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トインビー対談

アーノルド・トインビー博士との歴史的な対談の、お話です。

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≪ナレーション≫  それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は、昭和47年西暦1972年5月5日、午前10時30分、イギリスはロンドン郊外であります。
20世紀を代表する大歴史学者であるアーノルド・トインビー博士との歴史的な対談がまさに始まろうとしています。

時にトインビー博士は83歳。山本伸一会長は44歳でありました。

対談は5月9日まで4日間、さらに翌年の5月15日から19日までの延べ10日間、合わせて40時間にも及びました。

今回は、その対談をほんの数分にまとめようという、無謀(むぼう)な試みであります。
途中で、お聞きぐるしい英語の発音が、飛び出しますが、そこは何とかよろしくお願いします。

山本伸一 役です、よろしくお願いします。

トインビー博士役です、よろしくお願いします

二人の通訳をやります、ドクター川崎です。よろしくお願いします。

≪山本伸一≫ 私は、博士と対話できますことを、仏法の探求者として、また未来を生きる青年の一代表(いちだいひょう)として心から、嬉しく思います

≪トインビー博士≫ 私もまた、来るべき未来の世紀を考えています。未来はどうなるのか?。

私はもちろん、あなたさえも、この世から去り、さらに長い時を経た時代に、世の中はどうなっているのか?。
このことに、私は大きな関心を寄せています。

≪山本伸一≫ 私は「生命の尊厳とは何か。」「人間とは何か」といった根源的なものを、常に探求してきました。
対談でも、この点を深く掘り下げていければ、と思います。

≪トインビー博士≫ (うなずきながら) イエス、イエス、イエス。

長い間、この機会を待っていました。
やりましょう。21世紀のために語り継ぎましょう!!

≪山本伸一≫ それでは「人間とはいかなる存在か」「またどうあらねばならないか」という問題を考えてみたいと思います。

それではドクター川崎君の出番だ、しっかり通訳を頼むよ。

≪ドクター川崎≫ はいわかりまし。エー、ペラペラ。ペラペラ。ぺらぺーら

≪トインビー博士≫ オー。べりーインタレスティング、、、、ペラペラ。ペラペラ。ペらペーら

≪ドクター川崎≫  えー、人間は動物であると同時に、あのー 自意識を持つ精神的な存在で、あのー つまり 尊厳性が、維持が、あのー んとー そのー(ハンカチで汗をふく)

≪山本伸一≫ どうしたんだい、わからないのかい。
≪ドクター川崎≫ はい、実は、博士の英語は、難しすぎて、わからないところがあるんです。

≪山本伸一≫ うまく訳せなかったらしかたがないから、あとで録音テープを聴いて、みんなで正確な日本語に翻訳しなさい。それを見たうえで、私が答えるから、大丈夫だよ。

では、博士にお詫(わ)びして、英語の力不足のため、難解なところは、明日まとめて質問や回答を伝えることを、話しなさい。正直に言うことが必要だよ。

≪ドクター川崎≫ それなら安心です。トインビー博士、じつは、ペラペラ。ぺらぺーら

≪トインビー博士≫ オー、イエス、イエス、それでは、これからは、日本語で話しましょう。

≪山本伸一≫ それでは、人間の幸福感について考えてみたいと思います。仏法には「十界論」という生命観があります。

この「十界論」は生命を、その幸福感の状態ないし、姿勢について十の種類に分けるものです。

苦しみの、大きい方から並べると、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏です。

≪ナレーション≫ 山本伸一会長は、地獄界から仏界まで、丁寧(ていねい)に説明していった。

そしてさらに、方便品にとかれた「十如是」は、生命の運動法則であることを語り、如是相から本末究境等 まで、ひとつひとつを、詳しく説明しました。

博士は、感動した。

≪トインビー博士≫ オー、ワンダフル。

仏法では、極めて素晴らしい心理分析をしていますね。その精密さは、これまで西洋でなされてきた、いかなる心理分析にも勝るものです。

私があなたの説明を、正しく受け止めているとすれば、その(ゆっくり発音)ジュー ニョーゼー という、考え方は、「挑戦と応戦」という私自身の学説に、よく似ていると思います。

≪山本伸一≫ 博士の言われる「挑戦と応戦」の考え方は、仏法の説く「生命の因果の法則」の異なった表現であると思います。

生命の法則が、何であるか。

これを明確に知れば、人生をいかに生きるべきか、活動すべきか、明らかに判断できるのでは、ないでしょうか。

仏法は、生命の法を根本にした宗教です。

宇宙と生命に内在する、根本の法に、合致(がっち)していくことが、仏教なのです。

≪トインビー博士≫ 仏法についての、お話、よく意味がわかります。

それは、私の学説で言う「高等宗教」について考えさせられます。

私が「高等宗教」と言うときには、一人一人を「究極の精神的実在」に直接触れ合わせる宗教のことです。

仏法に説かれる普遍的な生命の法則の方が、キリスト教の「一神教」(いっしんきょう)よりも、「究極の精神的実在」をより誤りなく、説明しきっていると思います。

≪ナレーション≫ こうして、熱のこもった対談が続けられ、ありとあらゆる人類の課題が、話しあわれたのであります

残念ながら、このままやっていると、朝になってしまうので、最後のところを再現しましょう。


≪山本伸一≫ 博士、最後に、私個人に、何か忠告があればお願いします。

≪トインビー博士≫ 私は、学問の世界の人間です。

しかしあなたは、極めて重要な組織の責任ある指導者であり、仏法の実践者として行動されている。

行動の人に対して、学者がアドバイスするなど、おこがましい ことです。

ミスター ヤマモトと、私とは、人類が、いかに生きるべきか、完全に、意見が一致した。
あとは、あなたが主張された中道こそ、今後あなたが、歩むべき道なのです。

人類の未来を、切り開くために戦ってください。

あなたの平和への献身を、やがて世界は、最大に評価するでしょう。
私は、母校の オックスフォード大学をはじめ、いくつかの大学から、名誉称号を、贈られています。

トインビー大学の 最優等生であるあなたは、必ず将来、私以上に、世界中の大学から名誉称号を贈られるでしょう。

≪ナレーション≫ こうして対談は終了しました。打ち合わせのために残った、ドクター川崎に、トインビー博士は一枚のメモを渡します。

そのメモには何人もの有名な、世界的な学識者の名前が書かれていたのであります。

≪トインビー博士≫ これは私の友人の名前です。

ミスター ヤマモトは、お忙しいでしょうが、可能ならば、お会いしていただきたいと思う人たちです。

ドクター カワサキ、重ねて次のように伝えてください。

あなたが、世界に、対話の旋風(せんぷう)を、巻き起こしていくことを、私は強く念願しています。と

≪ドクター川崎≫ はい。早速、山本会長に伝えます。
(向き直って)先生、トインビー博士からのメモと伝言です。

≪山本伸一≫ 自分は今45歳。それは、師である戸田城聖先生が牢獄を出て、焼け野原に一人立ち、広宣流布を誓った年である。

よしやろう!!人類の平和のために、世界に対話の旋風を巻き起こそう!!仏法の人間主義の哲学をもって、世界を、結ばなければならない。

≪ナレーション≫ このトインビー博士との対談集は、日本語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、スワヒリ語、トルコ語、など26もの言葉で、出版されています。

また、世界中の学者、有識者との対談は、1600回も数え、対談集として出版されたものも60冊を,超えています。

そしてトインビー博士の予言どうりに、池田先生が世界から受けた、学術、名誉称号の数が330を超えたことは、皆様ご存知のとうりです。(2012年6月、現在)

本日は、「小説 新・人間革命 第16巻」「対話」の章から「トインビー博士との対話」を、旭日地区の オール スター キャスト で、お送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。


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最後まで、辛抱して読んでいただきありがとうございます。

この対談を数分にまとめるのは、まさに無謀のきわみですが、内容をいくらかでも紹介できればと思って作ってみました。

ユーモアのつもりでの表現が、悪ふざけ・不謹慎と思われた方には、お詫び申し上げます。

今後とも、よろしくお願いします。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×190行です。


原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備いたしました。
是非、ご利用ください。


A4用紙1枚に収まる、20文字×110行のものも準備しました。
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テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

ソ連訪問のお話_その1_コスイギン首相

≪コスイギン首相≫ あなたの根本的なイデオロギーはなんですか。
≪山本伸一≫  それは、平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。
その根底は人間主義です。

≪山本伸一≫ 率直にお伺いしますが、ソ連は中国を攻めますか。
≪コスイギン首相≫ いいえ、ソ連は中国を攻撃するつもりはありません。
≪山本伸一≫  それをそのまま、中国の首脳部に伝えてもいいですか。
≪コスイギン首相≫ どうぞ、ソ連は中国を攻めないと、伝えてくださって結構です。

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≪ナレーション≫ それでは寸劇のコーナーです。
時は昭和49年・西暦1974年9月8日。
山本伸一は、モスクワ大学の招待を受け、ソ連に向かっていた。
ソ連は、初訪問であります。
しかしこのソ連訪問には、反対する人が、多かったのであります。

≪とある識者≫ 共産主義の国は、次第に行き詰まってきています。付き合っても決していいことはないでしょう。ソビエト訪問は、おやめになった方がよい。
それにしても、どうして宗教否定の国・ソ連などに行こうと思われたのですか。

≪山本伸一≫ そこに、人間がいるからです。人間に会いに私は行くのです。
共産主義の国であろうが、資本主義の国であろうが、そこにいるのは、平和を願う、同じ人間ではないですか。
ですから私は、その人間の心と心に橋を架(か)け、結ぶために行くんです。それが平和への、最も確かな道であるというのが私の信念です。
 
何のために、ソ連に行くのか。それは、なんとしても第三次世界大戦をくい止めたいからです。
だから中国に続いて、ソ連に行き、それから、アメリカにも行きます。日蓮大聖人のお使いとして、生命の尊厳と平和の哲学を携(たずさ)えて、世界平和の幕を開くために行くんです。

≪ナレーション≫ 本日は、たくさんのエピソードの中から、山本伸一をソ連に招待した実質的な責任者であるコワレンコ・ソ日協会副会長のお話と、コスイギン首相との会見のお話をお送りいたします。

≪ナレーション≫ ソ連訪問3日目の夜、伸一のホテルの部屋に、ソ日協会の副会長で、ソ連共産党中央委員会国際部の日本担当である、コワレンコが訪ねてきた。
コワレンコ副会長は、流暢(りゅうちょう)な日本語で語りはじめた。言葉づかいは丁重(ていねい)であったが、眼光は鋭かった。

鉄の信念を持つ男として恐れられている人物である。握手をすると、強い力で伸一の手を握り締めたのであります。

≪コワレンコ≫ 私は、あなたがソ日友好の懸(か)け橋になることを期待しています。
ところで、ソ連を敵視するような日中平和友好条約は結ぶべきではありません。日中国交正常化の共同声明には、明らかにソ連を敵視する文言が入っている。これは問題だ、削除すべきだ。あなたは公明党の創立者なのだから、党に指示すべきだ。
(机をたたく・ドンドン・1回目)

≪山本伸一≫ それは違います。私は、公明党を創立しましたが政治家ではありません。宗教者であり、教育者です。また公明党は、独立した政党です。独自の政策に基づいて行動しております。
ですから政治の分野の問題を、私から指示するようなことはないし、あってはならない。これが鉄則です。

≪コワレンコ≫ いや、本当に、ソ日友好をめざすという、あなたの主張が嘘でないなら、これは、断じてやるべきだ。
(机をたたく・ドンドン・2回目)

あなたたちは、ソ連を敵視した日中平和友好条約に荷担(かたん)して、ソ連を敵に回すべきではない。
(机を思いっきりたたく・ドンドンドン・3回目、少し痛そうなしぐさをする)

≪ナレーション≫ コワレンコは、鋭い目で伸一をじっと見すえながら言い放ったのであります。
伸一は、ニッコリ微笑(ほほえ)むと言った。

≪山本伸一≫ その手、痛くないですか!

 コワレンコ先生。私は政治交渉のために貴国を訪問したのではありません。
一民間人として、教育者として招待をお受けいたしました。私は、民間交流、教育・文化交流の流れを開き、永続的な平和友好の大きな潮流(ちょうりゅう)を作りたいんです。
(机をたたく・ドンドンドン)

こうした、強硬(きょうこう)で一方的な姿勢では、ソ連は嫌(きら)われます。対話のできない国だと思われます。それでは、あなたたちが損をします。
 日本と中国が、どんな平和友好条約を結ぼうと、関係ないではありませんか。ソ連と日本と、もっと親密な、もっと強い絆の平和友好条約を結べばいいではないですか。大きな心で進むことです。本当の信頼を勝ち取ることです。

 私は、日ソ両国が、真の友情で結ばれることを念願しています。そのために、率直に本当のことを言わせていただきます。これからも、大いに対話しましょう。激論を交わし合いましょう。

≪ナレーション≫ いらい、コワレンコは、何度となく伸一の部屋を訪れ、本音をぶつけあっての対話を交わすことになる。互(たが)いにテーブルをたたき合っての議論もあったのであります。

≪ナレーション≫ 訪ソ最終日の9月17日午前10時。伸一が、クレムリンの会場に入ると、コスイギン首相の姿があった。鋭い眼光、額に刻まれた皺(しわ)、固く結ばれた口元。首相の顔には、ソ連の重責を担(にな)ってきた意志の強さが漂(ただよ)っていた。

≪山本伸一≫ 私は、今回の訪問で、貴国について、よく勉強させていただきました。貴国が世界の緊張緩和を願い、懸命に努力されていることもよくわかりました。心より賞賛いたします。

しかし、その貴国の姿勢は、残念ながら日本には伝わっておりません。率直に申し上げれば、日本人は、ロシア文学やロシア民謡には親しんでいても、ソ連には親近感をもっておりません。どこか“怖(こわ)い国”という印象を持っております。

本当に貴国が自分たちの真実を伝え、多くの日本人の理解を得ようと思うならば、『親ソ派』と称される政治家や、限られた団体とだけ交流するのではなく、幅広い交流が必要になります。また政治や経済の分野だけでは、真の友好はありえません。文化の交流こそ、最も大切になってきます。

≪コスイギン首相≫ なるほど。賛成です。山本会長のご意見をもとに、今後の対応を検討させていただきます。

≪ナレーション≫ 人の話に耳を傾け、受け入れようとするコスイギン首相の真摯(しんし)な態度に、伸一は度量の大きさを感じた。“話ができる人だ”と思った。

≪山本伸一≫ 私ども創価学会は仏法者の団体であり、宗教的信念に立って、世界の平和をめざしております。
私は公明党を創立しましたが、創価学会と公明党とは、財政、人事面も分離し、それぞれ独自性をもって運営しています。したがって、公明党のことには、私はタッチしておりませんし、政治の問題は、公明党にまかせてあります。

私ども創価学会が推進しているのは、国家による政治次元の交流というより、民衆レベルでの、大河のように幅広い文化、教育交流です。

≪コスイギン首相≫ 会長は仏法者として公明党を創立され、創価大学もつくられましたが、あなたの根本的なイデオロギーはなんですか。

≪山本伸一≫ それは、平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です。

≪コスイギン首相≫ 山本会長の思想を、私は高く評価します。その思想を、私たちソ連も、実現すべきであると思います。今、会長は『平和主義』と言われましたが、私たちソ連は、平和を大切にし、戦争を起こさないことを、一切の大前提にしています。

≪山本伸一≫ それは、大変にすばらしいことです。絶対に戦争は避けなければなりません。私はレニングラードへ行きピスカリョフ墓地を訪問しました。第2次世界大戦でソ連が払った多大な犠牲を、生命に焼き付けてまいりました。

今回の訪ソでは、貴国の人民も、指導者も、平和を熱願していることを痛感いたしました。

ソ連の人々は、あまりにも過酷な体験をしました。こんなことを、2度と許してはなりません。
ソ連の人びとと同様に、中国の人びとも、平和を熱願しております。
中国の首脳は、自分たちから他国を攻めることは絶対にないと言明しておりました。
しかし、ソ連が攻めてくるのではないかと、防空壕(ぼうくうごう)まで掘って攻撃に備えています。
中国はソ連の出方を見ています。率直にお伺(うかが)いしますが、ソ連は中国を攻めますか。

≪コスイギン首相≫ いいえ、ソ連は中国を攻撃するつもりはありません。
アジアの集団安全保障のうえでも、中国を孤立化させようとは考えていません。

≪山本伸一≫ そうですか。それをそのまま、中国の首脳部に伝えてもいいですか。

≪コスイギン首相≫ どうぞ、ソ連は中国を攻めないと、伝えてくださって結構です。

≪山本伸一≫ それでしたら、ソ連は中国と、仲良くすればいいではないですか。

≪ナレーション≫ 首相は、一瞬、答えに困った顔をしたが、すぐに笑顔(えがお)を浮かべた。
心と心の共鳴が笑顔の花を咲かせた。
伸一は、この会談に確かな手ごたえを感じたのであります。

≪コスイギン首相≫ 既に現在、核は全世界が滅びるほど、十分にあります。
核兵器をこのまま放置しておけば、ヒトラーのような人間がいつ現れて何が起きないとも限りません。
そうなれば、地上の文明を守る手立てはないのです。人類は遅かれ早かれ、核軍縮を決定するに違いありません。

≪山本伸一≫ 根底に相互不信がある限り、核兵器の全廃などできるはずがありません。それには政治、経済の次元を超えた、文化、教育の交流が大事であるというのが、私の一貫した主張です。

人類の未来には、今テーマになりました核問題をはじめ、環境問題、食料問題など、さまざまな難問が横たわっております。それらをふまえ、21世紀は明るいと見てよいでしょうか。

≪コスイギン首相≫ 私たちはそう望んでいます。いえ、そうしなくてはなりません。
もちろん、そのためには、人類は、これまでの営為(えいい)それ自体を、再検討すべき時にきていると思います。

≪山本伸一≫ 首相のおっしゃる通りです。大量生産、大量消費という文明のあり方も限界にきております。天然資源も決して無限ではありません。これまでと同じ考え方では、人類は完全に行き詰まってしまいます。
したがって、自然と人間との調和を説く仏法の生命の哲理に着目する必要があるというのが、私の主張なんです。

≪ナレーション≫ さらに世界の食料問題の話題など、有意義な語らいが続いたのです。

 会見の終了後、首相は、ソ日協会のコワレンコ副会長に、こう言ったのです。

≪コスイギン首相≫ コワレンコさん。こういう優れた日本人をどこで見つけてきたのですか。どこで発見したのですか。これからは密接に創価学会との関係を保つことを、コワレンコさんあなたに命令します。

≪ナレーション≫ さらに首相は、帰宅後家族に、伸一との会見ついてこう語ったのです。

≪コスイギン首相≫ 今日は非凡で、非情に興味深い日本人に会ってきた。複雑な問題に触れながらも、話がすっきりできて嬉しかった。

≪ナレーション≫ 一民間人である山本伸一の手によって、歴史の歯車は、音を立てて回転し始めようとしていた日ソの新たな友好の道が開かれただけでなく、中ソの対立の溝にも、一つの橋が架けられようとしていたのである。

未来を開け! 開墾(かいこん)の鍬(くわ)を振るえ!
勇敢(ゆうかん)に、恐れなく、命のある限り!
こう伸一は、自らに言い聞かせていたのであります。

≪ナレーション≫ 
本日は、小説新人間革命第20巻『懸け橋(かけはし)』の章から、第一次ソビエト訪問のお話を、旭日地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で 寸劇のコーナーを、終わります。


長い寸劇を最後まで、読んでいただき、本当にありがとうございます。

1974年の5月には、初めての中国訪問。
そして 9月に、ソ連訪問。
そして 12月に再び、中国訪問となります。
9月のソ連訪問の中には、たくさんのエピソードがあります。
寸劇の「ネタ」になるものはたくさんありますが、今回その一つを紹介しました。
そのほかのエピソードにつきましては、またの寸劇に、こうご期待であります。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×250行です。

一人の人間における偉大な人間革命は、
やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、
さらに全人類の宿命の転換をも可能にする。


これが、「小説・人間革命」 の主題であります。

Большое спасибо.
バリショーェ スパスィーバ    どうもありがとう!


テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

コスイギン首相との対談

私ども創価学会が推進しているのは、国家による政治次元の交流というより、民衆レベルでの、大河のように幅広い文化、教育交流です。

会長は仏法者として公明党を創立され、創価大学もつくられましたが、あなたの根本的なイデオロギーはなんですか。

それは、平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です。

山本会長の思想を、私は高く評価します。その思想を、私たちソ連も、実現すべきであると思います。

SBSH1292.jpg
 2012年8月に公開したものを、短く作り直したものです。

≪ナレーション≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。

時は昭和49年・西暦1974年9月8日。山本伸一は、モスクワ大学の招待を受け、ソ連に向かっていた。
ソ連は、初訪問であります。

しかしこのソ連訪問には、反対する人が、多かったのであります。

≪とある識者≫ 共産主義の国は、次第に行き詰まってきています。付き合っても決していいことはないでしょう。ソビエト訪問は、おやめになった方がよい。それにしても、どうして宗教否定の国・ソ連などに行こうと思われたのですか。

≪山本伸一≫ そこに、人間がいるからです。人間に会いに私は行くのです。共産主義の国であろうが、資本主義の国であろうが、そこにいるのは、平和を願う、同じ人間ではないですか。
ですから私は、その人間の心と心に橋を架(か)け、結ぶために行くんです。それが平和への、最も確かな道であるというのが私の信念です。
 
何のために、ソ連に行くのか。それは、なんとしても第三次世界大戦を食い止めたいからです。だから中国に続いて、ソ連に行き、それから、アメリカにも行きます。
日蓮大聖人のお使いとして、生命の尊厳と平和の哲学を携(たずさ)えて、世界平和の幕を開くために行くんです。

≪ナレーション≫ 本日は、たくさんのエピソードの中から、コスイギン首相との会見のお話をお送りいたします。

≪ナレーション≫ 訪ソ最終日の9月17日、午前10時。伸一が、クレムリンの会場に入ると、コスイギン首相の姿があった。
鋭い眼光、額に刻まれた皺、固く結ばれた口元。
首相の顔には、ソ連の重責を担ってきた意志の強さが漂っていた。

≪山本伸一≫ 私は、今回の訪問で、貴国について、よく勉強させていただきました。
貴国が世界の緊張緩和を願い、懸命に努力されていることもよくわかりました。
心より賞賛いたします。

しかし、その貴国の姿勢は、残念ながら日本には伝わっておりません。
率直に申し上げれば、日本人は、ロシア文学やロシア民謡には親しんでいても、ソ連には親近感をもっておりません。
どこか“怖い国”という印象を持っております。

本当に貴国が自分たちの真実を伝え、多くの日本人の理解を得ようと思うならば、『親ソ派』と称される政治家や、限られた団体とだけ交流するのではなく、幅広い交流が必要になります。

また政治や経済の分野だけでは、真の友好はありえません。文化の交流こそ、最も大切になってきます。

≪コスイギン首相≫ なるほど。賛成です。山本会長のご意見をもとに、今後の対応を検討させていただきます。

≪ナレーション≫ 人の話に耳を傾け、受け入れようとするコスイギン首相の真摯な態度に、伸一は度量の大きさを感じた。“話ができる人だ”と思った。

≪山本伸一≫ 私ども創価学会は仏法者の団体であり、宗教的信念に立って、世界の平和をめざしております。
私は公明党を創立しましたが、創価学会と公明党とは、財政、人事面も分離し、それぞれ独自性をもって運営しています。
したがって、公明党のことには、私はタッチしておりませんし、政治の問題は、公明党にまかせてあります。
私ども創価学会が推進しているのは、国家による政治次元の交流というより、民衆レベルでの、大河のように幅広い文化、教育交流です。

≪コスイギン首相≫ 会長は仏法者として公明党を創立され、創価大学もつくられましたが、あなたの根本的なイデオロギーはなんですか。

≪山本伸一≫ それは、平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です。

≪コスイギン首相≫ 山本会長の思想を、私は高く評価します。その思想を、私たちソ連も、実現すべきであると思います。

今、会長は『平和主義』と言われましたが、私たちソ連は、平和を大切にし、戦争を起こさないことを、一切の大前提にしています。

≪山本伸一≫ それは、大変にすばらしいことです。絶対に戦争は避けなければなりません。私はレニングラードへ行きピスカリョフ墓地を訪問しました。第2次世界大戦でソ連が払った多大な犠牲を、生命に焼き付けてまいりました。

今回の訪ソでは、貴国の人民も、指導者も、平和を熱願(ねつがん)していることを痛感いたしました。

ソ連の人々は、あまりにも過酷な体験をしました。こんなことを、2度と許してはなりません。

ソ連の人びとと同様に、中国の人びとも、平和を熱願しております。中国の首脳は、自分たちから他国を攻めることは絶対にないと言明しておりました。
しかし、ソ連が攻めてくるのではないかと、防空壕まで掘って攻撃に備えています。
中国はソ連の出方を見ています。

率直にお伺(うかが)いしますが、ソ連は中国を攻めますか。

≪コスイギン首相≫ いいえ、ソ連は中国を攻撃するつもりはありません。アジアの集団安全保障のうえでも、中国を孤立化させようとは考えていません。

≪山本伸一≫ そうですか。それをそのまま、中国の首脳部に伝えてもいいですか

≪コスイギン首相≫ どうぞ、ソ連は中国を攻めないと、伝えてくださって結構です。

≪山本伸一≫ それでしたら、ソ連は中国と、仲良くすればいいではないですか。


≪ナレーション≫ 首相は、一瞬、答えに困った顔をしたが、すぐに笑顔(えがお)を浮かべた。
心と心の共鳴が笑顔の花を咲かせた。
伸一は、この会談に確かな手ごたえを感じたのであります。

≪ナレーション≫ 首相は、帰宅後家族に、伸一との会見ついてこう語ったのです。

≪コスイギン首相≫ 今日は非凡で、非情に興味深い日本人に会ってきた。複雑な問題に触れながらも、話がすっきりできて嬉しかった。

≪ナレーション≫ 一(いち)民間人である山本伸一の手によって、歴史の歯車は、音を立てて回転し始めようとしていた。 日ソの新たな友好の道が開かれただけでなく、中ソの対立の溝(みぞ)にも、一つの橋が架けられようとしていたのである。

未来を開け! 開墾(かいこん)の鍬(くわ)を振るえ! 勇敢(ゆうかん)に、恐れなく、命のある限り。

こう伸一は、自らに言い聞かせていたのであります。


≪ナレーション≫ 
本日は、新人間革命第20巻『懸け橋(かけはし)』の章から、第一次ソビエト訪問のお話を、旭日地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で 寸劇人間革命のコーナーを、終わります。





最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×150行です。


以前に作成したものに、コワレンコ氏との対話もありました。
分量は20文字×250行ほどでした。

その寸劇を読んでみたい方は、ここをクリック してください。



実際に寸劇をやるためには、原稿の印刷が必要です。
空白行の少ないテキストデータを準備しましたので、ご利用ください。


A4用紙1枚に収まる分量、20文字×110行のものも準備しました。
こちらも是非、ご活用ください。

テーマ: 二次創作:小説 | ジャンル: 小説・文学

トインビー博士との対談

≪山本伸一≫ 博士、最後に、私個人に、何か忠告があればお願いします。

≪トインビー博士≫ 私は、学問の世界の人間です。
しかしあなたは、極めて重要な組織の責任ある指導者であり、仏法の実践者として行動されている。
行動の人に対して、学者がアドバイスするなど、おこがましい ことです。

ミスター ヤマモトと、私とは、人類が、いかに生きるべきか、完全に、意見が一致した。
あとは、あなたが主張された、中道こそ、今後あなたが、歩むべき道なのです。

人類の未来を、切り開くために戦ってください。

あなたの平和への献身を、やがて世界は、最大に評価するでしょう。
トインビー大学の 最優等生であるあなたは、必ず将来、私以上に、世界中の大学から名誉称号を贈られるでしょう。

今日の聖教新聞にトインビー博士との対談について掲載されています。
2012年6月に掲載した寸劇を、A4用紙1枚に収まるように作り直しました。


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≪ナレーション≫ 時は、昭和47年1972年5月5日、午前10時30分、イギリスはロンドン郊外であります。20世紀を代表する大歴史学者であるアーノルド・トインビー博士との歴史的な対談が、まさに始まろうとしています。時にトインビー博士は83歳。山本伸一は44歳でありました。
今回は、その対談をほんの数分にまとめようという、無謀(むぼう)な試みであります。

≪山本伸一≫ 私は、博士と対話できますことを、仏法の探求者として、また未来を生きる青年の一代表として心から、嬉しく思います

≪トインビー博士≫ 私もまた、来るべき未来の世紀を考えています。未来はどうなるのか?
私はもちろん、あなたさえも、この世から去り、さらに長い時を経た時代に、世の中はどうなっているのか?
このことに、私は大きな関心を寄せています。
やりましょう。21世紀のために語り継ぎましょう!!

≪山本伸一≫ それでは、人間の幸福感について考えてみたいと思います。仏法には「十界論」という生命観があります。この「十界論」は生命を、その幸福感の状態ないし、姿勢について十の種類に分けるものです。苦しみの、大きい方から並べると、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏です。

≪ナレーション≫ 山本伸一は、地獄界から仏界まで、丁寧(ていねい)に説明していった。そしてさらに、方便品にとかれた「十如是」は、生命の運動法則であることを語り、如是相から本末究境等 まで、ひとつひとつを、詳しく説明した。博士は、感動した。

≪トインビー博士≫ オー、ワンダフル。仏法では、極めて素晴らしい心理分析をしていますね。その精密さは、これまで西洋でなされてきた、いかなる心理分析にも勝るものです。

私があなたの説明を、正しく受け止めているとすれば、その ジュー ニョーゼー という、考え方は、「挑戦と応戦」という私自身の学説に、よく似ていると思います。

≪山本伸一≫ 博士の言われる「挑戦と応戦」の考え方は、仏法の説く「生命の因果の法則」の異なった表現であると思います。生命の法則が、何であるか。これを明確に知れば、人生をいかに生きるべきか、活動すべきか、明らかに判断できるのでは、ないでしょうか。仏法は、生命の法を根本にした宗教です。宇宙と生命に内在する、根本の法に、合致(がっち)していくことが、仏教なのです。

≪トインビー博士≫ 仏法についての、お話、よく意味がわかります。それは、私の学説で言う「高等宗教」について考えさせられます。
仏法に説かれる普遍的な生命の法則の方が、キリスト教の「一神教」(いっしんきょう)よりも、「究極の精神的実在」をより誤りなく、説明しきっていると思います。

≪ナレーション≫ こうして、熱のこもった対談が続けられ、ありとあらゆる人類の課題が、話しあわれたのであります。残念ながら、このままやっていると、朝になってしまうので、最後のところを再現いたしましょう。

≪山本伸一≫ 博士、最後に、私個人に、何か忠告があればお願いします。

≪トインビー博士≫ 私は、学問の世界の人間です。
しかしあなたは、極めて重要な組織の責任ある指導者であり、仏法の実践者として行動されている。
行動の人に対して、学者がアドバイスするなど、おこがましい ことです。

ミスター ヤマモトと、私とは、人類が、いかに生きるべきか、完全に、意見が一致した。
あとは、あなたが主張された、中道こそ、今後あなたが、歩むべき道なのです。
人類の未来を、切り開くために戦ってください。

あなたの平和への献身を、やがて世界は、最大に評価するでしょう。
トインビー大学の最優等生であるあなたは、必ず将来、私以上に、世界中の大学から名誉称号を贈られるでしょう。

これは私の友人の名前です。ミスター ヤマモトに、お会いしていただきたいと思う人たちです。
あなたが、世界に、対話の旋風(せんぷう)を、巻き起こしていくことを、私は強く念願しています。

≪山本伸一≫ 自分は今45歳。それは、師である戸田城聖先生が牢獄を出て、焼け野原に一人立ち、広宣流布を誓った年である。よしやろう!!人類の平和のために、世界に対話の旋風を巻き起こそう!!仏法の人間主義の哲学をもって、世界を結ばなければならない。

≪ナレーション≫ トインビー博士の予言どうりに、池田先生が世界から受けた、学術、名誉称号の数が350を超えたことは、皆様ご存知のとうりです。

本日は、「小説 新・人間革命 第16巻」「対話」の章から「トインビー対談のお話」を、旭日地区の オール スター キャスト で、お送りいたしました。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。





この寸劇人間革命の分量は、おおよそ 20文字×110行です。

2012年6月に掲載したものは、20文字×190行でした。
その寸劇を読んでみたい方は、ここをクリック してください


原稿印刷用に 空白行の少ない、テキストデータを準備しましたので、ぜひご活用ください。

テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

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