再び、創価学会本部一階応接室からのお話し_三代会長就任のお話


山本伸一の脳裏に、愛する同志の顔が、次々と浮かんでは消えていった。
皆、不思議なる使命をもって、宇宙のいずこからともなく集い来たった地涌の仏子であり、人間革命の大ドラマを演じゆく、ヒーロー・ヒロインたちであります。

若輩では、ございますが。
本日より。戸田門下生を代表して。
化儀の広宣流布をめざし。
一歩前進への。指揮を、とらさせていただきます!

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≪ナレーションA≫ 時は昭和三十五年、1960年3月30日。
創価学会本部一階の応接室であります。

≪小西武雄理事長≫ 今日は、山本先生に、率直に、私の……いや、多くの同志の、要望を申し上げたいと思います。山本先生に、会長として、本格的に広宣流布の指揮を執(と)っていただきたいのです。

≪山本伸一≫ 申し訳ありませんが、私はまだ、会長をお引け受けするわけには、いきません。
会長としては、あまりに若輩です。
せめて、戸田先生の七回忌を終えるまでは、現在のままで、お願いしたいと思います。

≪小西武雄≫ 山本先生、今の状態は画竜点睛(がりょうてんせい)を欠いています。
同志は、皆、山本先生が、会長になっていただける、ことを信じて、奮闘(ふんとう)しているというのが実情(じつじょう)です。

≪山本伸一≫ お話は、よくわかります。しかし、小西理事長もそうですが、私も大阪の事件で被告の身です。
もし、会長になって、有罪判決がくだされれば、学会は、反社会的な宗教団体ということになってしまいます。

わがままを言うようで申し訳ありませんが、せめて無罪の判決が出るまで、猶予(ゆうよ)を、お願いしたいんです。

≪ナレーションA≫ 伸一は、丁重(ていちょう)に、しかし、きっぱりと辞退(じたい)した。小西理事長の顔が曇った。

この二人のやりとりを、壁に掲(かか)げられた、牧口常三郎と戸田城聖の写真が、じっと見つめていたのであります。

≪ナレーションB≫ 伸一は、会長・戸田城聖に仕えるなかで、学会の会長職が、いかに峻厳(しゅんげん)なものであり、また、その使命が、いかに重大で、深いものであるかを、身に染(し)みて感じていた。

創価学会の会長には、一切の矢面(やおもて)に立って、一身に集中砲火(ほうか)を浴(あ)び、会員を守らねばならぬ責任がある。

すなわち、その双肩(そうけん)には、御本仏の御遺命(ごゆいめい)である、広宣流布のすべてが、かかっている。
まさに、凡智(ぼんち)をもってしては計り得ぬ、仏意(ぶつい)仏勅(ぶっちょく)の聖職といってよい。

それだけに、会長就任については、慎重にならざるを得なかったのであります。

≪山本伸一≫<独白> 七回忌を終えても、まだ三十六歳であり、それから会長を務(つと)めても、決して、遅くないはずだ。

そのうえ、ここまで生きてこられたのが不思議なほど病弱である。そんな体(からだ)の自分が、大任(たいにん)を全(まっと)うできるのだろうか。

誰か、疲れ果てた私に代わり、指揮(しき)を執る人はいないのか。

≪ナレーションB≫ 伸一は、自分と戦うように、悶々(もんもん)と考え続けた。そんな、ひとり苦悩する伸一の姿を、妻の峯子は、胸を痛めながら、静かに見守っていたのであります。

≪清原カツ≫ ここで、あきらめるわけには絶対に、いきません。さらに、勇気を奮(ふる)い起こして、もっと強く、会長就任を、お願いする以外にないのよ。

≪原山幸一≫ 私も、そう思う。
私たちが、必死になってお願いすれば、山本先生は、きっと会長を引き受けてくださるはずです。

≪山本伸一≫<独白> 所詮(しょせん)、断っても、所詮、断りきれない定(さだ)めなのか。
戸田先生……。伸一にはもはや、わずかの猶予も、許されないのでしょうか……

≪原山幸一≫ 山本先生、今日は、御了解いただくまで帰らないつもりであります。

≪関久男≫ 会長は、山本先生以外に、ありえません。このままでは、同志がかわいそうです。先生、お願いします。

≪山本伸一≫<独白> こんな、弱い体で、本当に戦えるのか。……いや、御本尊の力は無量無辺だ。ただただ、御本尊に祈り抜き、命ある限り指揮を執るしかないのか。

≪ナレーションB≫ 伸一は、今、避けがたき宿命の嵐が、胸中に吹き荒れるのを感じていた。使命の怒涛(どとう)が、わが体内に、渦巻(うずま)き、うねるのを覚えた。

御仏意(ぶつい)と感じながらも、会長に就任することを思うと、言語(げんご)に絶する緊張を覚えたのであります。

≪小西武雄≫ 山本先生が会長職を辞退されている限り、広宣流布は遅れてしまいます。それでよろしいのでしょうか!
戸田先生も、あなたを第三代会長と思い、心に誓って、訓練されてきたことは、あなたもよくご存じのはずです。
私たちも、戸田先生の遺言として知っております。

会長推戴(すいたい)は、広宣流布を願っての全幹部の要請です。お引き受けください。

≪山本伸一≫ ……それほどの皆さんの、お話なら……

≪小西武雄≫ よろしいのですね!ありがとうございます。

≪ナレーションB≫ 小西は満面に笑みをたたえて、深々と頭をさげた。
理事の一人が、急いで部屋を出て行った。
歓声があがった。

≪山本伸一≫ やむを得ぬ。やむを得ざるか!
戸田先生に、直弟子として育てられた私だ。
訓練に訓練されてきた私だ。何を恐れぬものがあろう。
青年らしく、嵐に向かい、堂々と前進するのみだ!

≪ナレーションA≫ 山本伸一の脳裏に、愛する同志の顔が、次々と浮かんでは消えていった。皆、不思議なる使命をもって、宇宙のいずこからともなく集い来たった地涌の仏子であり、人間革命の大ドラマを演じゆく、ヒーロー・ヒロインたちであります。

昭和三十五年。1960年5月3日。晴天。東京・両国の日大講堂。

≪山本伸一≫ 
若輩(じゃくはい)では、ございますが。
本日より。戸田門下生を代表して。
化儀(けぎ)の広宣流布をめざし。
一歩前進への。指揮を、とらさせていただきます!

≪ナレーションA≫ 本日は、人間革命第12巻、新黎明の章より、「三代会長就任のお話」を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。




この寸劇人間革命を、最後まで、読んでいただき、ありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×140行です。


【登場人物の本名の紹介】 (おべだふり、といいます)

≪小西武雄≫   「小泉隆」 当時は、理事長として、学会の最高責任者の立場であった。

≪清原カツ≫   「柏原ヤス」 当時は理事であった。参議院議員として活躍した。小中学校の教科書無償化に尽力したことは有名。

≪原山幸一≫   「原島宏治」 当時は理事。公明党の初代委員長を務めた。

≪関久男≫    「辻武寿」 当時は理事。昭和の時代に信心していた人にとっては、副会長として、個人指導の名人として有名。    


≪清原カツ≫の登場する寸劇
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≪関久男≫の登場する寸劇
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≪清原カツ≫ ≪関久男≫ 2人の登場する寸劇
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原稿印刷用に、空白行の少ないテキストデータを、準備いたしました。
楽しく、有意義な座談会に、ぜひご活用ください。


≪ナレーションA≫ 時は昭和三十五年、1960年3月30日。
創価学会本部一階の応接室であります。
≪小西武雄理事長≫ 今日は、山本先生に、率直に、私の……いや、多くの同志の、要望を申し上げたいと思います。山本先生に、会長として、本格的に広宣流布の指揮を執(と)っていただきたいのです。
≪山本伸一≫ 申し訳ありませんが、私はまだ、会長をお引け受けするわけには、いきません。
会長としては、あまりに若輩です。
せめて、戸田先生の七回忌を終えるまでは、現在のままで、お願いしたいと思います。
≪小西武雄≫ 山本先生、今の状態は画竜点睛(がりょうて
んせい)を欠いています。同志は、皆、山本先生が、会長になっていただける、ことを信じて、奮闘(ふんとう)しているというのが実情(じつじょう)です。
≪山本伸一≫ お話は、よくわかります。しかし、小西理事長もそうですが、私も大阪の事件で被告の身です。
もし、会長になって、有罪判決がくだされれば、学会は、反社会的な宗教団体ということになってしまいます。わがままを言うようで申し訳ありませんが、せめて無罪の判決が出るまで、猶予(ゆうよ)を、お願いしたいんです。
≪ナレーションA≫ 伸一は、丁重(ていちょう)に、しかし、きっぱりと辞退(じたい)した。小西理事長の顔が曇った。
この二人のやりとりを、壁に掲(かか)げられた、牧口常三郎と戸田城聖の写真が、じっと見つめていたのであります。
≪ナレーションB≫ 伸一は、会長・戸田城聖に仕えるなかで、学会の会長職が、いかに峻厳(しゅんげん)なものであり、また、その使命が、いかに重大で、深いものであるかを、身に染(し)みて感じていた。
創価学会の会長には、一切の矢面(やおもて)に立って、一身に集中砲火(ほうか)を浴(あ)び、会員を守らねばならぬ責任がある。
すなわち、その双肩(そうけん)には、御本仏の御遺命(ごゆいめい)である、広宣流布のすべてが、かかっている。
まさに、凡智(ぼんち)をもってしては計り得ぬ、仏意(ぶつい)仏勅(ぶっちょく)の聖職といってよい。
それだけに、会長就任については、慎重にならざるを得なかったのであります。
≪山本伸一≫<独白> 七回忌を終えても、まだ三十六歳であり、それから会長を務(つと)めても、決して、遅くないはずだ。
そのうえ、ここまで生きてこられたのが不思議なほど病弱である。そんな体(からだ)の自分が、大任(たいにん)を全(まっと)うできるのだろうか。
誰か、疲れ果てた私に代わり、指揮(しき)を執る人はいないのか。
≪ナレーションB≫ 伸一は、自分と戦うように、悶々(もんもん)と考え続けた。そんな、ひとり苦悩する伸一の姿を、妻の峯子は、胸を痛めながら、静かに見守っていたのであります。
≪清原カツ≫ ここで、あきらめるわけには絶対に、いきません。さらに、勇気を奮(ふる)い起こして、もっと強く、会長就任を、お願いする以外にないのよ。
≪原山幸一≫ 私も、そう思う。
私たちが、必死になってお願いすれば、山本先生は、きっと会長を引き受けてくださるはずです。
≪山本伸一≫<独白> 所詮(しょせん)、断っても、所詮、断りきれない定(さだ)めなのか。
戸田先生……。伸一にはもはや、わずかの猶予も、許されないのでしょうか……
≪原山幸一≫ 山本先生、今日は、御了解いただくまで帰らないつもりであります。
≪関久男≫ 会長は、山本先生以外に、ありえません。このままでは、同志がかわいそうです。先生、お願いします。
≪山本伸一≫<独白> こんな、弱い体で、本当に戦えるのか。……いや、御本尊の力は無量無辺だ。ただただ、御本尊に祈り抜き、命ある限り指揮を執るしかないのか。
≪ナレーションB≫ 伸一は、今、避けがたき宿命の嵐が、胸中に吹き荒れるのを感じていた。使命の怒涛(どとう)が、わが体内に、渦巻(うずま)き、うねるのを覚えた。
御仏意(ぶつい)と感じながらも、会長に就任することを思うと、言語(げんご)に絶する緊張を覚えたのであります。
≪小西武雄≫ 山本先生が会長職を辞退されている限り、広宣流布は遅れてしまいます。それでよろしいのでしょうか!
戸田先生も、あなたを第三代会長と思い、心に誓って、訓練されてきたことは、あなたもよくご存じのはずです。
私たちも、戸田先生の遺言として知っております。
会長推戴(すいたい)は、広宣流布を願っての全幹部の要請です。お引き受けください。
≪山本伸一≫ ……それほどの皆さんの、お話なら……
≪小西武雄≫ よろしいのですね!ありがとうございます。
≪ナレーションB≫ 小西は満面に笑みをたたえて、深々と頭をさげた。
理事の一人が、急いで部屋を出て行った。
歓声があがった。
≪山本伸一≫ やむを得ぬ。やむを得ざるか!
戸田先生に、直弟子として育てられた私だ。
訓練に訓練されてきた私だ。何を恐れぬものがあろう。
青年らしく、嵐に向かい、堂々と前進するのみだ!
≪ナレーションA≫ 山本伸一の脳裏に、愛する同志の顔が、次々と浮かんでは消えていった。皆、不思議なる使命をもって、宇宙のいずこからともなく集い来たった地涌の仏子であり、人間革命の大ドラマを演じゆく、ヒーロー・ヒロインたちであります。
昭和三十五年。1960年5月3日。東京・両国の日大講堂。
≪山本伸一≫ 
若輩(じゃくはい)では、ございますが。
本日より。戸田門下生を代表して。
化儀(けぎ)の広宣流布をめざし。
一歩前進への。指揮を、とらさせていただきます!
≪ナレーションA≫ 本日は、人間革命第12巻新黎明の章より、「三代会長就任のお話」を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。
以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。
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テーマ: 二次創作 | ジャンル: 小説・文学

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