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大阪の戦い_一念


この初陣の一戦を本源として、未来のこうした戦いが勝利に通ずる道を、開くことができる。
所詮、勝利する以外に途はない。

どうか、一人ひとりに直接会って、よく話を聞いてあげ、今の悩み深い境涯から、信心によって必ず脱出できることを、真心込めて懇切に話してあげてください。

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≪ナレーションA≫ 時は、昭和31年、1956年1月5日。
山本伸一は、関西本部において、個人面接の指導に終始した。このたびの戦いに一人の落伍者(らくごしゃ)もないことを願いながら、全魂(ぜんこん)をこめて激励し、心血を注いでいたのであります。
その戦いとは。そうです。あの伝説の戦い・大阪の戦いであります。

≪ナレーションB≫ 戸田はこの作戦を、どうしても山本伸一にやらせたかった。
広宣流布の未来への開拓の苦難の途をあえて進ませ、彼の晩年の掌中(しょうちゅう)の珠(たま)である伸一の健気なる勇姿と、地涌の底力とを、彼の没後(ぼつご)のために、たしかめておきたかったのであります。

≪ナレーションA≫ 山本伸一の胸中には断じて勝つとの決意が、火のごとく燃えつつあったのであります。

≪山本伸一_1≫ 第一に、戸田先生の構想の一つを挫折(ざせつ)させることになる。
第二に、自身の広宣流布の本格的な初陣に敗れることになる。それは、使命ある生涯の蹉跌(さてつ)に通じてしまう。この初陣の一戦を本源として、未来のこうした戦いが勝利に通ずる道を、開くことができる。
所詮(しょせん)、勝利する以外に途(みち)はない。

御書をひもとけば、不可能を可能にすることも、戦いの要諦(ようてい)は必ずしも数にあるのではなく、少数でも固い団結にあることも、信心の無量であることも明確にして鋭(するど)く教えているではないか。
日蓮大聖人の仏法が真実であるならば、末法今時(こんじ)の一信徒(いちしんと)の自分自身にも、それが証明できないはずがない。「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちい給うべし」とあるではないか。

≪ナレーションB≫ 関西本部では、地区部長会が開かれています。山本伸一は、七月の大阪地方区の初陣に勝利すること、そして極めて厳しい現状を語った。

「これでは戦いにならない。」皆がそう直感した瞬間に、山本伸一の熾烈(しれつ)な戦いが開始されたのであります。

≪山本伸一_2≫ 誰でも、これではまったく勝利は不可能と思うでしょう。しかし、私どもは、立派な御本尊をいただいている。
世間の人びとの常識では、とうてい不可能と思い込んでいることを可能にする力が、御本尊にはあるのです。

御書には『湿(しめ)れる木より火を出(いだ)し、乾(かわ)ける土より水を儲(もう)けんが如く強盛に申すなり』とあります。
ひどい乱世で、佐渡におられる大聖人は、鎌倉で弾圧にあっていた弟子たちを、どうしようにも、守ることはできない。とても不可能なことです。
しかし、大聖人の御祈念は、『しっぽりと濡(ぬ)れた木をこすってでも、なお火を出させてみせる。また、カラカラに乾いている砂漠(さばく)のような大地から、水を迸(ほとぼし)り出(だ)させてみせる。御本尊に対する祈りというものは、一大事の時には、このようなものでなければならぬ』と、お示しになっているのです。

いま、私たちは、合理的な考え方に慣れてしまって、今回の戦いの勝利はとても、不可能と思うでしょう。
しかし無量の力を、御本尊は秘めていることを、大聖人は明確に教えていらっしゃる。
これを信じるか、信じないか、それは、私たちの問題です。

全員の祈りが揃(そろ)って御本尊に向かったとき、不可能を可能にする途(みち)が豁然(かつぜん)と開けるのは当然なのです。
信心のこの原点を皆さん一人一人に教えないで、もし、戦いに敗れたとしたら、私は関西の皆さんがたが可哀想(かわいそう)でなりません。

私は御本尊様にしっかりお願いした。
どうあれ勝たせてくださいと、心から祈りました。

≪ナレーションB≫ 山本伸一の切々とした話は、並み居る人々の胸に惻々(そくそく)と迫(せま)った。

山本伸一の億劫(おくごう)に辛労(しんろう)を尽(つ)くした祈りある一念は、この夜、関西の幹部の一念を一変させるに充分だったのであります。

≪山本伸一_3≫ どうか、一人ひとりに直接会って、よく話を聞いてあげ、今の悩み深い境涯から、信心によって必ず脱出できることを、真心込めて懇切(こんせつ)に話してあげてください。

私は皆さんを心から尊敬し、信頼しております。生意気(なまいき)に響くかもしれませんが、私は関西の人たちが大好きですし、可愛(かわい)い。
それがもしも敗れることにでもなったら、関西の純信な友たちの悲嘆(ひたん)を思うと、私は胸の裂(さ)けるような思いにかられます。
必ず勝ってみせる。私の決意は変わりません。
皆さんは安心して戦ってください。

戸田会長に代わって、このたびの関西の戦いの指揮は、私がとらせてもらいます!

≪ナレーションA≫ ここで山本伸一は、突然『黒田節』を歌おうと提案したのであります。
一同が歌い始めると、彼は歌にあわせて見事な舞いを、披露(ひろう)したのであります。

≪山本伸一_4≫ さあ、元気よく踊ろうじゃありませんか。関西の初陣だ。さあ誰か踊ってみませんか。

≪ナレーションA≫ 嬉しくなった一人の男が踊りだした。だが、歌と踊りのテンポが合わず、仕草(しぐさ)はまことに滑稽(こっけい)をきわめ、見ていた人たちはどっと爆笑した。

≪ナレーションA≫ 最後に、山本伸一が再び舞いだした。
静と動の機微(きび)は見事な調和を保ち、豊かな表情を現出(げんしゅつ)したのであります。

≪山本伸一_4≫ このたびの戦いは、このように舞を舞って戦うのです。そして勝利のあかつきには、また『黒田節』を舞って祝おうではありませんか。

≪ナレーションB≫ 本日は、小説人間革命第十巻「一念」の章から、「大阪の戦い・一念」のお話を、黎明地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。




最後まで読んでくださってありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×135行です。


この寸劇人間革命は以前に掲載したものを作りなおしたものです。
エピソードを省略し、構成もいじりました。
その寸劇人間革命を読んでみたい方は、ここをクリック してください

原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。楽しく、有意義な座談会のために、ぜひ御活用ください。

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ネバダ地区結成のお話

私はその言葉を聞き、戸田先生の世界広布を願う心に触れた思いでした。
山本先生は、会長に就任されて、まだ五ヶ月しかたっていないのに、こうしてアメリカにおいでくださいました。
それは世界広布を願う、戸田先生の精神の実践にほかならないと思います。

ご主人のジョージ・オリバーさんは、日系人以外の初めての地区部長です。
創価学会が世界宗教であることを証明する第一号の地区部長となります。
アメリカ広布の模範となる活動をお願いします。

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≪ナレーションA≫ 時は昭和35年、1960年10月4日。初の海外指導の3日目のエピソードであります。
サンフランシスコの会員宅では、地元地区の結成に向けての打ち合わせが行なわれていたのです。

≪ナレーションB≫ すると、隣の部屋から、勤行の声が響いてきた。そこでは30歳前後のアメリカ人の男性を中心に数名のメンバーが勤行をしていた。導師の男性の発音は、実に正確で、朗々(ろうろう)とした勤行だったのです。

≪山本伸一≫ お名前は、なんとおっしゃいますか。

≪ジョージ・オリバー≫ (両手を広げ)スミマセーン

≪ヤスコ・オリバー≫ すいません、主人は日本語がよくわからないものですから……。
主人の名前はジョージ・オリバーと申します。
私は妻のヤスコです。

≪山本伸一≫ どちらから、いらっしゃったんですか。

≪ヤスコ・オリバー≫ はい、ネバダ州のリノから来ました。

≪山本伸一≫ どうも、遠くからご苦労さまです。何時間かかりましたか。

≪ヤスコ・オリバー≫ 車で五時間ほどかかりました。

≪山本伸一≫ そう。大変でしたね。それじゃあ、遅くなるといけないから、座談会が終わったら、すぐにお帰りになってください。

≪ジョージ・オリバー≫ ドウモアリガトウゴザイマース

≪ナレーションB≫ ジョージ・オリバーは続けて英語で語り始めた。それを同行メンバーが通訳したのです。

≪ジョージ・オリバー≫ 私たちは、アメリカに帰るべきか、日本に残るべきか、戸田先生に指導を受けたことがあります。

≪戸田城聖≫ 仏法は世界に広宣流布されなければならないのだから、アメリカに帰ってがんばりなさい。

≪ジョージ・オリバー≫ 私はその言葉を聞き、戸田先生の世界広布を願う心に触(ふ)れた思いでした。山本先生は、会長に就任されて、まだ五ヶ月しかたっていないのに、こうしてアメリカにおいでくださいました。
それは世界広布を願う、戸田先生の精神の実践にほかならないと思います。

私は、戸田先生が亡くなられてから、学会はどうなってしまうのか、不安に思っていました。しかし、こうして山本先生にお会いし、学会は若々しい山本先生とともに、限りない未来に向かって、新しい出発をしたことを感じました。

≪ナレーションB≫ 山本伸一は、ジョージ・オリバーの話を聞きながら、ネバダにも地区を結成し、この夫婦を、地区部長と地区担当員に任命すべきではないかと思った。

≪山本伸一≫ ネバダには、ほとんど会員はいない。
そこに、アメリカ人の地区部長は、大きな賭(か)けだ。
しかし、種を植えなければ芽はでない。
やがて、世界中に日本人でないリーダーが必要だ。
組織といっても人で決まる。
中心者が一人立てば、すべては、そこから開ける。
彼なら、できる。よし!

≪ナレーションB≫ 瞬時のうちに、伸一の頭脳は、めまぐるしく回転した。

≪山本伸一≫ ネバダにも地区を結成します!

≪ナレーションB≫ たとえ瞬時(しゅんじ)に下された決断であっても、広宣流布のために、一念に億劫(おくごう)の辛労(しんろう)を、尽(つ)くしての熟慮(じゅくりょ)があった。世界の広宣流布は、伸一の胸中(きょうちゅう)に鼓動(こどう)していたのであります。 

≪ナレーションA≫ その夜の座談会では、サンフランシスコ地区の結成が発表された。そしてネバダにも、地区を結成することが、告げられた。参加者からは、驚きの声が漏(も)れたのであります。

≪山本伸一≫ ネバダ地区の地区部長にはジョージ・オリバーさんが、地区担当員にはヤスコ・オリバーさんが就任いたします。ネバダにはオリバー夫妻のほかには、お二人が弘教した二、三人のメンバーしかおりませんが、あえて地区を作ります。

≪全座談会参加者≫ オー??

≪山本伸一≫ 皆さんは、会員もほとんどいないネバダに、なぜ地区を作るのかと思われるかもしれませんが、それは未来への布石なのです。
学会を一つの果樹園にたとえれば、ちょううど、果樹にあたるのが地区であり、果実(かじつ)が皆さん方です。果樹がなければ、果実は実らない。果樹にすべてはかかっています。創価学会といっても、その本当の母体は一つ一つの地区であり、地区の姿それ自体が学会なんです。

ネバダは、広く大きい州であり、未来の限りない可能性を秘めた天地です。ゆえに、まだ地区部長と地区担以外に、メンバーは二、三人しかいませんが、三年後、五年後、十年後のために地区を結成したのです。
これからオリバーさんご夫妻には、大変なご苦労をおかけすることになると思いますが、戸田先生も牢獄(ろうごく)から出られて、ただ一人、広宣流布に立たれた。それからわずか十五年で、学会は百数十万世帯にまで発展したのです。

オリバーさんご夫妻も、ネバダの大地に法旗を掲(かか)げて決然と立ってください。
特に、ご主人のジョージ・オリバーさんは、日系人以外の初めての地区部長です。創価学会が世界宗教であることを証明する第一号の地区部長となります。アメリカ広布の模範(もはん)となる活動をお願いします。

≪オリバー夫妻≫ (2人で) はい、がんばります!!

≪ナレーションA≫ 元気な、すがすがしい声の響きのする返事であった。
また一つ広布の種が植えられた。参加者は皆、新しい時代の到来を感じていたのであります。

本日は、小説・新人間革命・第一巻「新世界」の章より、「ネバダ地区結成のお話」を、旭日地区のオールスターキャストで、お送りいたしました。
以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。



この寸劇人間革命を最後まで読んでいただきありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量はおおよそ20文字×135行です。
原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。楽しく有意義な座談会にぜひ御活用ください。

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内容はまったく同じですが、少し長い(20文字×150行)のテキストデータも準備しました。
こちらも、ぜひ御活用ください。

実際に座談会でやってみて、少し修正しました。20160212

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ハワイ地区の結成のお話し


あなたを地区部長に任命したのは私です。

あなたが敗れれば、私が敗れたことです。

責任は、すべて私が取ります。

力の限り、存分に戦ってください。


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≪山本伸一≫ さあ、ハワイの広宣流布と皆様方のご一家の繁栄と幸せを祈念して、一緒に勤行をしましょう。

≪ナレーションA≫ 時は、昭和35年、1960年10月2日。初めての海外指導の一日目。ハワイのホノルルで開かれた、海外最初の座談会であります。
山本伸一は、がっちりとした体格で、柔和な目をした、三十半(なか)ばと思われる男性に話しかけた。

≪山本伸一≫ 朝から思っていたんですが、あなたはプロレスの力道山にそっくりですね。名前は、なんとおっしゃるんですか?

≪ヒロト・ヒラタ≫ はい、ヒロト・ヒラタです。

≪山本伸一≫ そう。その名前より、力道山の方が覚えやすいね。これから“リキさん”と呼んでいいですか

≪ヒロト・ヒラタ≫ は?はい。

≪山本伸一≫ 奥さんはいらっしゃるの?

≪ヒロト・ヒラタ≫ はい。奥さん。日本の。仙台にいます。後でハワイにきます。

≪山本伸一≫ 奥さんは学会の役職は持っていますか

≪ヒロト・ヒラタ≫ 地区担です。

≪山本伸一≫ そうですか。リキさんは何か役職には、ついていましたか。

≪ヒロト・ヒラタ≫ 日本で組長になりました。

≪ナレーションB≫ リキさんは、日系二世である。ハワイで暮らしていたリキさん親子は、真珠湾攻撃の後、すぐにアメリカ本土の抑留所(よくりゅうしょ)に収容(しゅうよう)。やがて日本との捕虜交換。そして、召集令状が届く。

ハワイ生まれのリキさんは、うまく日本語が話せない。軍隊では何かにつけて目の敵(かたき)にされた。
緊張すると、つい、英語が出てしまう。「敵国語を使うな!」
敬語が正しくつかえない。「その日本語は何だ!俺様をバカにするのか!」
顔の形が変わるほど殴(なぐ)られた。

日本は、両親の祖国である。しかしアメリカは、リキさんの祖国である。戦争が人間を引き裂(さ)き、更に彼の心をズタズタに引き裂いたのです。

≪山本伸一≫ 今日、私はこのハワイに地区を結成したいと思っていますが、皆さん、いかがですか!
ハワイは世界の広宣流布の大事な要衝(ようしょう)の地です。また今回、世界への平和旅の第一歩が印(しる)された、広布の歴史に永遠の輝きを放つ場所となります。
ですから、未来のためにも、あえて、ここに地区を作っておきたいのです。

≪ナレーションA≫ 一瞬。誰もがキョトンとしていた。そして、歓声があがった。

≪山本伸一≫ 地区部長は、リキさんにやってもらおうと思いますが、いかがでしょうか。

≪ヒロト・ヒラタ≫ 私が地区部長ですか。私は信心のことはよくわからない……

≪山本伸一≫ そうです。あなたに地区部長をお願いします。今は何もわからなくても、これから一つ一つ覚えていけばいいんです。まず、何よりも、この地区の人たちを幸せにするんだという、強い一念をもつことです。また、みんなの相談相手になり、どうすれば全員の力が引き出せるのかを考えてください。

これからは、あなたが真剣に祈り、動いた分だけ、ハワイは発展します。また、それが全部あなたの功徳と福運に変わります。
力道山といえば、世界一強いレスラーです。リキさんも負けないで、世界一強い、立派な地区をつくってください。

≪ヒロト・ヒラタ≫ はい。がんばります。

≪ナレーションA≫ 座談会終了後も友との語らいが続いた。特に、地区部長になったリキさんには、深夜まで時間を割(さ)いて、指導にあたったのであります。

≪山本伸一≫ リキさん。社会的な信頼をえるために、まず大切なのは、仕事で成功することです。それがいっさいの基盤になる。そのために、人一倍、努力するのはとうぜんです。
そして、題目を唱え抜いて、智恵をはたらかせていくんです。

広宣流布をわが人生の目的とし、そのために実証を示そうと、仕事の成功を祈る時に、おのずから勝利の道、福運の道が開かれていきます。

≪ナレーションA≫ リキさんは瞳(ひとみ)を、輝かせ、真剣に耳を傾けていた。

≪山本伸一≫ これからの人生は、地区部長として、私とともに、みんなの幸せのために生きてください。

社会の人は、自分や家族の幸せを考えて生きるだけで精いっぱいです。その中で自ら多くの悩みを抱(かか)えながら、友のため、法のため、広布のために生きることは、確かに大変なことといえます。しかし、実は、みんなのために悩み、祈り、戦っていること自体が、既に自分の境涯を乗り越え、偉大なる人間革命の突破口を開いている証拠(しょうこ)なんです。

また、組織というのは、中心者の一念で、どのようにも変わっていきます。常にみんなのために戦うリーダーには、人は付いてきます。しかし、目的が自分の名聞名利(みょうもんみょうり)であれば、いつか人びとはその本質を見抜き、付いてこなくなります。

≪ナレーションA≫ リキさんには、乾(かわ)いた砂が水を吸い込むような、純粋な求道の息吹(いぶき)があった。
伸一は、彼の手を握(にぎ)りながら言った。

≪山本伸一≫ あなたを地区部長に任命したのは私です。
あなたが敗(やぶ)れれば、私が敗れたことです。責任は、すべて私が取ります。力の限り、存分に戦ってください。

≪ヒロト・ヒラタ≫ はい!戦います。

≪ナレーションA≫ リキさんは伸一の手を固く握り返した。月明かりの中で二人の目と目が光ったのであります。

 本日は、小説・新人間革命第一巻「旭日」の章より、「ハワイ地区の結成」と題しまして、旭日地区のオールスターキャストでお送りいたしました。
 以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。



この寸劇人間革命を最後まで読んでくださってありがとうございます。
この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×130行です。

頑張れ地区部長シリーズとして作成しました。

原稿印刷のために、空白行の少ないテキストデータを準備しました。
たのしく有意義な座談会にぜひ御活用ください。

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ブラジル初訪問前夜


ブラジルの訪問は、今回の旅の大きな目的だったではないですか。

そのためにやって来たのに、途中でやめることなどできない。

戸田先生が戦いの途中で引き返したことが一度でもありましたか!

私は戸田先生の弟子です。

行く。絶対に行く。

もし、倒れるなら、倒れてもよいではないか!


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≪ナレーションA≫ ノックの音がした。

≪山本伸一≫ やあ、十条さんか。買い物はすんだの?

≪十条 潔(きよし)≫ はい、行ってまいりました。デパートですが、以外に日本製が多いのにおどろきました。

≪ナレーションA≫ 時は、昭和35年、1960年10月17日。初めての海外指導が始まって、2週間。
いよいよ明日は、ニューヨークを発って、ブラジルのサンパウロに向かう日であります。しかし……

≪十条 潔≫ 先生……。誠に申し上げにくいことなのですが……

≪山本伸一≫ 何かあったの?

≪十条 潔≫ じつは、明日のブラジル行きのことで、お話にまいりました。
結論から申し上げますと、先生にはこのままアメリカにお残りいただいて、私どもだけでまいりたいと思います。
先生が、著(いちじる)しく体調を崩(くず)しておられることは、誰の目にも明らかです。

ここで無理をなされば、それこそ、大変なことになってしまいます。もしも先生がお倒れにでもなったら、学会は柱を失ってしまいます。
差し出がましく、僭越(せんえつ)であることは、十分にわかっております。

しかし、先生には、どうか、お休みになっていただきたいのです。それが同行している、みんなの気持ちでもあります。

≪ナレーションA≫ 十条は勢い込(こ)んで一気に語り、哀願(あいがん)するような目で伸一を見た。

≪山本伸一≫ 十条さん、ありがとう……。

≪ナレーションA≫ 伸一もまた、十条を見すえた。その目には決意の炎が燃えていた。
そして、伸一は、強い語調(ごちょう)で語ったのであります。

≪山本伸一≫ しかし、私は行きます。私を待っている同志がいる。みんなが待っているのに、やめることなど断じてできない。
ブラジルの訪問は、今回の旅の大きな目的だったではないですか。

そのためにやって来たのに、途中でやめることなどできない。
戸田先生が戦いの途中で引き返したことが一度でもありましたか!私は戸田先生の弟子です。

行く。絶対に行く。もし、倒れるなら、倒れてもよいではないか!

≪ナレーションB≫ 伸一の心の中には、戸田の逝去(せいきょ)の五ヶ月前のことが、まざまざと蘇(よみがえ)った。
それは恩師が病(やまい)に倒れる前日であった。
その日、広島に赴(おもむ)こうとする戸田を、叱責(しっせき)を覚悟で止(と)めようとしたのです。

≪山本伸一≫ 明日の広島行きは、お止めしなければならない。

≪ナレーションB≫ ソファーに横になり、めっきりやつれ、弱っている戸田を間近に見て、伸一の心は激しく痛んだ。
伸一は、床(ゆか)に座り、深々と頭を下げた。

≪山本伸一≫ 先生、広島行きは、この際、中止なさってください。
お願いいたします。どうか、しばらくの間、ご休養なさってください。

≪ナレーションB≫ 必死であった。なんとしても止めねばならないという気迫(きはく)が、伸一の全身からほとばしっていた。
戸田は身を起こし、じっと伸一を見た。

≪戸田城聖≫ ……それはできぬ。行く。行かねばならんのだ。

≪山本伸一≫ 先生、ご無理をなさればお体にさわり、命にもかかわります。おやめください。

≪戸田城聖≫ そんなことができるか!

≪ナレーションB≫ 戸田は声を張り上げて立ち上がり、伸一を睨(にら)みすえた。

≪戸田城聖≫ そんなことができるものか。……そうじゃないか。仏のお使いとして、一度、決めたことがやめられるか。
俺は、死んでも行くぞ。伸一、それがまことの信心ではないか。何を勘違(かんちが)いしているのだ!

四千人の同志が待っている。……伸一、死んでも俺を、広島に行かせてくれ。
死んだら、あとはみんなで仲よくやってゆけ。死なずに帰ったなら、新たな決意で新たな組織を創(つく)ろう。あとは、すべて御仏意(ごぶっち)あるのみではないか。

≪ナレーションB≫ その烈々(れつれつ)たる師の声は、今も伸一の耳に響いていた。
そして、それは、そのまま、不二の弟子・伸一の決意であったのです。

≪ナレーションA≫ 十条はゴクリと唾(つば)を飲み込んだ。彼は更に説得しようとしたが、何も言えなかった。
伸一の決定(けつじょう)した胸の内を聞いた十条は、もうこれ以上、伸一に語る言葉はないことを知った。そして、熱い感動が込み上げるのを覚えたのであります。

≪十条 潔≫ 山本先生! ……よくわかりました。申し訳ございませんでした。ただただ、どこまでも先生のお供(とも)をさせていただきます。

≪山本伸一≫ うん。行こうよ、海のはてまで。戸田先生に代わって世界広布の旅へ。

≪ナレーションA≫ 雲を突き抜け、ジェット機は力強く、大空へ上昇していった。
眼科には雲海(うんかい)が広がり、銀翼(ぎんよく)が、まばゆく太陽に映えていた。
それは、苦悩を突き抜け、悠々(ゆうゆう)と、勝利と歓喜の広布の大空を進み行(ゆ)く、正義の大鷲(おおわし)の姿を思わせた。
山本伸一の心は、軽やかに、まだ見ぬ新天地ブラジルを駆(か)け巡(めぐ)っていたのです。

本日は、小説新人間革命第1巻、「慈光(じこう)」の章などより、「ブラジル初訪問前夜」と題しまして、旭日地区のオールスターキャストで、お送りいたしました。
以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。


寸劇人間革命を最後まで読んでいただきありがとうございます。
この寸劇人間革命では、回想シーンが挿入されています。
その部分のナレーションを、≪ナレーションB≫で、おこなっています。
昭和32年11月の回想シーン(小説人間革命第12巻『憂愁』)と、昭和35年10月のシーンとで、山本伸一役を2人で分けて読めば、より判りやすい寸劇人間革命になると思います。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×125行です。
原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。
たのしく有意義な座談会に、ぜひ、御活用ください。

分量を 20文字×100行にしたショート版も準備しました。


ところで、冒頭の一言。『ノックの音がした。』
SF作家・星新一のショートショートからの借用です。 


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創立記念日,11.18にまつわるお話ショート版


我いま仏の 旨をうけ
 妙法流布の 大願を
高くかかげて 独り立つ
 味方は少なし 敵多し

誰をか頼りに 闘わん
 丈夫の心 猛けれど
広き戦野は 風叫ぶ
 捨つるは己が 命のみ

捨つる命は 惜しまねど
 旗持つ若人 何処にか
富士の高嶺を 知らざるか
 競うて来たれ 速やかに

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≪ナレーションA≫ 時は、昭和5年1930年11月18日。
初代会長・牧口常三郎先生の30年に及ぶ研究・思索・実践の結晶として「創価 教育学 体系 第一巻」が発刊されました。

そうです。本日は創価学会の創立記念日・11.18のお話であります。

≪ナレーションB≫ 時は流れて、昭和18年1943年6月。学会の幹部は総本山に登山を命ぜられ、なんと、「学会も『神札』を受けるように」と、話されたのであります。

≪牧口常三郎≫  承服(しょうふく)いたしかねます。神札は、絶対に受けません。

≪ナレーションB≫ 牧口会長は、こう言い切って、総本山を、後にしたのであります。

≪牧口常三郎≫ 私が嘆くのは、一宗(いっしゅう)が滅びることではない。一国が眼前でみすみす滅び去ることだ。宗祖日蓮大聖人の悲しみを私はひたすら恐れるのだ。

今こそ国家諫暁(かんぎょう)の秋(とき)ではないか。
宗門は、いったい、何を恐れているのだろう?
戸田君、君はどう考える?

≪戸田城聖≫ 先生、戸田は命をかけて戦います。
何がどうなろうと、戸田は、どこまでも先生の、お供をさせていただきます。

≪ナレーションB≫ 牧口は、一、二度うなずいて、はじめてニッコリと笑いかけた。
そして、この日から十日とたたぬうちに、二人は逮捕されたのである。

権力の弾圧に恐れをなした宗門は、あわてて創価学会の総本山への登山を禁止し、信徒除名処分としたのです。

逮捕されてから一年四ヶ月。
昭和19年11月18日。牧口会長は東京拘置所で逝去したのであった。
奇(く)しくも、創価教育学体系の出版から、ちょうど14年の歳月が、流れていたのであります。

≪ナレーションA≫ それから一年、昭和20年11月18日。牧口会長の一周忌が営まれることになった。
集まったのは、親族のほかに、わずかに二十数名の門下の弟子であった。

≪戸田城聖≫ 忘れもしない今年一月八日、私は取り調べの判事(はんじ)から、突然「牧口は死んだよ」と聞かされたのであります。
私は独房(どくぼう)に帰って、ただ涙にかきくれました。

この世に、これほどの悲しみがあろうとは、思いもかけないことでありました。

先生は、死して、獄門(ごくもん)を出られた。
不肖(ふしょう)の弟子の私は、生きて獄門を出た。私がなにを、なさねば、ならぬかは、それは自明(じめい)の理であります。

話に聞いた地湧(じゆ)の菩薩は、どこにいるのでもない。実に、われわれなのであります。
私は、この自覚に立って、今、はっきりと叫ぶものであります。

広宣流布は、誰がやらなくても、この戸田が必ずいたします。

先生―先生の真(しん)の弟子として、立派に妙法流布にこの身を捧(ささ)げ、先生のもとにまいります。今日よりは、安らかにお休みになってください。

≪ナレーションA≫ 法要の帰り道、戸田は未来への決意を心に秘めて、自作の詩を、一人、静かに歌ったのであります。

≪同志の歌≫(ゆっくりと朗読)

我(われ)いま仏の 旨(むね)をうけ
 妙法流布(るふ)の 大願を
高くかかげて 独(ひと)り立つ
 味方は少なし 敵多し

誰(だれ)をか頼(たよ)りに 闘(たたか)わん
 丈夫(じょうぶ)の心 猛(たけ)けれど
広き戦野(せんや)は 風叫(さけ)ぶ
 捨(す)つるは己(おの)が 命のみ

捨つる命は 惜(お)しまねど
 旗(はた)持つ若人(わこうど) 何処(いずこ)にか
富士の高嶺(たかね)を 知らざるか
 競(きそ)うて来たれ 速(すみ)やかに

≪ナレーションB≫ 
本日は、小説「人間革命」第1巻「一人立つ」の章、などから、『創立記念日,11.18にまつわるお話』を、黎明地区のオール スター キャストで、お送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。



この寸劇人間革命を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この寸劇人間革命の分量はおおよそ、20文字×100行です。

原稿印刷用に、空白行の少ないテキストデータを準備いたしました。
ぜひ、座談会でご活用ください。

この11.18をテーマにした寸劇人間革命はいろいろと、作ってみました。

その寸劇を読んでみたい方は、ここをクリック してください。

こっちにもあります。ここをクリック してください。


最後に「創価学会の歴史と確信」(戸田城聖著1951)の一部を収録しました。
寸劇の内容を説明する際の参考にしてください。

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『60年安保』のお話し


ただし、政治上の問題であっても、これを許せば、間違いなく民衆が不幸になる。

人類の平和が破壊されてしまう。

と、いった根源の問題であれば、私も発言します。

いや、先頭に立って戦います

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≪ナレーションA≫ 時は、昭和35年、1960年の6月。

永田町の国会議事堂周辺は、連日数万人ものデモ隊で埋め尽くされたのであります。
そうです。本日は、『60年安保』のお話しであります。

≪ナレーションB≫ 数を頼りにした自民党は、単独強行採決。

一方、社会党も断固拒否の一点張りでしかなかったのであります。


≪青年 A≫ 新安保条約は、今大きな問題となっておりますが、この際、学会としても統一見解を出すべきではないかと思いますが、どうでしょうか?

≪山本伸一≫ なるほど。それで、君は安保に対しては反対なのか、それとも賛成なのか?

≪青年 A≫ 私は断固反対です。安保は廃棄し、中立の立場に立つべきだと思います。

≪青年 B≫ 私は、全面的に賛成とはいいかねますが、今のところ、やむをえないと思います。

日本は、アメリカの協力なくしては、軍事的にも、経済的にも、独り立ちはできない状況です。

今、安保を廃棄したりすれば、日本はアメリカを敵に回すことになります。

したがって、安保を今の段階で廃棄せよというのは、現実を無視した意見です。


≪青年 A≫ いやいや かくかく しかじか

≪青年 B≫ いやいや しかじか かくかく


≪ナレーションB≫ 主張は二つに分かれて、平行線です。
伸一は、彼らを包むように見回すと、にこやかに語り始めた。


≪山本伸一≫ 青年部の君たちの間でも、これだけ意見が食い違う。

一口に学会員といっても、安保に対する考え方はさまざまだよ。

反対も賛成もいる。

そして、どちらの選択にも一長一短がある。それを、学会としてこうすべきだとは言えません。

私はできる限り、みんなの意見を尊重したい。
大聖人の御書に、安保について説かれているわけではないから、学会にもいろいろな考えがあってよいのではないだろうか。

政治と宗教は次元が違う。

宗教の第一の使命は、一切の基盤となる人間の生命の開拓にある。

宗教団体である学会が、政治上の一つ一つの問題について見解を出すのでなく、学会推薦の参議院議員がいるのだから、その同志を信頼し、どうするかは任せたいと思う。

≪ナレーションB≫ うなずきながら聞いている青年たちに、伸一は、最後に力強く語りかけました。

≪山本伸一≫ ただし、政治上の問題であっても、これを許せば、間違いなく民衆が不幸になる。

人類の平和が破壊されてしまう。

と、いった根源の問題であれば、私も発言します。

いや、先頭に立って戦います。


≪ナレーションB≫ 青年たちの目が、キラリと、光ったのであります。



≪ナレーションA≫ 本日は、『60年安保のお話』を、小説『新・人間革命』第一巻・新世界の章から、旭日地区のオールスターキャストで、お送りいたしました。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。




この寸劇人間革命を最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×80行です。


原稿印刷用に、空白行の少ないテキストデータを準備いたしました。

ぜひ、座談会で、ご活用ください。



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ポイント学習・観心本尊抄(現代語訳)

教学試験1級学習用のテキストデータです。
重要ポイントをまとめてみました。
学習の参考にどうぞ。
(誤入力 あったら訂正します)
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ポイント学習・観心本尊抄(原文)

教学試験1級学習用のテキストデータです。
重要ポイントをまとめてみました。
学習の参考にどうぞ。
(誤入力 あったら訂正します)
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観心本尊抄・現代語訳全文

教学試験1級学習用のテキストデータです。
学習の参考にどうぞ。
(誤入力 あったら訂正します)
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大衆とともに



私は、『獅子が我が子を千尋の谷に突き落とす』がごとき思いで、諸君を政治の世界に送り出すのである。

しかし、だれ一人として、這い上がってくることはできぬであろう。


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≪ナレーションA≫ それでは寸劇人間革命のコーナーです。
本日は「大衆とともに」と題しましてお送りいたします。

≪ナレーションB≫ 時は昭和30年1955年2月。
学会本部2階の広間であります。

全国から選ばれた、文化部員の任命式が行われたのであります。

戸田城聖は、まだ海のものとも、山のものともわからない文化部員を前にして、その出立(しゅったつ)を激励したのであります。

≪戸田城聖≫ いよいよ時が来たのです。諸君は妙法を胸に抱きしめた文化部員であることを、いつ、いかなる所にあっても、忘れてはなりません。民衆のなかに生き、民衆のために闘(たたか)い、民衆のなかに死んでいってほしいと私は願う。

名聞名利(みょうもんみょうり)を捨て去った真の政治家の出現を、現代の人類社会は渇望(かつぼう)しているのだ。諸君こそ、やがて、この要望に応えうる人材だと、私は諸君を信頼している。

立派に闘いなさい。
私はどんなにしても応援しよう。今後どうなろうとも、わが学会の文化部員として、生涯、誇らかに生きぬいていきなさい。
ともかく、われわれの期待を断じて裏切るな!

≪ナレーションB≫そして、思わぬ厳しい指導がなされたのです。

≪戸田城聖≫ ここに集った、54名の文化部員は、皆、私の、愛弟子(まなでし)である。

私は、『獅子が我が子を千尋(せんじん)の谷に突き落とす』がごとき思いで、諸君を政治の世界に送り出すのである。

しかし、だれ一人として、這(は)い上がってくることはできぬであろう。

≪ナレーションB≫ 戸田は、滂沱(ぼうだ)とだがれる涙を、ぬぐおうともしなかったのであります。
新しい分野に巣立つ54名の新部員は、緊張した面持ちで戸田の言葉を聞いていた。

それは激励とも思われたが、また新しい門出への惜別(せきべつ)の言葉とも響いた。
征(ゆ)き、断じて還ることを、拳(こぶし)を握りしめて心に誓ったのであります。

 「大衆とともに、」--それは公明党の、偉大なる精神であります。
この精神を訴えたのは、山本伸一であった。

≪ナレーションA≫ 昭和37年1962年9月13日。
公明政治連盟の第1回全国大会に出席した山本伸一は、大衆の真実の友たるべき、公明政治連盟の政治家の在り方を、次のように語ったのであります。

≪山本伸一≫ 最後の最後まで、生涯、政治家として、そして指導者として、大衆に直結していってもらいたい。

偉(えら)くなったからといって、大衆から遊離(ゆうり)して、孤立(こりつ)したり、また組織の上にあぐらをかいたりするような政治化には、絶対に、なっていただきたくないのであります。

大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆のなかに入りきって、大衆のなかに死んでいっていただきたい。

どうか、公政連(こうせいれん)の同志の皆さん方だけは、全民衆のための、大衆のなかの政治家として、一生を貫き通していただきたいと、切望するものであります。

≪ナレーションA≫そしてこの「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆のなかに死んでいく」との言葉が、公明党の偉大なる立党精神となっていますことは、皆様ご存知のとおりであります。

本日は、小説人間革命第9巻「展開」の章、さらに、小説新人間革命第9巻「衆望」の章などから、「大衆とともに」と題しまして、公明党の立党精神のお話を、旭日地区の オールスターキャストでお送りいたしました。

以上で寸劇人間革命のコーナーを終わります。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

以前に掲載したものを、短く作り直したものです。
エピソードを省略してみました。

その寸劇人間革命(エピソードが入ったもの)を読んでみたい方は、ここをクリック してください


この寸劇人間革命の分量は、おおよそ20文字×80行です。


原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。
是非、座談会でご活用ください。

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「戸田大学」のお話

世界のいかなる大学者、大指導者とも、いかなる問題であれ、自由自在に論じられる力をつけるように、鍛えておくからな。

君たちは、教えた事をみんな忘れてしまうようだけれど、伸は違うぞ。

伸は、海綿のようによく吸収する。
鋼の板に刻むように覚えているな。

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≪ナレーションA≫ かつて戸田城聖は、彼の事業が苦境(くきょう)に陥(おちい)り、その再建のために夜学を断念した伸一に、万般(ばんぱん)の学問の個人教授を続けたのであります。
そうです。本日は、「戸田大学」のお話であります。

≪戸田城聖≫ 日本の経済も混乱している時代であり、私の仕事も、ますます多忙になっていく。ついては、君の学校の方も、断念してもらえぬか?

≪山本伸一≫ 結構です。先生のおっしゃる通りにいたします。

≪戸田城聖≫ そのかわり、私が責任をもって、君の個人教授をしていくよ。伸、心配するな。大学の勉強を、みんな教えるからな。


≪ナレーションA≫ 戸田は日曜日というと伸一を自宅に呼んだ。そして、御書はもちろん、政治、経済、法律、歴史、漢文、化学、天文学、物理学と、様々の分野にわたる個人教授が始まったのであります。

≪戸田城聖≫ 世界のいかなる大学者、大指導者とも、いかなる問題であれ、自由自在に論じられる力をつけるように、鍛(きた)えておくからな。

俺は原理を教えるが、細かいことは教えないぞ。後は自分で思索(しさく)しろ。

メモを取ってはいかん。全部、頭の中に入れておけ。
命に刻(きざ)め。命で感じ取れ!

いい本を読め。これを読め。

今、何を読んでいる。今日は、何を読んだ。
その本のあらすじ・内容を言ってみろ。


≪ナレーションA≫ 戸田は、心血を注いで伸一を教え育んだ。来る日も、来る日も、自身の一切の学識と経験と知恵を伝えた。まるで、「あすにでも自分が死んでゆくから、そのために今、全力を尽くして教えているのだ。」といった遺言(ゆいごん)の講義のようであった。


≪山本伸一≫ (若き日の日記より)
先生の、身体をいとわず、弟子を育成して下さる恩。
吾人(ごじん)は、いかに返さんや。
今だ。力、力、力を蓄(たくわ)える時は。
あらゆる力を、後代(こうだい)の準備として蓄えん。


≪ナレーションA≫ 教える戸田と、それを全身で受けとめようとする伸一との間には、まさに師弟一体の姿があったのであります。



≪戸田城聖≫ 君は詩人だから、ホイットマンは、よく知っていると思うが、ちょっと聞いてみたい。
ホイットマンについて、少し話してみろ。
 いつの時代の人物であったのか?

≪山本伸一≫ ウォルト・ホイットマンは、1819年の生まれだったと思います。

≪戸田城聖≫ そうか。どういう詩が有名だね?

≪山本伸一≫ 『大道の歌』とか、『開拓者たちよ!』といった詩が有名です。

≪戸田城聖≫ それでは、その中から、君が好きな詩を、二、三行でもいいから、詠(よ)んでみなさい

≪山本伸一≫ はい。『開拓者たちよ!』の詩の一節を暗誦(あんしょう)します。

わたしたちは、ここにぐずぐずしては、いられないのだ、
愛する人々よ。
わたしたちは、進軍しなければならない。
わたしたちは、危険な矢面に立って、耐えきらなければならない。

≪戸田城聖≫ そうだ。何があっても、我々は進軍するのだ!私は進むぞ。
君も進め! 永遠に前へ!


 ≪ナレーションB≫ 次第に、日曜日だけでは時間が足りなくなり、戸田の会社で、毎朝、講義をすることになった。

 戦時下の牢獄で痛めつけられた戸田の体には、毎朝毎朝の講義は、相当の負担であったにちがいない。

 しかし、戸田は、広宣流布のために、分身の弟子を未来に残さんと、命がけで講義を続けたのであります。


≪戸田城聖≫ 高等教育の万般を教えよう。優秀な大学以上に、教育を授けたい。
 私が、君たちには、これから、あらゆる生きた学問を教えてあげたいのだ。


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≪ナレーションB≫ 山本伸一たちは毎朝、戸田より早く出社して掃除・雑巾がけを済ませたうえで、静かに戸田を待った。

戸田の真正面に伸一が座り、ほかの受講を許された数名がイスを持ち寄って二人を囲んだのであります。


≪戸田城聖≫(他の受講生に)君たちは、教えた事をみんな忘れてしまうようだけれど、伸は違うぞ。
伸は、海綿(かいめん)のようによく吸収する。
鋼(はがね)の板に刻むように覚えているな。
いっさいのことは、伸に話している。すべて伸に聞いて、やっていきなさい。


≪ナレーションB≫ ある講義が終了した時、戸田は、机の上にあった一輪の花を手に取った。
そして、その花を、伸一の胸に挿(さ)したのであります。

≪戸田城聖≫ この講義を修了した優等生への勲章だ。
伸一は、本当によくやってくれているな。
金時計でも授(さず)けたいが、何もない。すまんな。


≪ナレーションB≫ 広宣流布の大師匠からの真心の賞賛である。伸一は、その「花」こそ、最高に栄誉ある勲章であると思ったのであります。

伸一は、後年、多くの国家勲章。そして名誉学術称号を受賞することになる。
伸一は、その根本要因こそ、師匠より賜(たまわ)った「一輪の花」に対する「感謝」と、ますますの精進(しょうじん)を誓った「心」にこそ、あったと、深く、強く、確信しているのであります。


≪ナレーションA≫ 本日は、小説人間革命第4巻・秋霜の章、さらに、小説、新・人間革命第21巻・共鳴音の章などより、「戸田大学」のお話を、黎明地区のオールスターキャストで、お送りいたしました。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。




この寸劇人間革命を、最後まで読んでいただきありがとうございます。

戸田先生の出番が多いので、2人で分けて読んでも良いかなと思います。

ナレーションをまとめて一人で読んでもけっこうです。


この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×130行です。

原稿印刷用に空白行の少ないテキストデータを準備しました。
是非、座談会でご活用ください。

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総集編201503

総集編201503として、今まで作った寸劇人間革命の中から、座談会で使えそうなものをピックアップしてみました。

A4用紙1枚に収められる分量のものを選んでみました。以前に掲載したものを少し手直ししたものもあります。

改めて見直してみるとまだまだ下手だなあと思います。これからも挑戦していきます。よろしくお願いします。

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1)学会歌・『厚田村』にまつわるお話
   約20文字×105行

2)『牧口先生と戸田先生』そして『11.18創立記念日』のお話
   約20文字×90行

3)『創立記念日・11.18』にまつわるお話
   約20文字×130行

4)「友人との語らい・森ヶ崎海岸」のお話
   約20文字×100行

5)「戸田先生と山本伸一青年の運命的な出会い」のお話
   約20文字×105行

6)「山本伸一22歳の闘い」のお話
   約20文字×115行

7)「5月3日創価学会の日」のお話
   約20文字×105行

8)『伝統の二月』のお話
   約20文字×105行

9)「8年目のお赤飯」のお話
   約20文字×85行

10)『7月3日』のお話
   約20文字×145行

11)「7月17日・かき氷」のお話
   約20文字×130行

12)「原水爆禁止宣言」のお話
   約20文字×130行

13)学会歌「田原坂」のお話
   約20文字×105行

14)「昭和33年3月のお話
   約20文字×105行

15)「3月16日・広宣流布記念の日」のお話
   約20文字×135行

16)「戸田先生、最後の指導」のお話
   約20文字×130行

17)「七つの鐘・そして五月三日」のお話
   約20文字×135行

18)「雪の秋田指導」のお話
   約20文字×130行

19)「植木屋のおじさん」のお話
   約20文字×130行

20)「世界広布新時代」のお話
   約20文字×125行

21)「トインビー対談」のお話
   約20文字×110行

22)第一次ソビエト訪問・コスイギン首相のお話
   約20文字×105行


以上22個の『寸劇人間革命』です。
印刷用の空白行の少ないデータを掲載しています。
是非、座談会で、ご活用ください。

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会則改正勉強会


春になると、ウグイスが鳴きます。

 ホーホヶキョ♪ 
  ホーホヶキョ♪ 
   ホーホヶキョ♪

しかし日寛上人には、そうは聞こえません。

 ホーンゾンカケタカ♪ 
  ホーンゾンカケタカ♪ 
   ホーンゾンカケタカ♪


広宣流布の時は近い。
御本尊流布を急げ。急げ。急げ。

大石寺のウグイスは鳴きます。

 ホーンゾンカケタカ♪ 
  ホーンゾンカケタカ♪ 
   ホーンゾンカケタカ♪

あれから、んん百年。
世界広布新時代前進の年。
そして世界広布新時代躍進の年を迎えました。
日寛上人の御本尊様が全世界に流布する画期的な時代を迎えたのです。

今この時を迎えて再び大石寺のウグイスは鳴きます。

ガーッカイヤメタカ♪ 
 ガーッカイヤメタカ♪ 
  ガーッカイヤメタカ♪ 

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『垂直睡眠』のお話し



私はね、この新聞を、日本中、いや世界中の人に読ませたいんです。

それ自体が仏縁を結ぶことになるじゃないか。つまり、折伏に通じていくんです。

やがては聖教も週二回にも三回にもなるだろうし、毎日発行する日も、かならずきます。

それまで、しばらくは辛抱してくださいよ。

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≪ナレーションA≫ 本日は『垂直睡眠(すいちょくすいみん)』という、お話しであります。宇宙ステーションでは、寝袋に入って、立ったままで睡眠をとるそうです、が?。
はて、さて、『垂直睡眠』とは、いったい全体、何のことでありましょうか。お話は、昭和32年、1957年、戸田先生を囲んでの、質問会まで、さかのぼります。

≪質問者≫ 先生、普通の新聞は、信用できません。聖教新聞を、週2回出すようにして、いただけませんでしょうか。

≪戸田城聖≫ はっはっはっ。おいおい、あんまり無理なことをいうなよ。週に一回でも、皆がよく読めば十回分くらいの中身はあります。

聖教新聞には幸福への道が書かれている。仏法の眼から、社会の現象を、どうとらえていけばよいのかも書いてあります。こんな新聞は、ほかにはありません。
私はね、この新聞を、日本中、いや世界中の人に読ませたいんです。それ自体が仏縁を結ぶことになるじゃないか。つまり、折伏に通じていくんです。

やがては聖教も週二回にも三回にもなるだろうし、毎日発行する日も、かならずきます。
それまで、しばらくは辛抱してくださいよ。

≪ナレーションA≫ 時は流れて、昭和40年、1965年5月であります。

≪山本伸一≫ 聖教新聞の日刊の準備はどうだろう。

≪編集長・秋月英介≫ はい。10月をめどに進めております。

≪山本伸一≫ もう少し、早くできないだろうか。学会の前進は日ごとに早まっている。週に3回の発行ではもう、遅い。困っていることがあったら、何でも相談しなさい。さあ、今日から戦闘開始だ。
聖教新聞を世界最強の言論城(げんろんじょう)にしよう!
≪ナレーションA≫ こうし聖教新聞を毎日、発行することが、決定したのであります。

≪印刷所・工場長≫ このゲラ刷りはなんですか。「7月15日から日刊」ですって。(手がブルブル)
これだけはおやめなさい。いくらなんでも無理ですよ。これには、2年や3年の準備が必要だ。
私は、学会の会合や文化祭にも招待してもらい、学会の底力は知っているつもりです。しかし、日刊紙を出すということは、並大抵の事じゃない。おそらく、三日もたてば、パンクして新聞が出せなくなってしまう。悪いことは言わない。考え直した方がいいですよ。

≪編集長・秋月英介≫ 長年、新聞の印刷に携(たずさ)わってきた、工場長さんの気持ちは、よくわかります。
絶対に成功させますから、見ていてください。

≪印刷所・工場長≫ うーん。しかたない。わかりました。うちも全力で応援しましょう。うーん
≪ナレーションA≫ こうして、日刊の準備が進められました。聖教新聞の新入職員の研修期間は、三ヶ月であった。それが二ヶ月になり、一ヶ月になり、とうとう三日となったのであります。

≪広告局長≫ 広告も、これまでの倍以上の獲得(かくとく)が必要だ。

戸田先生は「新聞は広告を見れば、その信用がわかるんだよ。会員の出してくれる広告はありがたいが、それだけでは君たちの本当の戦いにはならないぞ。
一流といわれる企業にもどんどんぶつかり、学会がいかなる 団体であり、聖教新聞が、いかにすごいかを、認識・理解させ、広告を獲得していくのだ。」と話されたことがあります。

いよいよ正念場だ。ひとたび出て行ったら、結果を出すまでは、帰らないという思いでやろうじゃないか。

≪ナレーションB≫ いよいよ、日刊の作業が始まると、編集室は、連日、戦場のような緊張感に包まれた。時間との壮絶な戦いであります。
聖教新聞社の誰もが輝いていた。首脳幹部から、新入職員にいたるまで、“たとえ自分一人になっても、必ず、日刊化を軌道に乗せるぞ”との決意を固め、希望に胸を躍らせていたのであります。

≪編集長・秋月英介≫ さあ、早めにきりあげて、帰りなさい。みんな体に悪いよ。

≪ナレーションB≫ 編集長がいくら呼びかけても、誰も帰ろうとはしなかった。結局、ほとんどの記者たちが、毎日のように社に泊まり込むことに、なったのであります。
泊まるといっても、イスを並べて横になり仮眠をとるだけです。ところが、、

≪編集長・秋月英介≫ おお!青田君は、すごい!

≪ナレーションB≫ そのなかで、イスに座って、腕組みをしたままの姿勢で眠る、という“特技”を見せる者がいた。第一編集局長の、青田進である。

 記者たちは、その姿に驚き、感嘆しつつ、それを、密(ひそ)かに、“垂直睡眠”と名づけたのであります。

≪ナレーションA≫ 本日は、小説新人間革命・第10巻「言論城」の章などより、「聖教新聞」そして、おまけに「垂直睡眠」のお話を、旭日地区のオールスターキャストでお送りいたしました。

以上で、寸劇人間革命のコーナーを終わります。




この寸劇人間革命を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「私はね、この新聞を、日本中、いや世界中の人に読ませたいんです。」
この部分は、小説人間革命第11巻・大阪の章。
1952/7/17の大阪大会の時の質問会のお話です。

この寸劇人間革命の主人公は青田進さんです。
青田進さんとは、青木亨さん・もと副会長です。前回発表のブログ(2015/01/20)の写真で、池田先生のすぐ左隣に写っているネクタイ姿の壮年が、青木亨さんだと思います。

直接に、お話したことはありませんが、「この人は違う。すごい人だ。創価学会の壮年の幹部の人は、普通のオジサンとは、違う。」と実感した事がありました。
おそらく今80歳くらいになられると思いますが、どうされているのでしょうか?
ご存知のかたおられましたら、コメントなどでお知らせください。


この寸劇人間革命の分量は、おおよそ、20文字×110行です。

原稿印刷用に、空白行の少ないテキストデータを準備しました。
ぜひご活用ください
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