8月24日のお話し


 先生…
 なんだね?
 先生、今度、三島さんが理事長になると、私の師匠は三島さんになるんでしょうか?
 いや、それは違う!苦労ばかりかけてしまう師匠だが、君の師匠は、このぼくだよ。

 僕の生涯の師匠は、先生なんだ。先生なんだ。
 これでいいんだ。これでよし。

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≪ナレーション≫ 時は昭和25年、1950年8月。戸田の経営する 東光建設信用組合に対し、大蔵省から業務停止命令が出たのです。
すると、直後に、新聞記者が取材に訪れたのであります。

≪新聞記者≫ いやいや、おたくの信用組合、大変ですね。同情します。ところで、被害総額と言ってはなんですが、負債額はどのくらいになりますかね。

≪山本伸一≫ 相当の額にはなると思いますが、なにしろ昨日の今日のことなので、正確なところは、社長の戸田でなければ分かりません。

≪新聞記者≫ まあ、だいたい、おおよそのところで、けっこうですから。

≪山本伸一≫ 新聞の報道は正確さが命じゃないですか

≪新聞記者≫ ええ、そうなんですけど、締め切り時間が、迫ってましてね。

≪山本伸一≫ 正確な情報に基づいての報道であれば、それは構いません。しかし、いい加減な報道をされては、困ります。

≪新聞記者≫ そうです、そうです。私も社会正義の新聞記者を自認しておりますから、ご安心ください。けっしていい加減な報道は、いたしませんから、ご協力お願いできませんでしょうか?

≪山本伸一≫ ところで、おたくはずいぶん早かったですね。

≪新聞記者≫ そこはもう、まあいろいろあるわけですよ。かくかく、しかじか、

≪山本伸一≫ ほう、すごい。すごい。

≪新聞記者≫ まあ、それほどでもハッハッハッ、かくかく、しかじか。
あっ、しまった。

≪ナレーション≫ 記者は、自慢話しをしているうちに締切時間を過ぎてしまったのでした。

≪新聞記者≫ 山本さん、今日のところはしかたがないが、社長さんに会って、詳しい話しを伺いたいんですが、どうでしょう。

≪山本伸一≫ 分かりました。私が責任を持って、社長の戸田に連絡します。ここでは、なんですから、明日喫茶店でお会いしましょう。


≪ナレーション≫ さて、お話しは、翌日の喫茶店へと、続きます。

≪戸田城聖≫ これが、すべての帳簿です。どうぞ、好きなだけ御覧になってください。

≪新聞記者≫ うーん、ウーン。なるほど、この債権を回収できさえすれば、なんとかなりますね。

≪山本伸一≫ そうです。確実に回収できる自信もあるのです。ただ時間がかかるんです。

≪新聞記者≫ それはそうでしょうね。

≪山本伸一≫ ですから、今、新聞で報道されてしまいますと、混乱が生じて、多くのお客様に迷惑をかけてしまいます。

≪戸田城聖≫ 要するに、私どもを生かすも殺すも、全てあなたしだいです。あとは、好きなようにしてください。

≪新聞記者≫ 特ダネなんだけど、ウーン、弱ったなあ。

≪ナレーション≫ 沈黙が続いた。記者は、冷たくなったコーヒーを口にした。
戸田は、悠然(ゆうぜん)とタバコをふかしている。
伸一は祈るような気持ちで2人を見つめたのであります。

≪新聞記者≫ よし、わかりました。今回は記事にしません。残念だがしかたない。


≪ナレーション≫ 記者が帰った後、2人は語りあったのであります。

≪戸田城聖≫ 今の時代は、新聞というものがすごい力を持っているな。創価学会もいつか新聞を持たなくては、ならないな。伸、よく考えておいてくれ。

≪山本伸一≫ はい。わかりました。


≪ナレーション≫ この師弟の対話のなかから、聖教新聞が生まれたことは皆様御存知のとおりです。
さてお話しは、その日の夜に続きます。

≪戸田城聖≫ 今日は皆に聞いてもらいたいことがある。じつは今日、私の経営する信用組合が、業務停止になった。諸君には全く関係の無い事だが、私はこのやっかいな問題に専念するために、創価学会の理事長を辞任することにした。後任には三島君にやってもらいます。
私は理事長を辞めるわけだが、信心を止めるわけでは絶対ない。深く心に期するところがあります。今まで以上に広宣流布のために邁進する決意は断じて変わりません。この点に不信を抱き広宣流布の歩みを緩める事のないようして頂きたい。

≪ナレーション≫ 突然の発表に、集まったメンバーは不安が隠せません。
山本伸一はひとり、戸田のところに向かったのであります。

≪戸田城聖≫ なんだ。どうした。

≪山本伸一≫ 先生…

≪戸田城聖≫ なんだね?

≪山本伸一≫ 先生、今度、三島さんが理事長になると、私の師匠は三島さんになるんでしょうか?

≪戸田城聖≫ いや、それは違う!苦労ばかりかけてしまう師匠だが、君の師匠は、このぼくだよ。

≪ナレーション≫ 山本伸一は、その答えを、全生命で聞きたかったのです。
熱い感動が全身を貫き通したのであります。

≪戸田城聖≫ 伸、どうした?

≪山本伸一≫ いや、いいんです。先生、今日は、ありがとうございました。お休みなさい。

≪ナレーション≫ 山本伸一は、学会本部を勢い良く飛びだした。

≪山本伸一≫ これでいい。会社が潰(つぶ)れようと、先生が理事長をやめようと、先生と自分との一線が狂わないならば、何が起きようと、かまったことではない。

未来、生涯、いかなる苦難が打ち続くとも、この師に学んだ栄誉を、最高、最大の、幸福とする。
僕の生涯の師匠は、先生なんだ。先生なんだ。
これでいいんだ。これでよし。

≪ナレーション≫ 時に昭和25年、1950年8月24日、山本伸一、22歳、入会ちょうど3年目のその日であります。

本日は、小説人間革命第4巻 『怒濤(どとう)』の章より8月24日のお話しを黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナを終わります。



この寸劇人間革命を最後まで読んでいただきありがとうございます。

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「月見ウドン」のお話


信心の極意は、『師弟不二』にあるんだよ。

戸田先生は、不出世の、稀有の大指導者だ。

先生の一念は、広宣流布に貫かれている。

その先生を人生の師と定め、先生の仰せ通りに、先生と共に、また、先生に代わって広宣流布の戦いを起こしていくんだ。

その時に、自分の大いなる力を発揮することができるし、自信の人間革命もある。

さらに、幸福境涯を築くことができる。

事実、私はそうしてきた。それで、今日の私がある。

「一匹のハエ」でも、名馬の尾についていれば、万里を走ることができる。

同じように、広宣流布の大師匠に、つききっていけば、自分では想像もしなかったような、すばらしい境涯になれる。

君も、自ら戸田先生の弟子であると決めて、師弟の道を、まっしぐらに突き進んでいくんだよ。


はい! 山本室長のおっしゃるとおり、生涯、師弟の大道をすすんで参ります。


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≪ナレーション≫ それでは、寸劇人間革命のコーナーです。
本日は「月見ウドン」のお話であります。
時は昭和三十年、1955年秋、東京・豊島公会堂での男子部幹部会の場から、お話が始まります。

≪山本伸一≫ 酒田君ご苦労様。遠くから、よく来たね。

いよいよ男子部の班長だ。しっかり頑張るんだよ。

ところで、旅費は大丈夫だったのかい。帰ってからの生活費は、ちゃんとあるのかい。

≪酒田英吉≫ はぁ、……。じつは……。

≪山本伸一≫ やれやれ。片道の燃料だけで出撃する、特攻隊みたいじゃないか。しょうがないな。よし、帰りの汽車賃は、ぼくがなんとかしてあげよう

≪ナレーション≫ 伸一も、決して余裕のある暮らしをしているわけではない。しかし、求道心に燃えて、わざわざ九州の佐賀から来た青年を、なんとしても応援したかったのであります。

≪酒田英吉≫ 山本室長は、こんな自分のことを心配し、身銭を切って、旅費を負担してくださった。
本当に申し訳ない…。
よし。頑張ろう。頑張りぬいて、室長の期待にお応えしよう。


≪ナレーション≫ お話の続きは、それからちょうど一年後のことであります。酒田は岩国市内に泊まり込んで、看板作りの仕事をしていたのです。すると「山本室長が、今晩、徳山に行かれる」との話を聞いた。
そうです。山口開拓指導の真っ最中であったのであります。

≪酒田英吉≫ ぜひ、お会いしたい!

≪ナレーション≫ 仕事が終わると、いても立ってもいられず、バイクを駆った。徳山の旅館までは40キロの道のりであった。
旅館では、座談会が行なわれていた。終了後、山本伸一から酒田に声をかけたのであります。

≪山本伸一≫ 酒田君、元気だったかい。

≪酒田英吉≫ 東京で帰りの交通費をもらった御礼が言いたくて、仕事で来ていた隣町から飛んできました。

≪山本伸一≫ そうか、うれしいね。頑張っているんだね。
今日は、もう遅いから、ここに泊まって、明日の朝、帰るようにしてはどうかね。
ところで、おなかは空いていないかい。
ぼくは、夕食が、まだなんだ。一緒に、月見うどんをたべようよ。

≪酒田英吉≫ はい!

≪山本伸一≫ でも、今日は、割り勘だよ。


≪ナレーション≫ 伸一は、ウドンを頼むと、佐賀県の県民性について尋ねたのであります。

≪酒田英吉≫ 佐賀県人の気質を示す、『ふうけもん』という言葉があります。
頑固すぎて、融通がきかないという意味です。でも、働き者で几帳面であると言われています。

≪山本伸一≫ そうか。すばらしいじゃないか。それは、強い信念と真面目な行動ということだ。広宣流布のためには、最も大事な資質だよ。

酒田君、信心の極意は、『師弟不二』にあるんだよ。

戸田先生は、不出世の、稀有の大指導者だ。先生の一念は、広宣流布に貫かれている。

その先生を人生の師と定め、先生の仰せ通りに、先生と共に、また、先生に代わって広宣流布の戦いを起こしていくんだ。

その時に、自分の大いなる力を発揮することができるし、自信の人間革命もある。さらに、幸福境涯を築くことができる。

事実、私はそうしてきた。それで、今日の私がある。

「一匹のハエ」でも、名馬の尾についていれば、万里を走ることができる。

同じように、広宣流布の大師匠に、つききっていけば、自分では想像もしなかったような、すばらしい境涯になれる。

君も、自ら戸田先生の弟子であると決めて、師弟の道を、まっしぐらに突き進んでいくんだよ。

≪酒田英吉≫ はい!山本室長のおっしゃるとおり、生涯、師弟の大道をすすんで参ります。

≪ナレーション≫ やがて月見ウドンが、二玉届いた。

≪山本伸一≫ わざわざ来てくれたんだから、御馳走するよ。

≪酒田英吉≫ はい。ごちそうになります。


≪ナレーション≫ 時は流れて、昭和55年、1980年5月25日。佐賀文化会館でおこなわれた懇談会の一幕です。

≪山本伸一≫ 一緒に月見ウドンを食べたときのことは、よく覚えているよ。

酒田君は、本当によく頑張ってくれたね。さあ、また新しい旅立ちだ。

一緒に広宣流布の歴史を作っていこうよ。

≪ナレーション≫ 本日は、小説新人間革命第25巻薫風の章より、「月見ウドンのお話」を、旭日地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。



この寸劇人間革命を最後まで、読んで下さってありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×115行です。

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楽しく有意義な座談会に、是非、ご活用ください。



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