまざまだ。
そうした国々に、どうやって妙法を広めていくか、いまからよく考えておくことだ。
人類の幸福と平和の実現こそ仏法の本義なのだからな。

≪ナレーションB≫ 戸田はまじまじと伸一の顔を見た。そして、布団のなかから手を出した。伸一は、無言でその手を握った。

≪戸田城聖_3≫ 伸一、生きろ。うんと生きるんだぞ。そして、世界に征(ゆ)くんだ。

≪ナレーションB≫ 伸一は戸田の手を握りしめ、何度も頷きながら唇をかみ締めた。
彼は師匠の温かい情愛、自己の使命の重大さが痛感されてならなかったのであります。

≪ナレーションA≫ 本日は、小説人間革命第12巻、憂愁の章、そして寂光の章より、「本部一階応接室」のお話を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。



この寸劇人間革命を最後まで、読んでいただき、ありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×115行です。
戸田先生のセリフが、多いので、3人で読んではどうでしょうか。

印刷用に、空白行の少ないテキストデータを準備いたしました。
楽しく、有意義な座談会に、ぜひご活用ください。



テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

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