ドクター川崎のお話


フランスには輝かしい人権宣言の歴史がある。
そこで謳われた『自由』『平等』『博愛』の精神は、本来、永遠のものであり、人間性の勝利へとつながるのだと思う。

川崎さん。あなたが中心になって、このフランスから、本当の人権の勝利の波を、全ヨーロッパに広げてもらいたい。
友情の華を咲かせ、『自由』と『平等』と『博愛』の園を築いていく。
それが広宣流布といってもよい。

sakura23.jpg



≪ナレーションA≫ 時は昭和36年、1961年10月。西ドイツは、ベルリンのホテルであります。

深い疲労を覚えた山本伸一は、医師の川崎鋭治(かわさきえいじ)に、ビタミン剤を注射してくれるよう、頼んだのであります。

≪山本伸一≫ 痛い!すごく痛い注射だな……

≪川崎鋭治≫ そんなに痛みますか?変ですね……

≪山本伸一≫ 頼りにならない医学博士だな。看護婦さんのなかには、川崎さんより、はるかに注射の上手な人がたくさんいるよ。
川崎さんは、医学の知識は豊富なんだが、人間の心というものが、まだ、よくわかっていないね。

≪川崎鋭治≫ はぁ、私は、どちらかといえば、患者さんの診察より、研究の方が専門なもので……

≪山本伸一≫ たとえば、注射をする時には、『ちょっと痛いかもしれませんが、すぐ終わるから大丈夫ですよ』とか言うもんだよ。
そうすれば、人は安心もするし、痛さに対する心の構えもできる。

川崎さんは、これから、ヨーロッパの広宣流布の指導者になっていく使命をもった人なんだから、人びとの不幸を解決する、「信心の名医」になる必要がある。

≪川崎鋭治≫ 「信心の名医」ですか。病気を治療するよりも、よほど難しくなる……

≪ナレーションA≫ 深刻な顔でつぶやく川崎。
その愛すべき生真面目(きまじめ)さに、伸一は、笑みを浮かべたのであります。

≪山本伸一≫ 心配ありません。医学も仏法も、根本の精神は慈悲です。
“ドクター川崎”ならば大丈夫です。決意と実践があれば「信心の医学博士」にもなれますよ。

≪ナレーションA≫ 『なるほど』と、安心した川崎の顔にも、笑顔が浮かんだのであります。

≪ナレーションB≫ 次は、数日後。フランスのルーブル美術館の近くの公園でのエピソードです。

≪山本伸一≫ この中にも、未来のゴッホやピカソがいるかもしれないね。
私も、記念に似顔絵(にがおえ)を描(か)いてもらおう。

≪ナレーションB≫ 伸一は、いかにも芸術家風の、青年画家に、似顔絵を頼んだのであります。

≪青年画家≫ んーーん。
いい顔だ。
よし。
サラサラ。サラサラ。
よしできた。
代金は700円。

≪川崎鋭治≫ ぜんぜん似てないじゃないか。

≪同行幹部≫ まるで別人だよ。
それにしても高いな。
東京じゃ、ラーメン一杯50円だよ。

≪青年画家≫ いや、よく似ているはずだ。芸術的な完成度も高い。
それがわからずに、ぶつぶつ文句を言うのは、芸術を見る目がないんだよ。

≪山本伸一≫ ありがとう。私はあなたの可能性を信じます。
将来を楽しみにしていますからね。
未来のゴッホさん。

≪青年画家≫ あなたは、芸術への理解が深い。
はっ、はっ、はっ。

≪山本伸一≫ (振り返って)ところで、フランスは文化の国として世界をリードしてきた。
これからは、どうなんだろう。

≪川崎鋭治≫ どうでしょう?フランスが、将来も、これまでのように、優れた文化や精神を、世界に向かって発信していくことができるかどうか……。

≪山本伸一≫ しかしフランスには輝かしい人権宣言の歴史がある。そこで謳(うた)われた『自由』『平等』『博愛』の精神は、本来、永遠のものであり、人間性の勝利へとつながるのだと思う。

川崎さん。あなたが中心になって、このフランスから、本当の人権の勝利の波を、全ヨーロッパに広げてもらいたい。
友情の華(はな)を咲かせ、『自由』と『平等』と『博愛』の園(その)を築いていく。
それが広宣流布といってもよい。

≪ナレーションB≫ 一つ一つの言葉に、うなづきながら伸一を見つめる川崎の瞳(ひとみ)には、決意の輝(かがや)きが、あったのであります。

≪ナレーションA≫ 広布の旅は、フランスからイギリス、スペイン、スイス、イタリアへと続きます。

≪山本伸一≫ ここで、ヨーロッパの組織について、検討したいと思う。

≪同行幹部≫ やはりヨーロッパは支部か総支部とし、各国に地区を置くことになるのでしょうか。

≪山本伸一≫ いや、ヨーロッパの場合、急がなくてもよいのではないか。まず各国に、連絡責任者を置いたらどうだろうか。地区の結成は、メンバーが増えてからのほうが、よいと思う。
ところで、ヨーロッパ全体の連絡責任者は、川崎さんにやってもらおうと思うが、どうだろうか。

≪川崎鋭治≫ はい、わかりました。

≪山本伸一≫ よし、これでヨーロッパは大丈夫だ!
今日は、ヨーロッパと川崎さんの、新しい出発の日だよ。

≪ナレーションA≫ 「新しい出発の日」
川崎は、その言葉にハッとしたのであります。

≪川崎鋭治≫ 山本会長は、このことのために、信心もわからぬ自分に、何度も何度も会って、忍耐強く激励し、指導してくれたんだ。
なるほど。そうか。よし!

いよいよ私も立ち上がる時が来たのだ。
この先生の期待に応えなければならない。
よし!『信心の名医』になるぞ!

≪ナレーションA≫ 川崎は、欧州(おうしゅう)広布の使命を、深く深く自覚したのであります。

≪ナレーションB≫ 打ち合わせが終わった夜遅く、川崎は、伸一の部屋を訪ねた。

≪川崎鋭治≫ 山本先生、お疲れでしょうから、ビタミン剤を打ちましょうか。

≪山本伸一≫ いいよ。川崎さんの注射は痛いから……

≪ナレーションB≫ ドクター川崎は頭を掻(か)いた。
二人は声をあげて笑ったのであります。

本日は、小説・新人間革命・第五巻・「開道(かいどう)」の章より、「ドクター川崎のお話」を、旭日地区の、オールスターキャストで、お送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。




この寸劇人間革命を最後まで、読んでくださってありがとうございます。


≪ドクター川崎≫≪川崎鋭治≫ の登場する、以前に掲載した寸劇人間革命があります。

『トインビー対談』 読んでみたい方は、ここをクリック してください
『アフリカ支部の結成』 読んでみたい方は、ここをクリック してください


この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20行×135行です。
原稿印刷用に、空白行の少ないテキストデータを準備しました。
楽しく、有意義な、座談会に、ぜひ御活用ください。

この寸劇は原作とは、構成が、異なっています。
新人間革命第五巻・開道の章の流れは、次のとおりです。
10月8日  西ドイツ・ベルリンのホテルでの懇談。
「ビタミン剤・すごく痛い注射」のエピソード。
10月10日 オランダ
10月12日フランス・ルーブル美術館の見学。
モンマルトルの丘、テルトリ広場の散策。
「似顔絵・似てないじゃないか」のエピソード。
モンマルトルの丘での懇談・「このフランスから、本当の人権の勝利の波を、全ヨーロッパに」のエピソード。
夜、ホテルで「いいよ。川崎さんの注射は痛いから」のエピソード。
10月13日 イギリス・ロンドンのホテルで「ヨーロッパ組織の検討」のエピソード。
10月15日 スペイン・マドリードへ

ちょっと変にいじりすぎだなと、思われた方には、お詫びいたます。



≪ナレーションA≫ 時は昭和36年、1961年10月。西ドイツは、ベルリンのホテルであります。
深い疲労を覚えた山本伸一は、医師の川崎鋭治(かわさきえいじ)に、ビタミン剤を注射してくれるよう、頼んだのであります。
≪山本伸一≫ 痛い!すごく痛い注射だな……
≪川崎鋭治≫ そんなに痛みますか?変ですね……
≪山本伸一≫ 頼りにならない医学博士だな。看護婦さんのなかには、川崎さんより、はるかに注射の上手な人がたくさんいるよ。
川崎さんは、医学の知識は豊富なんだが、人間の心というものが、まだ、よくわかっていないね。
≪川崎鋭治≫ はぁ、私は、どちらかといえば、患者さんの診察より、研究の方が専門なもので……
≪山本伸一≫ たとえば、注射をする時には、『ちょっと痛いかもしれませんが、すぐ終わるから大丈夫ですよ』とか言うもんだよ。
そうすれば、人は安心もするし、痛さに対する心の構えもできる。
川崎さんは、これから、ヨーロッパの広宣流布の指導者になっていく使命をもった人なんだから、人びとの不幸を解決する、「信心の名医」になる必要がある。
≪川崎鋭治≫ 「信心の名医」ですか。病気を治療するよりも、よほど難しくなる……
≪ナレーションA≫ 深刻な顔でつぶやく川崎。その愛すべき生真面目(きまじめ)さに、伸一は、笑みを浮かべたのであります。
≪山本伸一≫ 心配ありません。医学も仏法も、根本の精神は慈悲です。“ドクター川崎”ならば大丈夫です。決意と実践があれば「信心の医学博士」にもなれますよ。
≪ナレーションA≫ 『なるほど』と、安心した川崎の顔にも、笑顔が浮かんだのであります。
≪ナレーションB≫ 次は、数日後。フランスのルーブル美術館の近くの公園でのエピソードです。
≪山本伸一≫ この中にも、未来のゴッホやピカソがいるかもしれないね。私も、記念に似顔絵(にがおえ)を描(か)いてもらおう。
≪ナレーションB≫ 伸一は、いかにも芸術家風の、青年画家に、似顔絵を頼んだのであります。
≪青年画家≫ んーーん。いい顔だ。
よし。サラサラ。サラサラ。よしできた。代金は700円。
≪川崎鋭治≫ ぜんぜん似てないじゃないか。
≪同行幹部≫ まるで別人だよ。それにしても高いな。東京じゃ、ラーメン一杯50円だよ。
≪青年画家≫ いや、よく似ているはずだ。芸術的な完成度も高い。それがわからずに、ぶつぶつ文句を言うのは、芸術を見る目がないんだよ。
≪山本伸一≫ ありがとう。私はあなたの可能性を信じます。将来を楽しみにしていますからね。未来のゴッホさん。
≪青年画家≫ あなたは、芸術への理解が深い。
はっ、はっ、はっ。
≪山本伸一≫ (振り返って)ところで、フランスは文化の国として世界をリードしてきた。
これからは、どうなんだろう。
≪川崎鋭治≫ どうでしょう?フランスが、将来も、これまでのように、優れた文化や精神を、世界に向かって発信していくことができるかどうか……。
≪山本伸一≫ しかしフランスには輝かしい人権宣言の歴史がある。そこで謳(うた)われた『自由』『平等』『博愛』の精神は、本来、永遠のものであり、人間性の勝利へとつながるのだと思う。
川崎さん。あなたが中心になって、このフランスから、本当の人権の勝利の波を、全ヨーロッパに広げてもらいたい。
友情の華(はな)を咲かせ、『自由』と『平等』と『博愛』の園(その)を築いていく。
それが広宣流布といってもよい。
≪ナレーションB≫ 一つ一つの言葉に、うなづきながら伸一を見つめる川崎の瞳(ひとみ)には、決意の輝(かがや)きが、あったのであります。
≪ナレーションA≫ 広布の旅は、フランスからイギリス、スペイン、スイス、イタリアへと続きます。
≪山本伸一≫ ここで、ヨーロッパの組織について、検討したいと思う。
≪同行幹部≫ やはりヨーロッパは支部か総支部とし、各国に地区を置くことになるのでしょうか。
≪山本伸一≫ いや、ヨーロッパの場合、急がなくてもよいのではないか。まず各国に、連絡責任者を置いたらどうだろうか。地区の結成は、メンバーが増えてからのほうが、よいと思う。
ところで、ヨーロッパ全体の連絡責任者は、川崎さんにやってもらおうと思うが、どうだろうか。
≪川崎鋭治≫ はい、わかりました。
≪山本伸一≫ よし、これでヨーロッパは大丈夫だ!
今日は、ヨーロッパと川崎さんの、新しい出発の日だよ。
≪ナレーションA≫ 「新しい出発の日」
川崎は、その言葉にハッとしたのであります。
≪川崎鋭治≫ 山本会長は、このことのために、信心もわからぬ自分に、何度も何度も会って、忍耐強く激励し、指導してくれたんだ。なるほど。そうか。よし!
いよいよ私も立ち上がる時が来たのだ。
この先生の期待に応えなければならない。
よし!『信心の名医』になるぞ!
≪ナレーションA≫ 川崎は、欧州(おうしゅう)広布の使命を、深く深く自覚したのであります。
≪ナレーションB≫ 打ち合わせが終わった夜遅く、川崎は、伸一の部屋を訪ねた。
≪川崎鋭治≫ 山本先生、お疲れでしょうから、ビタミン剤を打ちましょうか。
≪山本伸一≫ いいよ。川崎さんの注射は痛いから……
≪ナレーションB≫ ドクター川崎は頭を掻(か)いた。二人は声をあげて笑ったのであります。
本日は、小説・新人間革命・第五巻・「開道(かいどう)」の章より、「ドクター川崎のお話」を、旭日地区の、オールスターキャストで、お送りいたしました。
以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。
関連記事

テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

コメント

コメントの投稿


 管理者にだけ表示を許可する

Page top