「猟師と猟犬・十八史略」のお話し


歌い終わると、伸一は「もう一度!」と言った。
皆は、前よりも元気に、力いっぱい歌った。

しかし、伸一は、さらに「もう一度!」というのである。

二階では戸田先生がお休みです。
広宣流布は、私たちがやります。との、力強い歌声をお聞かせできれば、先生にご安心していただける。

さあ、弟子としての誓いを込めて歌おうじゃないか!!


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≪戸田城聖≫ 伸、今日は、なんの本を読んだのかね

≪山本伸一≫ はぁ、はい。

≪戸田城聖≫ 指導者になろうとする者は、何があっても読書を忘れてはならない。
私は、総本山に来てから、『十八史略』を第3巻まで読んだよ。

≪ナレーションA≫ 時は、昭和33年、1958年3月下旬。そうです。あの3月16日の儀式の数日後のお話であります。

≪戸田城聖≫ 漢の高祖(こうそ)劉邦(りゅうほう)が、天下を取った時、臣下のなかでも蕭何(しょうか)を第一の功労者とした。しかし、だ。

≪将軍1≫ 蕭何は、我々のように前線で、命をかけて戦うことはなかった。それが第一の功労者というのは解せません。

≪将軍2≫ 蕭何は、後方の安全なところで、書き物をしていただけです。一番多くの領地を与えるというのは納得できません。

≪高祖≫ なるほど。
獲物(えもの)を追いかけて、かみ殺すのは犬だが、犬の綱を解(と)いて、獲物を追いかけさせるのは猟師だ。
諸君は、ただ逃げていく獲物を追いかけただけだから、猟犬のような功労だ。
それに比べて、蕭何こそ、綱を解き、獲物を追いかけさせた猟師の功労に値する。
どうだ。

≪将軍1,2≫ んーん。

≪戸田城聖≫ つまり、前線にあって、皆が心配なく、思う存分戦えたのは、蕭何の力があったからであり、蕭何こそ、最大の功労者であるということだ。

3月16日の朝、豚汁を用意させたのも、蕭何にならってのことだよ。朝、腹を減らし、寒さに震えている青年たちにとって、一杯の熱い豚汁が、どれほどの力となるか、皆もよくわかってくれたと思う。
敢然に戦場を駆け巡るととともに、蕭何のような働きができる人材が、学会には必要なんだ。勇ましいだけでなく、全体観に立って、陰で万全を尽くして手を打つことができる人間だよ。

≪ナレーションA≫ 伸一は、戸田の話を聞きながら、その『十八史略』に登場する、諸葛孔明(しょかつこめい)のことを思い起こしていたのであります。

諸葛孔明は、蜀(しょく)の劉備(りゅうび)の軍師として活躍し、魏(ぎ)、呉(ご)、蜀の三国の時代が訪れる。しかし、劉備は、ほどなく後事を孔明に託(たく)して没する。
やがて、孔明は、陣列を整えて、総勢十万の兵を繰り出し、最後の決戦に臨(のぞ)む。

しかし、孔明は、陣中にあって、病にかかり、重体に陥(おちい)っていた。
彼は、重い病のなかで、将来を案じつつ息を引き取るのであります。

≪ナレーションB≫ 伸一の脳裏に、「星落秋風五丈原(ほしおつしゅうふうごじょうげん)」の歌が浮かんだ。

成否を誰れかあげつらふ(せいひをだれかあげつらう)
一死尽くしし身の誠  (いっしつくししみのまこと)
仰げば銀河影冴えて  (あおげばぎんがかげさえて)
無数の星斗光濃し   (むすうのせいとひかりこし)
照らすやいなや英雄の (てらすやいなやえいゆうの)
苦心弧忠の胸ひとつ (くしんこちゅうのむねひとつ)
其壮烈に感じては   (そのそうれつにかんじては)
鬼神も哭かむ秋の風  (きじんもなかんあきのかぜ)

そこに歌われた諸葛孔明と、眼前の戸田とが重なり、伸一は胸を突かれた。

広宣流布に一身を捧げ、休む暇さえなく、走りに走り、壮絶な闘争を展開してきた恩師・戸田城聖……。
広宣流布を誓願してきた彼には、安穏の日々などなかったといってよい。
その広宣流布は、今、始まったばかりというのに、戸田の命はまさに燃え尽きようとしている。

≪山本伸一≫ 先生は、後事を託(たく)すも、私をはじめ、皆、まだまだ未熟だ。
力をつけねば。強くならねば……。
そして先生に、ご安心いただくのだ。

≪ナレーションA≫ ある朝のことである。
戸田は床のなかでにこやかな表情を浮かべて話かけてきた。

≪戸田城聖≫ 伸一、昨日は、メキシコへ行った夢を見たよ。
待っていた、みんな待っていたよ。日蓮大聖人の仏法を求めてな。行きたいな、世界へ。広宣流布の旅に……。

≪山本伸一≫ 先生……

≪戸田城聖≫ 伸一、世界が相手だ。君の本当の舞台は世界だよ。
世界は広いぞ。人種も、民族も、異なる。自由主義の国も、社会主義の国もある。国によって宗教もさまざまだ。
伸一、生きろ。うんと生きるんだぞ。
そして、世界に征(ゆ)くんだ。

≪ナレーションA≫ 伸一は戸田の手を握りしめ、何度も頷きながら唇をかみ締めた。彼は師匠の温かい情愛、自己の使命の重大さが痛感されてならなかったのであります。

≪ナレーションB≫ 伸一は、役員の青年たちが集ってくると、決まって、学会歌を合唱しようと言うのであった。
歌い終わると、伸一は「もう一度!」と言った。
皆は、前よりも元気に、力いっぱい歌った。

しかし、伸一は、さらに「もう一度!」というのである。

≪山本伸一≫ 二階では戸田先生がお休みです。『広宣流布は、私たちがやります。』との、力強い歌声をお聞かせできれば、先生にご安心していただける。さあ、弟子としての誓いを込めて歌おうじゃないか!!

≪ナレーションB≫ 歌は何度も、何度も、繰り返された。青年たちは、師匠を思う伸一の心を知り、感激に胸を熱くしながら歌ったのであります。

本日は、小説人間革命第12巻寂光の章より、「猟師と猟犬・十八史略」のお話を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。





この寸劇人間革命『猟師と猟犬・十八史略のお話』を、最後まで読んでいただきありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量はおおよそ、20文字×130行です。

この寸劇人間革命は、「星落秋風五丈原」の歌の意味(いきさつ)を、理解しているという前提で作られています。
また、3月16日のことも、理解されていることが前提です。ですから、説明不足のような寸劇になってしまいました。

またこの歌にまつわる寸劇を以前に掲載しました。
その寸劇人間革命を読んでみたい方は、ここをクリック してください

そこには、いろんな資料を、たくさん準備しています。

YOUTUBEにこの歌があります。
SGIメンバーの歌。必見です。
ここをクリック 
2006年10月12日、第64回本部幹部会、第31回SGI総会、東京牧口記念会館。池田SGI会長が、SGI秋季研修会で来日した65カ国・地域の代表260人らと出席。ハービー・ハンコック氏、ウェイン・ショーター氏らアメリカSGI芸術部を中心とした「平和のための国際芸術家委員会」(ICAP)が祝賀演奏。

原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータ(20文字×130行)を準備しました。
楽しく、有意義な座談会に、ぜひご活用ください。

おまけに、「メキシコの夢」のエピソードを省略したバージョンも準備しました。(20文字×115行ほどになります)こちらも参考にどうぞ。




ブログに掲載した、20文字×130行

≪戸田城聖≫ 伸、今日は、なんの本を読んだのかね
≪山本伸一≫ はぁ、はい。
≪戸田城聖≫ 指導者になろうとする者は、何があっても読書を忘れてはならない。
私は、総本山に来てから、『十八史略』を第3巻まで読んだよ。
≪ナレーションA≫ 時は、昭和33年、1958年3月下旬。そうです。あの3月16日の儀式の数日後のお話であります。

≪戸田城聖≫ 漢の高祖(こうそ)劉邦(りゅうほう)が、天下を取った時、臣下のなかでも蕭何(しょうか)を第一の功労者とした。しかし、だ。
≪将軍1≫ 蕭何は、我々のように前線で、命をかけて戦うことはなかった。それが第一の功労者というのは解せません。
≪将軍2≫ 蕭何は、後方の安全なところで、書き物をしていただけです。一番多くの領地を与えるというのは納得できません。
≪高祖≫ なるほど。獲物(えもの)を追いかけて、かみ殺すのは犬だが、犬の綱を解(と)いて、獲物を追いかけさせるのは猟師だ。
諸君は、ただ逃げていく獲物を追いかけただけだから、猟犬のような功労だ。
それに比べて、蕭何こそ、綱を解き、獲物を追いかけさせた猟師の功労に値する。どうだ。
≪将軍1,2≫ んーん。
≪戸田城聖≫ つまり、前線にあって、皆が心配なく、思う存分戦えたのは、蕭何の力があったからであり、蕭何こそ、最大の功労者であるということだ。
3月16日の朝、豚汁を用意させたのも、蕭何にならってのことだよ。朝、腹を減らし、寒さに震えている青年たちにとって、一杯の熱い豚汁が、どれほどの力となるか、皆もよくわかってくれたと思う。
敢然に戦場を駆け巡るととともに、蕭何のような働きができる人材が、学会には必要なんだ。勇ましいだけでなく、全体観に立って、陰で万全を尽くして手を打つことができる人間だよ。

≪ナレーションA≫ 伸一は、戸田の話を聞きながら、その『十八史略』に登場する、諸葛孔明のことを思い起こしていたのであります。
諸葛孔明は、蜀(しょく)の劉備(りゅうび)の軍師として活躍し、魏(ぎ)、呉(ご)、蜀の三国の時代が訪れる。しかし、劉備は、ほどなく後事を孔明に託(たく)して没する。
やがて、孔明は、陣列を整えて、総勢十万の兵を繰り出し、最後の決戦に臨(のぞ)む。
しかし、孔明は、陣中にあって、病にかかり、重体に陥(おちい)っていた。
彼は、重い病のなかで、将来を案じつつ息を引き取るのであります。
≪ナレーションB≫ 伸一の脳裏に、「星落秋風五丈原(ほしおつしゅうふうごじょうげん)」の歌が浮かんだ。

成否を誰れかあげつらふ(せいひをだれかあげつらう)
一死尽くしし身の誠  (いっしつくししみのまこと)
仰げば銀河影冴えて  (あおげばぎんがかげさえて)
無数の星斗光濃し   (むすうのせいとひかりこし)
照らすやいなや英雄の (てらすやいなやえいゆうの)
苦心弧忠の胸ひとつ (くしんこちゅうのむねひとつ)
其壮烈に感じては   (そのそうれつにかんじては)
鬼神も哭かむ秋の風  (きじんもなかんあきのかぜ)

そこに歌われた諸葛孔明と、眼前の戸田とが重なり、伸一は胸を突かれた。
広宣流布に一身を捧げ、休む暇さえなく、走りに走り、壮絶な闘争を展開してきた恩師・戸田城聖……。
広宣流布を誓願してきた彼には、安穏の日々などなかったといってよい。
その広宣流布は、今、始まったばかりというのに、戸田の命はまさに燃え尽きようとしている。
≪山本伸一≫ 先生は、後事を託(たく)すも、私をはじめ、皆、まだまだ未熟だ。
力をつけねば。強くならねば……。
そして先生に、ご安心いただくのだ。

≪ナレーションA≫ ある朝のことである。
戸田は床のなかでにこやかな表情を浮かべて話かけてきた。
≪戸田城聖≫ 伸一、昨日は、メキシコへ行った夢を見たよ。
待っていた、みんな待っていたよ。日蓮大聖人の仏法を求めてな。行きたいな、世界へ。広宣流布の旅に……。
≪山本伸一≫ 先生……
≪戸田城聖≫ 伸一、世界が相手だ。君の本当の舞台は世界だよ。
世界は広いぞ。人種も、民族も、異なる。自由主義の国も、社会主義の国もある。国によって宗教もさまざまだ。
伸一、生きろ。うんと生きるんだぞ。
そして、世界に征(ゆ)くんだ。
≪ナレーションA≫ 伸一は戸田の手を握りしめ、何度も頷きながら唇をかみ締めた。彼は師匠の温かい情愛、自己の使命の重大さが痛感されてならなかったのであります。

≪ナレーションB≫ 伸一は、役員の青年たちが集ってくると、決まって、学会歌を合唱しようと言うのであった。
歌い終わると、伸一は「もう一度!」と言った。
皆は、前よりも元気に、力いっぱい歌った。
しかし、伸一は、さらに「もう一度!」というのである。
≪山本伸一≫ 二階では戸田先生がお休みです。『広宣流布は、私たちがやります。』との、力強い歌声をお聞かせできれば、先生にご安心していただける。さあ、弟子としての誓いを込めて歌おうじゃないか!!
≪ナレーションB≫ 歌は何度も、何度も、繰り返された。青年たちは、師匠を思う伸一の心を知り、感激に胸を熱くしながら歌ったのであります。

本日は、小説人間革命第12巻寂光の章より、「猟師と猟犬・十八史略」のお話を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。
以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。


「メキシコの夢」のエピソードを省略した 20文字×115行

≪戸田城聖≫ 伸、今日は、なんの本を読んだのかね
≪山本伸一≫ はぁ、はい。
≪戸田城聖≫ 指導者になろうとする者は、何があっても読書を忘れてはならない。
私は、総本山に来てから、『十八史略』を第3巻まで読んだよ。
≪ナレーションA≫ 時は、昭和33年、1958年3月下旬。そうです。あの3月16日の儀式の数日後のお話であります。

≪戸田城聖≫ 漢の高祖(こうそ)劉邦(りゅうほう)が、天下を取った時、臣下のなかでも蕭何(しょうか)を第一の功労者とした。しかし、だ。
≪将軍1≫ 蕭何は、我々のように前線で、命をかけて戦うことはなかった。それが第一の功労者というのは解せません。
≪将軍2≫ 蕭何は、後方の安全なところで、書き物をしていただけです。一番多くの領地を与えるというのは納得できません。
≪高祖≫ なるほど。獲物(えもの)を追いかけて、かみ殺すのは犬だが、犬の綱を解(と)いて、獲物を追いかけさせるのは猟師だ。
諸君は、ただ逃げていく獲物を追いかけただけだから、猟犬のような功労だ。
それに比べて、蕭何こそ、綱を解き、獲物を追いかけさせた猟師の功労に値する。どうだ。
≪将軍1,2≫ んーん。
≪戸田城聖≫ つまり、前線にあって、皆が心配なく、思う存分戦えたのは、蕭何の力があったからであり、蕭何こそ、最大の功労者であるということだ。
3月16日の朝、豚汁を用意させたのも、蕭何にならってのことだよ。朝、腹を減らし、寒さに震えている青年たちにとって、一杯の熱い豚汁が、どれほどの力となるか、皆もよくわかってくれたと思う。
敢然に戦場を駆け巡るととともに、蕭何のような働きができる人材が、学会には必要なんだ。勇ましいだけでなく、全体観に立って、陰で万全を尽くして手を打つことができる人間だよ。

≪ナレーションA≫ 伸一は、戸田の話を聞きながら、その『十八史略』に登場する、諸葛孔明のことを思い起こしていたのであります。
諸葛孔明は、蜀(しょく)の劉備(りゅうび)の軍師として活躍し、魏(ぎ)、呉(ご)、蜀の三国の時代が訪れる。しかし、劉備は、ほどなく後事を孔明に託(たく)して没する。
やがて、孔明は、陣列を整えて、総勢十万の兵を繰り出し、最後の決戦に臨(のぞ)む。
しかし、孔明は、陣中にあって、病にかかり、重体に陥(おちい)っていた。
彼は、重い病のなかで、将来を案じつつ息を引き取るのであります。
≪ナレーションB≫ 伸一の脳裏に、「星落秋風五丈原(ほしおつしゅうふうごじょうげん)」の歌が浮かんだ。

成否を誰れかあげつらふ(せいひをだれかあげつらう)
一死尽くしし身の誠  (いっしつくししみのまこと)
仰げば銀河影冴えて  (あおげばぎんがかげさえて)
無数の星斗光濃し   (むすうのせいとひかりこし)
照らすやいなや英雄の (てらすやいなやえいゆうの)
苦心弧忠の胸ひとつ (くしんこちゅうのむねひとつ)
其壮烈に感じては   (そのそうれつにかんじては)
鬼神も哭かむ秋の風  (きじんもなかんあきのかぜ)

そこに歌われた諸葛孔明と、眼前の戸田とが重なり、伸一は胸を突かれた。
広宣流布に一身を捧げ、休む暇さえなく、走りに走り、壮絶な闘争を展開してきた恩師・戸田城聖……。
広宣流布を誓願してきた彼には、安穏の日々などなかったといってよい。
その広宣流布は、今、始まったばかりというのに、戸田の命はまさに燃え尽きようとしている。
≪山本伸一≫ 先生は、後事を託(たく)すも、私をはじめ、皆、まだまだ未熟だ。
力をつけねば。強くならねば……。
そして先生に、ご安心いただくのだ。

≪ナレーションB≫ 伸一は、役員の青年たちが集ってくると、決まって、学会歌を合唱しようと言うのであった。
歌い終わると、伸一は「もう一度!」と言った。
皆は、前よりも元気に、力いっぱい歌った。
しかし、伸一は、さらに「もう一度!」というのである。
≪山本伸一≫ 二階では戸田先生がお休みです。『広宣流布は、私たちがやります。』との、力強い歌声をお聞かせできれば、先生にご安心していただける。さあ、弟子としての誓いを込めて歌おうじゃないか!!
≪ナレーションB≫ 歌は何度も、何度も、繰り返された。青年たちは、師匠を思う伸一の心を知り、感激に胸を熱くしながら歌ったのであります。

本日は、小説人間革命第12巻寂光の章より、「猟師と猟犬・十八史略」のお話を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。
以上で寸劇人間革命のコーナーを、終わります。



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テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

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